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【虎に翼】第65話(ネタバレあり)6月28日感想

金曜日の朝はいつも「すごかったなあ」と感心(感動)しながら終わるんだけど、昨日(6月28日)の『虎に翼』もやっぱりすごくて、また来週が待ちきれません。

前日あたりのネットニュースで、65話の昨日は花江ちゃんが梅子さんに秘密を告白……みたいな意味深なことが載っていたから、どんな秘密なのだろうといろいろ考えを巡らせていましたが。
そうか、そうだったのか……。



花江ちゃんの悩み

花江ちゃん、責任感が強くて完璧主義なところがあるんですよね。
だから悩んじゃう。
そして人の気持ちのよく分かる優しい人。
だから余計に考えちゃう。

お母さんが亡くなってからの猪爪家の家事育児全般をほぼ一人で担ってきた花江ちゃんは、大変だっただろうな。

肉体的にも、精神的にも、限界に近いところまできていたのかもしれない。誰にも相談できなかったから尚更。

寅子も直明も、仕事に勉強に社会のためにと朝から晩まで大忙しで、とても充実して見えた。
目の前に座っている梅子さんは、これからの自分の幸せのために新しい人生を歩もうとしている。

花江ちゃんからしたら、自分以外の皆んなが「すごい人たち」に見えてしまったんだよね。

「自分だけ何も変わってない。自分だけ役目を果たせていない」って。
「昔みんなで毒饅頭作ったときと同じ気持ちになってしまった」って。
モヤモヤした気持ちを梅子さんに打ち明けた花江ちゃん。

でもそれって、花江ちゃんが毎日を一生懸命に生きている証でもあるんだけどな。そんなこと本人が気づくはずもなく。

こういうときって、自分の悩みがすごくつまらないことのように感じてしまうんですよね。他の人たちはこんなにすごくて、自分なんかよりもっと、ずっと、めちゃくちゃ頑張っているのに、自分は何というつまらないことでいつまでもウジウジ悩んでいるんだ。こんな小さなつまらないことを誰かに相談なんてできない。他の人たちはもっと大きな課題に立ち向かっているんだから、と。

悩みって誰から見たら大きくて、誰から見たら小さいんでしょうね。
つまらない悩みなんて誰が決めるのかな。

悩んでる本人の中に占めている割合が大きければ全部「大きな悩み」だし、それだけ悩んでいるのなら「つまらない悩み」なんかじゃない。

花江ちゃん、梅子さんに打ち明けられて良かったなあ。



花江ちゃんの秘密

梅子さんの、優しくてあたたかい人柄には本当に憧れる。
あの柔らかく包み込むような眼差しで、「話しなら聞くけど?」なんて言われたら、言わなくてもいいことまで全部話してしまいそうだ。

「お母さん、道男と一緒になってもいいよ」

花江ちゃんが長男の直人に言われた思いがけない言葉。

寅子のラジオを聞いて、直人は直人なりに、お母さんの幸せってなんだろうって一生懸命に考えたんだろうね。
道男が来るたび嬉しそうにしている花江ちゃんを見たら、そりゃあ「お母さん、道男のことが好きなんだ」って思っちゃうよね。私だってもしかしたらそうなのかも、って疑ってしまったもの。

お母さんが自分たち家族と過ごしているときはいつも大変そうにしているのに、道男が来たときだけ楽しそうにしていたらね、

「僕たちがお母さんのことを苦しめてしまっているのかもしれない。お母さんは自分たちのせいで幸せになれていないのかもしれない」

って、あの優しい花江ちゃんの息子なんだからそのくらいのことは考えてしまうよね。(まさか「道男が来ると直道さんが夢に出てくるから嬉しい」っていう驚きの理由で喜んでいたなんて、想像もできなかった事実が判明するんだけど。)

それを、花江ちゃんはまた、

「息子にそんな風に思わせてしまった」

と反省するわけで。この堂々巡り。

「良い母になんてならなくていいと思う。自分が幸せでなきゃ、誰も幸せになんてできないのよきっと」
って梅子さんに言われて涙した花江ちゃん。

つまり何が言いたいのかっていうと、
全部一人で抱え込んで思い詰めていたって何も解決しないよってこと。

一人でくよくよ悩んで周りの誰かに心配かけてしまうぐらいなら、どんなにつまらない事だと思っても、どんどん口に出して言っていくべきだってこと。でもそれが難しいから皆んな悩むんですけどね。

花江ちゃんは花江ちゃんで、お母さん(はるさん)みたいになる必要なんてないんだし、猪爪家の皆んなも完璧なんて求めていたわけじゃないから、花江ちゃんがそんなに悩んでいたって気付けなかった。

私からしたら、もともと花江ちゃんだって充分「すごい」と思える人だったんだけどなあ。65話の今回、花江ちゃんが猪爪家の皆んなにあんな風に素直に自分の気持ちを伝えられるなんて、しかも不満でも愚痴でも弱音でもなく「お願い」という形でだよ。

やっぱり「すごいなあ」と思った。
すぐにイライラして子どもたちにあたってしまう私にはいつになっても真似できそうもない神業のような手法。(私だったら「誰も手伝ってくれないから大変」って絶対文句言ってる)

もっと早くに言えたら良かったのかもしれないけれど、でも誰にも負担をかけずに自分でやれるところまでやりたいって気持ちもあったのかもしれないしね。何はともあれ、猪爪家の団結が更に強まったような回でとても良かった。


愛のコンサート開催

一方、「愛のコンサート」に出演した茨田りつ子さん。
寅子と同じで仕事が好きで、裁縫が苦手な人。

仕事にやりがいを感じ、誇りを持っている。
そして人々の幸せのためにやっている。
それが自分の幸せでもある。

皆んな自分が幸せでなければ人を幸せにはできないんだ。

りつ子さんの歌唱も聞けて嬉しかったです。

それにしても、ほぼ初対面の寅子に向かって
「下手ねえ」
と何気ないテンションで毒舌を吐ける茨田さんが相変わらず過ぎて大好きだ。



愛のコンサート第二部

それから愛のコンサートの打ち上げで「第二部」ってことで、寅子が優三さんのこと思いながらモンパパを歌う姿も良かったなあ。

寅子の歌をBGMに、ヒャンちゃんが梅子さんの握った懐かしいおにぎりを食べるシーン。いつかヒャンちゃんも昔みたいに心を開いてくれるときが来るといいなあ。よねさんも、轟も、また皆んなで昔みたいに集まって、一緒におにぎりを食べられるといいなあ。

そして同じく寅子の歌をBGMに、夢の中で花江ちゃんが亡き夫・直道さんと再会するシーン。なんて幸せで、あたたかい夢なんだろう。花江ちゃん、良かったね。

こんな夢を見たのが嘘のように、朝になるとまたいつもの日常がやってくる。

でも昨日までとは違って、皆んなが花江ちゃんを手伝っている姿に驚く寅子。

そうなのよ、
花江ちゃんはお母さんと違って、皆んなに甘えるのが上手だからね。



そしてまた来週の予告を見て
「ええ!」だの「うそー!」だのと声に出して大騒ぎする私。
穂高先生えぇ…。


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