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”学校エグゼクティブコーチング”の可能性

教育現場は、急速な社会の変化や多様化する生徒のニーズに対応するために、数え上げたらキリがないほど多くの課題に直面しています。

そして、全国の校長や教頭などの管理職は、学校のリーダーシップを担い、学校全体の運営や教育の質を左右する重要な役割を担っています。学校の管理職は、大多数は、教員としてそれぞれが様々な経歴を辿りながらその職についています。
①教諭
②主幹教諭
③教務
④市教委経験者 ・・・指導主事系、特別支援教育系、人事担当系、総務系etc
⑤県教委経験者 ・・・指導主事系、特別支援教育系、人事担当系、総務系etc
⑥在外教育施設経験者
こうしたような職種をそれぞれが経験しながら、管理職担っていきます。
どのルートを通っても大抵は、先生が指導内容や児童・生徒指導、支援を考えることがその業務の大半で管理業務とか、マネジメント業務とかそうしたことに従事したこともないまま管理職としての仕事が始まります。

よく成り立ての教頭先生が、「学校にいながら全く別の仕事についたみたいだ!」
と語るようにそれまでのキャリアとはかけ離れた仕事に従事するわけです。
管理職になるまでの経験をうまく昇華させて、その業務をスムーズにこなす先生も少なくはありません。しかし、管理職として着任する多くの教頭先生方は、経験のない仕事に向き合い、体験的に必要なことを身につけていっていると言っても過言ではありません。

確かに、教育委員会が申し訳程度に管理職に対して研修を行うことはありますが、そのような研修で網羅できるほど生易しいものでもありません。

こうした背景から、学校でも企業の管理職が受けるようなエグゼクティブコーチングの必要性があるのではないかと考えています。
※エグゼクティブコーチングは、管理職が自己のスキルを向上させ、効果的なリーダーシップを発揮するためのサポートを提供する手法です。


エグゼクティブコーチングとは

エグゼクティブコーチングは、企業の経営層に対して行われることが多いものですが、教育分野でももっと注目を集めても良いのではないかと思います。
企業の経営層へのコーチングは、個別のニーズに合わせたサポートを提供し、目標達成や問題解決を支援することを目的としています。
学校エグゼクティブコーチングでは、校長や教頭などの管理職が、リーダーシップスキルの向上、ストレス管理、コミュニケーション能力の強化など、多岐にわたる課題に取り組むことができると思います。

学校エグゼクティブコーチングの具体的な効果

1. リーダーシップの強化  

エグゼクティブコーチングは、管理職が自己のリーダーシップスタイルを見直し、効果的なリーダーシップを発揮するためのスキルを向上させる手助けをします。
このことにより、学校全体の雰囲気を改善したり、教職員や子供たちのモチベーションを向上させることを狙います。

2. コミュニケーション能力の向上  

管理職は、多くの教職員や保護者、子供たちとコミュニケーションを取る必要があります。そのコミュニケーションは担任時代に培ったものが役立つとはいえ、異なるタフな交渉や対応力も求められます。そうした力をつけていないとハードな保護者対応などで窮地に陥らないとも限りません。特に、そうした経験のあるコーチとのエグゼクティブコーチングを通じて、効果的なコミュニケーション方法を学ぶことで、誤解や対立を減少させ、円滑な対応や学校運営を実現していくことができるのではないでしょうか。

3. ストレス管理  

また、教育現場は常に多くのプレッシャーやストレスにさらされています。管理職である教頭や校長は、担任のプレッシャー、ストレスとはまた性質を異にしたものです。学校を背負うような大きなプレッシャーものしかかってくるからです。
エグゼクティブコーチングでは、ストレス管理の技術やリラクゼーション方法もその守備範囲として提供し、管理職が健康的な状態で職務を遂行できるよう支援していくものが求められます。

4. 目標設定と達成  

学校運営には、ここ数年来よく耳にするようになったグランドデザインといったものに始まり、学校教育目標などという長、短期に及ぶ目標が設定されています。そうした学校の目標は重要視され、どこの学校にも設定をされているものです。とはいえ、その目標の扱いは、ここの管理職や学校によって様々でただ掲げられているだけで、有名無実のお題目となっていることもあります。
そこで、エグゼクティブコーチングでは、明確な目標設定とその達成に向けた戦略の策定を支援し、グランドデザインや学校教育目標を礎にして学校全体の発展を促進するよう共に考えていくことも可能です。

エグゼクティブコーチングを導入すると・・・

例えば、ある中学校の校長がエグゼクティブコーチングを受け入れたケースを想定すると、校長は、コーチを受けながら共に相談し、考えながら自身のリーダーシップスタイルを見直し、教職員とのコミュニケーションを改善するための具体的なスキルを身につけるよう取り組みます。
その結果、グランドデザインに基づいた学校の組織化や運営を図り、教職員の士気が向上し、生徒の学業成績につながる学校運営が期待できます。また、保護者との関係も管理職のコミュニケーションスキルを高めることで良好になり、学校全体の雰囲気が大きく改善することがも導入により想定することができます。

エグゼクティブコーチングの進め方

エグゼクティブコーチングを効果的に進めるためには、以下のステップが重要です。

1. 現状分析
まず、管理職の現状を詳細に分析し、課題や改善点を明確にします。これには、自己評価や教職員からのフィードバックを活用します。

2. 目標設定  
次に、具体的な目標を設定します。これには、リーダーシップの向上やコミュニケーション能力の強化、ストレス管理の改善などが含まれます。

3. コーチングセッション  
専門のコーチと定期的なセッションを行い、目標達成に向けた具体的なアクションプランを策定します。コーチは、管理職が自己の強みを最大限に活用できるようサポートします。

4. フィードバックと評価  
  コーチングの進捗を定期的に評価し、必要に応じてアプローチを修正します。これにより、継続的な改善が可能となります。

⭐️結論⭐️

学校エグゼクティブコーチングは、管理職が自己のスキルを向上させ、学校全体の運営をより効果的に行うための強力なツールになり得ます。
リーダーシップの強化、コミュニケーション能力の向上、ストレス管理、目標設定と達成など、多くのメリットが考えられるからです。教頭、校長とも管理職はいずれも一人職であり、よく「校長は孤独だ!」と言われます。そうした管理職の良き相談役としても価値あるものになると考えています。

教育現場が直面する多様な山積する課題に対応するために、エグゼクティブコーチングの導入が大いに検討する価値のあるものだと考えています。

こうしたコーチング、サポートにより、慣れない管理職の役目をより良く果たすことができれば、教職員や子供たち、保護者との良好な関係が築かれ、学校全体の発展が促進されることにつながるのではないでしょうか。

※実際には、行政が予算をつけてこのような取り組みを手がけることは、考えにくいことかも知れません。しかし、これだけ、課題が溢れかえる中での学校運営を考える時に、学校単独で学校研究に予算を回すようにエグゼクティブコーチングの導入を検討してみることはできるのではないかと思います。

⭐️一般社団法人ライフ&ワーク(代表理事:妹尾昌俊)では、代表理事の他、大学教授、元中学校校長、元小学校校長などがメンバーとなり、こうしたニーズに応えるサービスを持っています。これまで政令指定都市をはじめとした自治体や学校を通年を通じて伴走支援するなどの取り組みを進めています。こうしたことに、ご興味がありましたら、ご相談ください。
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