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『桃はペルシャ?』

夏至に向けてどんどん日が長くなり、何だか得した気分で過ごせるイタリアですが、先月は寒々しいい日々から突然の30度越えが続き、体がついていきません。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
 
イタリアでは、食事を大切にしている人が多い印象ですが、とてもバランスが取れた食事をしているように思います。
食べる量が多いのは少し考えないといけませんが、全体的に季節の野菜、くだものをしっかり食べて健康維持しています。
これから『桃』が市場や店に出回りますが、その種類はとても豊富で、前回買って「これおいしい」と思って、次に買おうとしてもその品種時期が終わっていることもあり、それだけ様ざまな種類がお店に並ぶのだと毎年思っています。
 
大きくわけて桃の種類は、『白桃』、『黄桃』、『ネクタリン』、『蟠桃(ばんとう)』ですが、日本でよく目にするのはおそらく白桃が多いのでしょうか。
「白桃」 イタリア語で「Pesca bianca」
「黄桃」 イタリア語で「Pesca gialla」
「ネクタリン」 イタリア語で「Nettarina」
「蟠桃(ばんとう)」イタリア語で 「Pesca saturnina」

イタリア語で『桃』『ぺスカPesca』言いますが、歴史をさかのぼると『桃』は中国からペルシャ、そしてローマに渡ったとされています。
当時はラテン語『ペルシャのりんご』と呼ばれており、『ペルシャ』の部分だけが現在も残り『ぺスカPesca=桃』になったと言われています。
おそらく欧州のほかの言語もラテン語の『ペルシャ』が『桃』の語源なのでしょう。
 
くだものなので、洗って皮をむきそのままいただくのですが、これ以外に『ペルコーコ/ペルコーカ(Percoco/Percoca)』と呼ばれる桃があり、皮も果肉もオレンジ色をしています。皮をむいていただくのではなく、赤ワインに入れていただくことが多いです。現在は全国的に流通していますが、ローマやナポリでよく消費されています。

また、日本ではあまり目にしない『ネクタリン』は、ツルツルした皮で、洗ってそのままいただきます。
イタリアでは野菜や果物は毎日の暮らしにかかせないモノ、しっかりいただくモノなので、日本より随分とリーズナブルにいただける点は家計にも優しいです。
 
これから桃が出回るのが楽しみですが、実は、ここイタリアでの桃栽培量は世界2位なのです。
また、たくさん栽培しているので、そのまま食べるだけではなく、『桃味』のモノがたくさんあります。
その代表格が夏場に飲むアイスティー、日本だとレモンが主流ですが、こちらは桃がスタンダード、子ども向けの紙パックジュースも桃味が一般的です。


国が変われば、その『ノーマル』と呼ばれるものが違ってきます。
因みにイタリアでは『ノーマル』と言わず『クラッシコClassico(EN語クラシック・Classic)』 と言います。
 

『L'essenza della vita(レッセンツィア・デッラ・ヴィータ)~ 暮らしへのエッセンス ~』





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