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昭和30年代男 日本経済を愚痴る(10) ※最終回

前回記事を公開してからも日本経済に対して愚痴りたいことは次から次へと湧いてきましたが、あまりネガティブなことをダラダラと書き連ねていても良いことは無かろうと思い直し、敢えて記事を追加することなく折を見て削除するつもりでおりました。しかしながら(8)において犯罪組織罪務省様より貴重なコメントをいただきましたので、本稿の最終回として、私の愚痴の裏返しとも言うべき、日本経済にこうあって欲しい、こうあって欲しかった、という理想を書きます。
本稿の趣旨すなわち私の愚痴を平たく申せば、日本経済が、私がまだ若かった昭和末年から平成初年あたりの豊かさを、私が生きているうちに実現して欲しかったけれど私が生きているうちには実現しなさそうだなぁ・・・ということです。日本経済が未来永劫復活しないとまでは言いませんが、30年かけて20パーセントから5パーセントまで4分の1に下がった世界経済に占める日本経済の地位を、15年や20年で4倍にするというのは無理だろうと思っています。円安、金融緩和、積極財政、物価高が長く続けばもしや・・・と期待していたものの、世間の風潮はもはや次のようなものになっているように感じます。

・物価高はたまらない
・物価高の原因は円安による輸入価格の上昇なのだから、円高にせよ
・円高にするには金融引き締めだ
・金融を引き締めると金利が上がって財政赤字が増える
・財政赤字が増えると経済成長しないので財政赤字を減らさなければならない

この論法には異論あるかもしれませんが、円高か円安か、金融引き締めか金融緩和か、緊縮財政か積極財政か、・・・の個々のパーツでは円高、金融引き締め、緊縮財政を望んでいるような風潮を感じます。少なくともテレ東の経済番組に出演している専門家や、ソースとなっている日経新聞の記事などは円高、金融引き締め、緊縮財政へ世論を導こうとしているように思えます。これってもちろん私の「お気持ち」「感想」ですが、だから愚痴が出るのです。
また、景気低迷の元凶を現政権である自民党に求め、こんな自民党政治にNo!・・・を突きつけたとしても、自民党に替わったのが細川連立政権と民主党政権であり、その間に日本経済がどうなったかはすでに歴史になっているので振り返りは容易です。自民党にお灸をすえたら日本経済が大火傷を負った・・・というのが、振り返ったうえでの私の「お気持ち」であり「感想」です。もう立つ瀬がありません。
私のような昭和30年代男・・・すなわち60歳台では今さら出来ることは限られるものの、これからの方々は、ご自身の資産の一部を日本経済の動向から切り離しておくのが生活防衛に役立つと思います。ただ、日本経済の動向から切り離す金融資産がある方は、それだけでも幸せです。
金融資産が無ければ人的資産・・・ということになりますが、多くの日本人の若者がワーキングホリデー制度を利用してカナダやオースラリアで肉体労働に励んでいたり、ハワイやニューヨークなどアメリカでは日本人女性の単身入国が難しくなっているのは、良い意味でも悪い意味でも、ご自身の人的資産を日本経済から切り離している方々が増えたことの証左でしょう。私が若かった昭和末年から平成初年にかけて「ジャパゆきさん」「ジャパゆきくん」という言葉がありましたが、あの頃は歯車が逆転するなど想像だにしていませんでした・・・。おっと、また愚痴が続きそうなので、このあたりで止めておきます。
本稿を送信しようとした6月12日、たまたま世界銀行が今年(2024年)の世界経済予測を発表しました。これを受けてブルーグバーグが作成したグラフを見ていると、「あれ、日本は継続的に2パーセント成長が見込めるまで金融緩和は続けるんじゃなかったの?」って思わず聞き返したくなります。そもそも今の日本では2パーセント成長の目標じたいが高すぎる・・・と、元日銀副総裁がテレビで語っていた記憶(4月25日のテレビ東京・モーニングサテライト)があるのですが、まぁ元日銀副総裁がテレビで堂々と2パーセント成長への反対意見を語るあたり、日銀の総意は結局アベノミクスに10年間面従腹背であり、今はさぞ清々しているように見えます。日銀職員にとっては結構なことでしょうが、それで日本国民が豊かになるかどうかは別問題。どうやら世界銀行の見立ては正しそうです。
このように愚痴のタネは尽きませんが、キリが無いのでこれまでにしたいと思います。短い期間でしたが、私の愚痴におつきあいいただきまして誠にありがとうございました。


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