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【読書記録】クジラアタマの王様(著:伊坂幸太郎)

作者として、こんな今の状況を夢で観ていたんだろうか。

もしかして、それこそハシビロコウと夢で逢っていたのだろうか。

最後の方は、今の世の中そのままのような事が「物語」として書かれていて。全然物語とは感じず、なんだか今起こっている事を日記の様に見ている感じがする。2019年07月に出た書籍ですからね、2020年、実際にこうなるとは思ってなかっただろうなぁ。もうなんか起こる事を予想していたみたい。

この本を手にしたきっかけは、下にある通り。私が上白石萌音さんのファンになって、彼女が読書好きであることを知り、彼女の読んだ本を頑張って(笑)読もうと思ったのがこの作品です。(ファンはチョロイのだ)

『アイネクライネナハトムジーク』は彼女を知る前だったか・・・読んでいて、確かに最後に凄い面白くて興奮したのを未だに覚えていて。それまでの読むスピードの2倍くらい早く読み進んだ気がします。
ただ、そこから先、伊坂さんのどの本を読んでいこうか迷っていて、彼女のお陰と、このご時世で5月にkindleで無料で読める期間があったのでDLして読んだ次第。

『アイネクライネ…』と同じ様に、最初の方はゆっくり、いや、クレームに対しての対応に、こっちまで逃げたくなるような胃のキリキリするような発言をする上司が居たりして「もう読みたくない・・・」って思うほどだったんだ。中々読み進みませんでした。「この状態結構続くのかなぁ」なんて思いながら。

途中は「なんだかすごい展開だなぁ・・・」と思いつつ読んでましたね。なんだろう、現実として起こりえないようなシチュエーションが展開されているような、いやありそう…という不思議な感覚で。私が読むものってノンフィクションではないので、現実には起こりえない事だって沢山あるのに、どうも現実とつなぎ合わせる癖があるみたい。会社の様子だったりを想像していると現実とすごく繋げたくなっている自分がいたな。

私は伊坂幸太郎さんの本はまだ2作目なのだけど、伏線回収をする形式のお話で進むようですね。『アイネクライネ…』で伏線回収にドキドキして、それが始まったと認識してから本の前の方をチェックしたりしたのだけれど、今回は今現実世界で起こっている事とリンクしているのでそれをドキドキしながら読んでいて、伏線回収側のドキドキをしっかりと堪能していないかも知れないなぁ。なんか見過ごしている気がするんだよな。伏線回収を全て読み切れていない感じが。でも、最後のドキドキ感は今回も現実世界の事もあって同じ様にドキドキして、やっぱり最後の方の読むスピードは速かったですね。「あ、これ読み終わってしまうかも」なんて残ページを確認しながら。読み始めた時は「これ、いつ終わるかなぁ」なんてちょっと途方もないなぁ、という状態だったんだけど。そのギアチェンジがいつの間にか始まっているのが伊坂幸太郎ワールドなのかも。

この本では章との途中に挿絵もあり、挿絵がその先の物語のキーとなっているので、この絵の状態ってどこからそうなるんだろう?と想像もできるようになっていました。

そうそう、なんでいきなり15年?近く時間をジャンプしたんだろう?そんなにジャンプしないといけなかったのかな?そこだけは判らなかったなぁ。その間、ほんとに何もなかったんだろうか。実はハシビロコウは現れていたけれど夢で覚えているほどの事ではなかったのかな。



あとどうでもいい個人的な事としては、単行本が約400頁弱の本を読めた事で少し自信が付きました。『嘘 Love Lies』が500頁強で、飛び飛び読みだったので、自分が今どの位の小説を読めるんだろう?って気になっていたので。そりゃ、すーーーごく面白い作品とかなら、読めちゃうんだろうけど。ジャケ買いみたいな感じで買ってたり、著者好きでパッと買ってしまう事もあるから、あとからびっくりしちゃう事も(特にkindleは注意)。少しずつ長い作品も読めて嬉しいな。
積読で控えている本の中に結構分厚い文庫があるので、ドキドキしてます。

伊坂幸太郎さんの本、他にも沢山作品出ているけれど、どれから読もうかな・・・そういいながらも横にある単行本とか文庫本の積読の山を眺める日々。


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