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【38】上はある!とりあえず進んでいく決意の私

伯母のささやき、「あなたは人を許すことができない。それじゃあ、誰もあなたの味方にならないよ。孤独だよ。感謝を覚えないと……。」
このことばをきっかけに、感謝を習慣にしようと思い始めた。
そう考えるよりも前の自分自身と比べると、私もだいぶ丸くなった部分はあったと思う。
でもまだまだ尖りがあった。

息子が自閉症と診断されたときは、医者をまるっきり信用できなかった。
そして、治らないと決めつけられることへの反発もあった。
「もう二度と来ません!」
私は医師に啖呵をきってしまった。

当時はどん底にしか感じられず、自分の人生を恨みました。
いっそ、交通事故にでもあわないかなぁ…。恐ろしいことも平気で考えてしまってた。

ひどく落ちむ女性の画像

それほどやりきれない気持ち、その気持ちをどこに持っていけば楽になるのか?
まったくわからなかった。
それが『死』という表現を安易に使えたくらい底の底だったのだろうと思う。

手に電話を持つ医師の画像

そんなことを思っていた時、虫の知らせなのか一本の電話がかかってきた。
「最近どう? あっ君はげんき?」
昔、お世話になったドクターからでした。

私「先生、もうどうなってもいい!」
ドクター「何を言ってる!!お母さんでしょ!」
 
……とても大きな迫力ある声で叱られた。
そのおかげで、私はハッとした。そのたった一言が私を母親に戻してくれた。

女性と子供の画像

それからは、何で自閉症になったのか?脳のメカニズムとか。
何度も何度も図書館に通っては調べた。
でも、治すヒントになるようなものはなにも見当たらなかった。
とにかく、『息子』と『母親』として関わって観察する以外に答えがなかった。
絶望期の底を味わうと、そこにはもう下は無くて上に行くしかないことに気付かされた。
 
文章を書くようになって、自分の考えや息子の様子を改めて思い返したりしていて、『人』はとても面白いと感じられる。
上を向こう、何でも活かしてプラスにしていこう、そう思うことだけでも違ってくる。息子を一生懸命観察していて、コミュニケーションのタイミングを武器にする考え方を見つけることができた。

一番の底だと感じてつらい時期でも、ほんの少しだけ、ほんの少しだけ上を向いてみる、そう思い始めた瞬間から、今よりも前に進める自分に変われるというのだという想いを伝えたくて書きました。
今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。

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