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ぼくは、ボクザメ。

ママはいつも
「ちゃんと はを みがきなさい!」
っていうから、

あさに ゴシゴシ
よるも ゴシゴシ

いつも ちゃんと みがいてた。

だから むしばは ひとつもないよ。

だけど、むしばに ならないから
はの うしろから 
あたらしい はが はえてきた。

にれつに ならんだ ぼくのはは
うみで さいきょうの サメみたい。

「どんな にくでも たべてやる!」

きょうりゅう、クジラ、ワニにヘビ。
おもちゃばこにある つよい いきもの
ぜ~んぶ ボクザメが ガブガブガブ

あれ?なんだか おかしいぞ。

まえの ほうにある ぼくの はが、
ちょっと ぐらぐら しはじめた。

ママと いっしょに はいしゃへ いくと、
「これは ぬかなきゃ だめですね~」

いたいのかな?
ちが でるのかな?

むねの どきどきが はやくなる。

はいしゃさんが はさみ みたいので
ぼくの まえばを こねこねした。

こわい。だけど なくもんか!

りょうてに ぎゅっと ちからをいれて、
ぼくは じっと がまんする。

「ほら、ぬけた!なかずに がんばって えらかったね!」

はいしゃさんが ほめてくれた。

かえりに ママも ぎゅっとして、
「がんばったね!」
って いってくれた。

そりゃそうさ。
ぼくは さいきょうの ボクザメだもん。



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