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〜 気ままに書き散らし 〜 主にショートストーリーとエッセイを気の向くままに書き散らしています。

最近の記事

健全なおクスリ

高校生までに想像していた大学生は、きれいめな服を着てオシャレをしていて、自分がやりたいことに打ち込んで、額に流れる汗すら美しい、きらびやかなイメージだった。  それが実際なってみるとどうだろう。完璧なメイクなんて毎日やる気が起きるわけがなく、最低限ファンデーションとパウダーをつける。前髪だけどうにか巻いてダッシュで電車に乗り込み、開始5分前に教室に滑り込み、授業を受ける。授業はやりたいことができているからいいものの、流れる汗はさほどきれいではない。きらびやかには程遠い。  そ

    • あの日、あの時。

       8月9日。  昨日の夜、終電車に乗った。そして気が付いたら最寄りの駅から二駅過ぎていて、 歩くしか手はなかった。雨に打たれながらとにかく歩いてどうにか家についたのは午前2時。そのまま倒れるように寝た。  次に目を覚ましたのは午後12時。いや、寝すぎだろ。人生の夏休みである大学生の夏休みなんて無敵スター状態と言っても等しいのに、それを無駄にしすぎている。私のあほちんが。  そんなバカみたいな思考と共に出てきたのは、黙祷できなかったということだった。  3年間だけ長崎に住んで

      • 怠惰と睡眠。

        8月7日。夏休みに入って4日目。  とか言うけど、実際8月に入った実感も夏休みが始まっているという実感も沸いていなくて、なんとなくやばいという気持ちに襲われている。  でも、よく考えてみればそれもそのはず。私はしがない大学生をしているのだが、8月に入ってからは前期の講義最終週ということで、実習の集大成の発表だったり、期末課題の作品・レポート提出だったりに追われた。それに加えて、もう夏休みだし。と思ってこの金土日はバイト3連勤で、10:30-15:30・18:00-22:00で

        • やっぱりさ、

          「いよいよ12月ですか......」 「そうだなぁ〜、1年早いよなぁ〜。おれ達来年受験生とか信じらんないわ」 「そうだな」 「どうした? 元気ないじゃん」 「元気が無いわけじゃない」 「そうなのか」 「そんなことより大事なイベントがあるだろ?」 「え? 3日後の期末試験?」 「なわけないだろ!」 「なわけはあるだろ?! え、期末試験終わりにみんなでカラオケ行こうってやつ?」 「違う。お前ってやつはなぜそう鈍感なんだ……? あるだろ? 12月、男も女も全ての遺伝子が喜ぶイベント

        健全なおクスリ

          写真

          「今しか撮れないんだから。」 これが母の口癖だった。 母は写真を撮るのが好きだった。 家族はもちろん自然や風景など何でもカメラを向けていた。 そんな母に対して私は中学生の頃ぐらいから写真が嫌になった。 中学2年生の夏、家族3人で旅行に行った。 その時も母は私にカメラを向けてきた。 「もう写真はいいよ、自分、みたくないし。」 写真を撮ろうとせがむ母を私は冷たくあしらった。 だが母は諦めない。次の目的地でも、その次の目的地でも言ってくる。もちろんいつもの口癖と一緒に。 も