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クリスマスに贈りたい英語の絵本 5選

クリスマスに素敵な絵本をプレゼントしたい人のために、子どもと大人の両方が楽しめるものを選書しました。クリスマスに大切な人の記憶に残るような、心が温まる本を贈ってみませんか?仕事や勉強で疲れた人も図書館や本屋さんで探して読んでみてください。きっとホッとする時間を過ごせると思います。(紹介する5冊は日本語版も出版されています。)

1. 『クリスマス・キャロル』チャールズ・ディケンズ作、リズベート・ツヴェルガー絵/A CHRISTMAS CAROL

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クリスマスといえば、イギリスを代表する作家ディケンズの『クリスマス・キャロル』を思い浮かべる人が多いはずです。主人公のケチで意地悪なスクルージがクリスマス・イブに3人の精霊とともに現在、過去、そして未来を旅します。数多くの挿絵画家が『クリスマス・キャロル』に絵を付けていますが、私はこの1冊をオススメします。リズベート・ツヴェルガー(1954年〜)はオーストリアのウィーン出身の挿絵画家です。彼女はこれまで『くるみ割り人形』、『オズの魔法使い』、『不思議の国のアリス』などの名作の挿絵を描いています。暖かい陽が差すような柔らかいタッチと繊細な線と色遣いが特徴で、物語の世界に連れ去られてしまいそうな感覚に陥ります。

2.『急行「北極号」』クリス・ヴァン・オールズバーグ作・絵/THE POLAR EXPRESS

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深々と雪が降るクリスマス・イブ、玄関の前に忽然と現れる機関車に少年が飛び乗るところから話がはじまります。最終目的地の北極に向かって旅をしますが少年はサンタに会えるのでしょうか。作者は『ナルニア国物語』の表紙も手がけるアメリカの児童文学作家クリス・ヴァン・オールズバーグ(1949年〜)です。本作は映画化された『ジュマンジ』に並ぶ彼の代表作で、他にも『名前のない人』『西風号の遭難』などほとんどが村上春樹によって日本語に翻訳されています。大学時代に彫刻を専攻していたことを彷彿とさせる立体的な描写が特徴で、平面の中に立ち上がる人物や情景は飛び出す絵本を開くかのような驚きに包まれます。

3.『ファーザー・クリスマス -サンタク・ロースからの手紙』J.R.R.トールキン作・絵/LETTERS FROM FATHER CHRISTMAS

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『ホビットの冒険』や『指輪物語』など20世紀を代表するイギリスの作家トールキン(1892〜1973年)をご存知の方は多いと思います。しかし、彼がクリスマスの話を書いていたことは、日本の読者にはあまり知られていません。毎年クリスマスになるとサンタクロースになりきって、自分の子どものために北極の消印付きで手紙を書いていたそうです。その手紙をまとめたのがこの本でクリスマスの贈り物として人気です。トナカイが慌ててプレゼントを撒き散らしたり、地下に住むゴブリンが悪さをしたエピソードが添えられていたり、ホッキョク熊からの殴り書きのメッセージやエルフからのエレガントな手紙も入っています。寒冬に冷えた体を心の芯から温めてくれる一冊です。

4.『ゆきのひ』エズラ・ジャック・キーツ作・絵/THE SNOWY DAY

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真っ白の雪の中を赤いコートの子どもが無邪気に駆け巡り、いつか消えてしまうかもしれない雪について思いを馳せる物語です。エズラ・ジャック・キーツ(1916〜1983)はアメリカの絵本作家で、『ゆきのひ』で白人と黒人の対立が激しかった公民権運動の真っただ中の1963年にアメリカで最も優れた絵本に送られるコールデコット賞を受賞しました。アフリカ系アメリカ人の子どもを主人公にして描いた最初の絵本として高く評価されており、その後もマルチ・カルチュアリズムを意識した作品を数多く世に送り出しています。彼の作風は両親がポーランドからのユダヤ系移民だったことに影響を受けているのかもしれません。日本では偕成社が彼の絵本の日本語版を多く出しています。

5.『クリスマスツリーを飾ろう』パトリシア・トート作、ジャーヴィス絵/Pick a PINE TREE

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クリスマスに髪の毛の色も皮膚の色も違う子どもたちが集まり、思い想いのオーナメントを手に取り1つの木に飾りを付けていく...。最後に紹介するのは、2017年にアメリカで出版された『クリスマスツリーを飾ろう』です。ごく最近に出されたクリスマスに関する絵本から選んでおきたいと思い、この1冊にしました。パトリシア・トートはシカゴ在住の女性で、もともとNever Never Landという絵本専門店を経営していましたが、書くことへの情熱を捨てきれず最近絵本作家に転身しました。売り出し中の作家なので、wikipediaで調べても出てきません。これからの活躍が楽しみな作家なので一緒に応援していきましょう。

さて、『クリスマス・キャロル』、『急行「北極号」』、『ファーザー・クリスマス -サンタク・ロースからの手紙』、『ゆきのひ』、『クリスマスツリーを飾ろう』の5冊の中で気になる絵本は見つかったでしょうか。クリスマスに大切な人に贈る絵本を決めるときの参考にしていただければ幸いです。最初の2作品は映画化もされていますので、ぜひご覧ください。


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