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「いまあなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。」から学ぶ問題を成長に活かすためのヒント

今週は「ザ・ゴール」の著者エリヤフ・ゴールドラット博士の愛弟子である岸良裕司さんの著書「いまあなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。」を読んで学んだことを残していきます。
kindle unlimitedでも読めます!

今回はkindle unlimitedで読めることをきっかけに読み進めてみたのですが、気づきになることが多く、手元に残す用にも購入しようかなと思っています。

過去は変えられない、未来は変えられる

本書で何度も登場するメッセージ。
本書ではこの考えをもとに「良い問い」を導くためのヒントが多く語られています。

失敗した時、人はつい「なぜうまくいかなかったのか」と考えてしまうが、この問いは「悪い問い」の典型といえるという。その理由は3つ。

  • 目標を明確にしていない

  • 自分を責めることになりかねない

  • 変えられない過去に対して問いかけている

「なぜうまくいかなかったのか」という問いには目標が欠けています。
失敗した現状から「どういう状態になったらいいんだろう?」と目標を設定した上で考えていく方がポジティブな思考になります。

それから「なぜ」という問いを自分に向けると自分を責めることになりかねない。自分を追い込んでしまう危険があるので注意が必要です。

「どういう状態になったらいいのか」という問いの力は、変えられる未来を明るくしてくれます。
どうせ考えるのであれば、過去を悔やむよりも変えられる未来に集中した方が生産的になっていきます。

感想-「なぜ」に潜む危険という新しい視点

個人的には「なぜ」という問いは要因や目的を明確にする際にとても重要な問いだと思っています。
ただし、目標を立てる際など使いようによっては「悪い問い」になり得るということが新しい気づきになりました。

問題があることは悪いことなのか?

そもそも問題とは何なのか。
一般的には現状と目標とのギャップであると定義されている。

「問題」が起きることは、あまり良くない状態のイメージが思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。
ただし、「問題は良いことだ」と断言する人もいる。
「問題」とは、良いことなのか、悪いことなのか。

「問題とは、現状と目標とのギャップ」だと定義すると、現状から目標に向かって頑張って達成すると、現状と目標が一致した状態になる。
目標は達成され、問題はなくなることになる。
そこからさらに目標を高くすると、現状とのギャップが生じ、問題がある状態になる。
つまり、現状よりも高い目標を目指さないと問題は生まれないということになる。
こう考えると、「問題は良いことだ」と言える理由がわかる。
逆にいうと、問題がないということは現状に満足してさらに高い目標を目指さない状態と言える。

感想-より良い状態を目指すために「問題が必要」だという気づき

問題が起こるということに対して元々マイナスなイメージがあったのですが、そもそも現状よりも高い目標を目指しているからという前提があるとポジティブに捉えられるということが新たな気づきになりました。
現状に満足せず、問題解決を繰り返していくことで高い目標に近づいていけるのだと感じました。

問題を正確に定義する問いとは?

「問題とは、現状と目標とのギャップ」という定義から、問題を定義するという問いに対して、現状と目標を明らかにする質問をすれば良いということになる。

・現状を聞くための質問
「望ましくない現象は何ですか?」
・目標を聞くための質問
「望ましい現象は何ですか?」
・問題を定義するための質問
「このギャップが問題ですよね?」

問題を正確に定義する3つの問い

「ザ・ゴール」の著者エリヤフ・ゴールドラット博士は「望ましくない現象」のことを「UnDesirable Effect(UDE)」、望ましい現象のことを「Desirable Effect(DE)」と名付けている。
UDEとDEを明確にしていれば、問題はシンプルに定義できることになる。

結果を予測することが大きな学びに繋がる

正解とは何か。
広辞苑に書いてある言葉では「①正しい解釈。正しい解答。②結果として、よい選択であること」と書かれている。

「結果として良い選択」であれば正解ということになるが、過去に誰もやったことがないことに対してどうしたらよいのか。

やったことに対して起こるのは次の3つしかない。

  • 思った通りの結果

  • 思ったよりも悪い結果

  • 思ったよりも良い結果

思った通りの結果が出れば、やったことが結果として良い選択だったということがわかる。
ただし、重要なのは結果を予測しておくこと。
目標は何か?」を考え、「これをすると何が起きるか?」という問いを立て、結果を予測しておく。
結果を予測してその通りになれば、先述した通り結果として良い選択をしたことになる。

「思ったよりも悪い結果」から大きな学びがある

先ほどの予測から「思ったよりも悪い結果」になった場合はどうか。
「思ったよりも悪い結果」と「思ったよりも良い結果」にはギャップがある。この要因を見つけることができれば次に生かすことができ、学びの源泉になる。

「思ったよりも良い結果」に問題はないのか?

「思ったよりも良い結果」は「思った通りの結果」とギャップがあることになる。これは「現状」と「目標」とのギャップになるので問題があることになる。
この場合も要因を明らかにすることにより、「思ったよりも良い結果」を常に生み出せるヒントになる。

この通り、「思ったよりも悪い結果」「思ったよりも良い結果」からは、予測した結果とのギャップから要因を考えることにより、学びに繋げることができる。

「思った通りの結果」からは学びは得られないのか?

「思った通りの結果」からは想定していたギャップからの結果は得られないが、予め問いを立てておくことにより、自分の考えに自信が持てるという効果がある。
「目標」を達成するために立てた「問い」を使い、自分で考えた解決策で「思った通りの結果」が出たらきっと嬉しいはず。
自分で考えた解決策で結果が出てこそ、自分に自信がつく

良い解決策に欠かせない2つの条件とは

「良い問い」からは良い解決策を導き出してくれる。
では、「良い解決策」とはどのようなものなのか。

  • 目標を達成すること

  • 重大な副作用が起きないこと

そもそも目標を達成しないと良い解決策とは言えないが、副作用が起きないという点も大事なことである。

これは本書に記載のある例ではなく、私が本書を読んで感じたことではあるが、採用の仕事に例えると、スカウト送信数だけに注力するがあまり、ますメールを送りつけることにより、ブランド価値を下げてしまうということがある。個人の経験としては営業メールで明らかに開封率を狙ったような自分都合だけで【重要】と書かれているメールにも信頼を下げてしまう。
このような経験が本書に記載のある「副作用」であると受け取った。

このように達成はできても結果マイナスをもたらすのであれば「良い解決策」にはならないが、「副作用」は前もって解消することができる。
そのために下記の問いが活用できる。

・気がかりなことはありますか?
・その原因はなんでしょうか?
・その原因を解消する方法はありますか?
・気がかりなことが解消するとどんな利点がありますか?

気がかりなことには理由がある。
その原因を前もって解消しておけば、解決策がより強固なものになり、結果としてメリットが生まれる。


問題解決のための考え方の型と良い答えを出すためのヒントとなる「問い」について学べる点が満載でした。
前提として「自分で考える」力をつけることが必要になってくる。答えを出すためには良い問いが必要になってくるため、「良い問い」を考える力はもっとつけていきたいと感じた。
問題とは、先述した通りより良くしていくことや自身の成長にも必要になるため、誰でも向き合う必要があること。
目標設計や顧客対応・組織開発に活かせることはもちろん、日々の業務でうまくいかないことがある方はぜひ活かしていただけると良いと思っています!

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