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まだ見ぬ地球外生命

はじめに


こんにちは、dZERO新人のHKです。今回は分子生物学者の山岸明彦さんの『まだ見ぬ地球外生命』を紹介させていただきます。

SFファンの分子生物学者と楽しむ「生命の起源と進化」をめぐる思考実験

概要


地球外生命の起源と進化の可能性は、地球のそれらを手がかりに探ることができます。無から宇宙が誕生し、太陽がつくられたから水のある地球が生まれ、そこに生命が誕生しました。木星の衛星や天の川銀河の星、系外惑星に生命はいるのでしょうか。もし、いるとすればどのような形をしており、どのような進化を遂げるのでしょうか。SFに描かれるような知的生命はいるでしょうか。これから先、人類はさらに進化するでしょうか。それらの可能性を、科学的知識をもとに考えます。

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著者紹介


著者は、理学博士で東京薬科大学名誉教授の山岸明彦さん。山岸さんは1953年、福井県生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程を修了。主な研究分野は極限環境生物、アストロバイオロジー、生命の起源と進化です。ISS-JEM(国際宇宙ステーション・日本実験棟)で、宇宙生物学に関する実験研究プロジェクト「たんぽぽ計画」の代表を務めました。

この作品のポイントと名言

本書は、私の研究者としての興味や知識の蓄積と、趣味のサイエンスフィクション(SF)の世界を合わせた内容になっています。(まえがき、p2)

この本ではSFで描かれた未来がどの程度実現可能で、どの程度難しいのか、地球外に生命が誕生している可能性はあるのか、現在の科学的知識を基礎にして紹介します。(まえがき、p2)

科学研究は研究者の科学的疑問から始まります。優秀な研究者であれば、多くの人が疑問に思うことを解明しようとします。これを科学者は「面白い」と表現します。(まえがき、p3)

地球よりも少し大きい惑星は「スーパーアース」と呼ばれています(中略)スーパーアースはどんな惑星なのでしょう。スーパーアースに生命は誕生するでしょうか。(第一章、p24)

地球で最初に生まれた生命は、もっと簡単な成分でできており、最初の細胞の中にはRNA(リボ核酸)だけがありました。(第一章、p34)

RNAはどこからきたのでしょうか。宇宙でRNAは見つかっていないので、地上でできたはずです。(第一章、p34)

誕生した生命が知的生命に進化するためには、いくつかの条件を満たす必要があるかもしれないのですが、ここでは「かもしれない」と言わざるをえないほど、その条件についてわかっていません。(第二章、p46)

ここまで考えてきたことをまとめてみましょう。宇宙にあるさまざまな星の中で、どんな星に知的生命が誕生する可能性があるのでしょうか。(第二章、p65)

血液にグリセロールをまぜて、凍らないようにしてから急速に温度を下げれば、十分に早く身体を凍結できるかもしれません。三体人は、グリセロールを使って急速冷凍、真空凍結乾燥法で官民状態にしているのかもしれません。(第三章、p75)

スーパーアースに住む動物たちは、地球の生き物に比べて少し小型だったり、あるいは大型のずんぐりむっくりした体型のはずです。(第三章、p97)

かりに、細胞が水でなく氷や石のような固体でできていたとしたらどうなるでしょうか。(第三章、p105)

気体でできた細胞がかりにあったとすると、遺伝の仕組みをもたないか、我々の知る仕組みとはまったく違う遺伝の仕組みをもっていないといけないことになります。(第三章、p108)

メタンの中でも、ヒレをもって上下か左右に身体をくねらせて泳ぐ「タイタンのサカナ」が誕生するはずです。(第四章、p119)

タイタンに知的生物がいるとすると、地球の人間と同じような姿のはずです。ただし、骨格があったとしてもカルシウムではなく、氷でできています。歯も氷でできています。(第四章、p122)

上流社会の爬虫類型知的生命体ならば、ナイフとフォークで肉を切り分けて食べるはずですが、そうでない場合は、隣には座らないほうがいいかもしれません。肉汁が左右に飛び散るかもしれないので。(第五章、p143)

サイエンスフィクションに現れるエイリアンは、しばしば昆虫のような恰好をしています。宇宙のどこかに昆虫型知的生命はいるのでしょうか。(第五章、p162)

もう一つの昆虫型エイリアンは、高度な技術文明を自ら発達させた「高度技術文明昆虫型エイリアン」です。こちらの昆虫型エイリアンは、人工的な鎧で身を守ることができます。(第五章、p169)

私はサイエンスフィクションのファンです。サイエンスフィクションは、まだよくわかっていない物理現象を具現化し、近くでは見ることのできない天体に近づき描いてくれます。(第六章、p176)

今後の技術力の向上によって実現できそうな能力を考えてみます。「進化」による能力の獲得はあまり期待できませんが、後付けの装置を身に付けることで可能になる能力はいろいろありそうです。(第七章、p202)

ヒトの大人の眼球は直径二四ミリ、重さ約七グラムです。大人の眼球すべてにホタルの尻尾を詰めたとしても、残念ながら四ミリのベニヤ板を切るレーザー光線を発することはできそうもありません。(第七章、p215)

この本に書いたさまざまな事柄の中で本当に起きる可能性があって、その中でも最も恐ろしいのが、(核戦争の勃発を除くと)このメタンガス放出の自己加速化による地球温暖化の可能性です。(第八章、p237)

二一世紀、月や火星への旅行と滞在を目指す時代がきています。二一世紀は宇宙への大航海時代と言われる時代になるかもしれません。多くのSF作品もそれを先取りしていると言えます。(第八章、p272)

科学とは、これまでに得られた実験結果に基づいてわかっていることをまとめた知識です。今わかっていることよりもはるかに多くのことが、一〇年後、一〇〇年後にわかるでしょう。場合によっては、それまでの知識が、間違っていたとわかることもあります。(あとがき、p273)

「実験結果から事実に迫ることができる」ということを科学者は信じています。とはいっても、それは現在の知識(科学者の理解)を無条件に信じているということではありません。(あとがき、p273)

dZERO新人HKのひとこと


地球外生命を科学的知識をもとに考えたらどのような姿になるのか? 私はSFが好きなので、とても興味深くこの作品を読み進めました。完全な空想ではなく、分子生物学者が現在わかっている科学的知識をもとに地球外生命の可能性や、その進化の可能性、人類の未来の可能性を思考実験しています。なので、もし地球外知的生命がいるとすればこうなるという可能性が高いのだろうなと、その姿や進化を想像することができました。
私はカエルやウーパールーパーが好きなので、カエル型やウーパールーパー型の知的生命がいたら面白いなと思っていましたが、科学的知識をもとにしたら、そのような知的生命の可能性が低いことが少し残念です。しかし羽を持った飛ばない鳥類型知的生命や、肉を食いちぎる爬虫類型知的生命の可能性は高いことにわくわくしました。
また人類が進化による超能力獲得ができないことも少し残念です。しかし科学技術の発展により、SFに出てくるような力を実現させる可能性があることは、とても面白いと思いました。

おまけ


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