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その3「怪奇話集 タクシー運転手のヨシダさん」ができるまで。

あーーー……なんか、自分の創作の話ばっかりしてて恥ずかしくなってきたな。
照れくさいし。

センダイガールズプロレスリングの話、しようか。
私が今、箱推ししてる東北は仙台のプロレス団体なんだけどね。
女子プロレス界の横綱と呼ばれ、国内外で活躍している里村明衣子選手(これを書いてたときは引退するなんて思いもしなかったなあ)が設立した団体。もうね、ほんとにね、地道な活動を通して彼の地にプロレスという文化を根付かせようと、プロレスが「其処に在るべきもの」として存在出来るように。選手の社会的地位、プロレスという分野の文化的地位向上と浸透に、これほどひたむきな団体と選手は他にないと思うよ。
農業との共存や地域の人々との交流、そして何より真摯で魂のこもったプロレスリング。
素晴らしい。どの選手も一見の価値ありだし、少数精鋭ながらそれぞれタイプが違うので皆さんの好みで応援していただければと思うけれども、まあ~今このセンダイガールズ、通称〝仙女(センジョ)〟を牽引する橋本千紘(はしもとちひろ)選手が凄いの強いの可愛いの。愛称は「ちっち」で、アマレスの猛者にして豪快な投げ技が観ものです。
なんかねえ、やっぱりアマチュアスポーツでガッツリ鍛えた人にしか無い優しさとか、おおらかさがあって。それにプロとしての華や自己管理の賜物たる美しさが重なって。
もっと売れて欲しい、売れなきゃ世の中おかしい、と思うぐらいすごい選手。
で、そんな橋本選手の同期でライバルで無二の仲間でもある九州出身・キックの名手、岩田美香選手。デビュー当時から素早さが落ちず過激さを増す今や重鎮のDASHチサコ選手。こちらも同期同士だけど組まずに競い合うことで個性を確立しつつある愛海(まなみ)選手と岡優里佳選手に、新進気鋭で眼力ナンバーワンのYUNA選手と粒ぞろい──
わかったよ。もうそこまでにしとけ、ってんだろ。
そう言われると思って早口で選手の紹介だけでもしてしまおうと思ったんだ。

真面目にやらないとそろそろ本当に担当編集F氏(凄腕武道家)がアップを始めそうなので、話を戻しますと…
戻すほど話をしてないな今回。
何の話だっけ。

そうそう、怪奇話集って冠が付く時の話ね。
えーっとね、つまり

宝島社さんから〝タクシー運転手のヨシダさん、だけだとホラー小説ってわかりにくいんで、ひと目でそれとわかる文言が欲しい〟って言われたので付けました。

おっ? 3行で終わったぞ???
詳しく話すと、書き出しっぺ(言い出しっぺみたいな)の私や、長く作品を見てくださっている担当編集Fさんだと、もう
タクシー運転手のヨシダさん
というタイトルには違和感も物足りなさも別に感じなくって。
そこで宝島社さんのほうで
「コレだとタクシー関係の啓発本か何かだと思われないか」
みたいに言って下さったらしく。
ひと目でホラー小説だとわかるようにアタマに何か冠をあげよう!
いうことになりました。

なぜそんなことまでするか、というにも立派な理由がありまして。
本屋さんに並ぶ本を選んでくれる人たちが見るデータ。
あれが中身を見ることはおろか、下手すると一覧表のタイトルと著者名、出版社、値段などの一行だけ、ということも全然あり得ると。
なので、タクシー業界向けの本だと思われてホラー小説と気づいてもらえない!ということも、全然モハメド・アリ得ると。
ディズニー人魚はアリエルと。

まあ確かに、本が出るまで、タクシー運転手のヨシダさん、で検索しても、小説家になろうの私のページ以外は殆どがタクシー会社の求人とか、タクシー運転手が語る〇〇(恐怖体験、グルメ、愚痴など)ばかりだったし。無理もないわな。

それで、一行でわかるホラー要素、というものが求められました。
商業出版ってそういうこと気がつく人がいてくれるんだ…!
と、有り難く意気に感じて、最初はかなり抵抗があったものの色々と候補を出しました。
あの時代劇の金字塔、暴れん坊将軍だって最初のシリーズだけは
吉宗評判記
って付いてたしな、と。

真面目なところでは
・現代怪談 タクシー運転手のヨシダさん
・タクシー運転手のヨシダさん 怪奇譚
・怪談集 タクシー運転手のヨシダさん
・現怪(ゲンカイ)タクシー運転手のヨシダさん
などなど…。
あ、あとせっかくだから
・タクシー運転手のヨシダさん 広島死闘篇
・タクシー運転手のヨシダさん 消された免許証(ライセンス)
・タクシー運転手のヨシダさんVSメカゴジラ
・タクシー運転手のヨシダさんと鉄人兵団
なども盛り込んでみたところ、担当編集F氏や編集部の皆さんの間で一番人気だったのが
・怪奇話集 タクシー運転手のヨシダさん
でした。

メカゴジラや広島死闘篇が採用されてたらどうなってたんだろう。

このとき、実は私が推してたのは
現代怪談、や、それを縮めて現怪(ゲンカイ)としたものでした。
怪奇譚、もいいかなーなんて思ってたら、なんか怪奇話集がウケたそうで。
理由もちゃんとあって、現代というともっと現代的な…なんかタワマンとかSNSとか動画配信とか、そういうのが出てくるもの、をイメージさせるんじゃないか。と。
怪奇譚は、もっとライトで元気な作品のほうが合うんじゃないか。と。
私としては江戸川乱歩とか、ああいうちょっと古臭いのがまた味っていう作風のイメージだったけど、実際に出版社の人に聞いてもらうと真逆の、新しくて若いイメージに捉えていて新鮮でもあり、勉強になったことのひとつでした。

で、怪奇話集。
ヨシダさんシリーズ、と自分で書くように、この物語は元々ひとつの話が短く、色んな思い出話を集めたものであり、まあココだけの話、だいぶ実話が混じってるのもあり。
ナニが何処でどれってわけじゃないんですが。
そういう成り立ちを鑑みるに、怪奇まり、というのはシックリ来たんだそうです。書き手なうえに言い出した私が、いちばん慣れるのに時間かかった気がします。

そんなわけで素敵な装丁、そして担当編集F氏が考案してくださったキャッチコピーも添えて、皆様の前に出現した、というわけですね。
このキャッチコピーに関して、また帯のコメントに対してもひとネタあるのですが。
それはまたいつか。
このマガジンに顛末がある程度書いてあるので、御用とお急ぎでない方はどうぞ…。

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