摂食障害のはじまり

アダルトチルドレンやら機能不全家族やら、今では良く知られている言葉かもしれない。
まさに私もその一人だった。
心休まる瞬間なんて一度もなかった幼少期。居場所がどこにも見つからない。家に帰ってもガラスの割れる音と両親の大声と、ばあちゃん家に行っても母親の悪口を聞かされるだけだ。
もう何が何だかわからない。行き場のない寂しさや怒りがパンパンにふくれあがり何度も母に包丁を向けた。

摂食障害がはじまったきっかけは、容姿へのコンプレックスだったと思う。現在は裸同然のサンバの衣装をまとって躍ることが歓びだが、当時はコンプレックスの塊だった。クラスメイトが陰で私の体型の事を噂してるのを聞いて恥ずかしい思いをしたり。中学に入れば、デブにメガネと大嫌いだった男子にいつも喧嘩をふっかけられていた。



中学1年のある日、言葉に出来ないたまりにたまった感情や満たされない何かを満たすように胃がはち切れるのではないとかというくらい食べた。掃き出したいという感じでもなかったのだが、今思い返せばスッキリさせたかったのか、意図的に食べた物を便器に吐き出した。
吐きだしたら物凄く胃が軽くなり、同時に気分もなんだか少しスッキリした。
そんな些細な事がきっかけだった。吐き出した後の胃と気分が少しスッキリした感じが癖になった。
その日から食べた後はトイレに駆け込み意図的に吐けるだけ吐き出した。

一か月もしなかっただろう、周りから「あれ、愛華ちゃん痩せた?」と言われるようになりとても嬉しくなった。
コンプレックスだった太り気味の体、痩せているなんて言われたこと無かった。痩せていると言われるのが嬉しくてたまらなかった。

体重が落ちていくと共に、再び体重が増える事への恐怖心が出てくる。
クッキーひとつすら消化されるのが怖く、食べた後すくトイレに駆け込み指を突っ込んで胃液まで嘔吐するようになるまで、時間はさほどかからなかったと思う。

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