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[9月第4週] DAOレポート Vol.38 | Uniswap Foundation設立1年 93億円の追加予算の投票へ

先週、Uniswap Foundationが設立1年を振り返ると共に、6200万ドル(約93億円)の追加予算を請求するための議論を開始した。今後、組織としてDAOのトレジャリーから予算を取ってくる能力が重要になる中、Uniswap Foundationによる予算獲得の提案は学びの多いものになるだろう。

追加予算は昨年承認された7400万ドルの一部であり、Uniswap Foundationにはすでに最初の割り当てとして1730万ドルが支払われていた。今回、価格変動リスクとして10%上乗せし、6200万ドルの追加予算を10月4日にオンチェーン投票にかける。

Uniswap Foundationは、dYdX Foundationと同様に、エコシステムの発展をサポートすることを使命にしている。エコシステムの発展には、開発者の呼び込みやユーザー獲得、ガバナンスのサポートなど様々な仕事が含まれている。

グラント(助成金)

Uniswap Foundationは、グラントに合計で5320万ドルを使う計画だ。

  • Innovation・・・プロトコルの直接的な改善 

  • Developers・・・Uniswapにより多くの開発者を呼び込む

  • Researchers・・・DeFiやUniswapに関するさらなる研究

  • LP s/Institutions・・・Uniswapに流動性を持ってくるための施策

  • Governance・・・ガバナンスにさらに人を増やすための施策

上記の予算は、毎年1000万ドルから1500万ドル使われる予定で、最長で2028年第1四半期まで持つことになっている。

オペレーション費用

Uniswap Foundationは、オペレーション費用として924万ドルを使う予定。2024年いっぱいまで持つ予定で、2024年の中頃に再び予算請求に来るという。

Foundationは縁の下の力持ち

Uniswap Foundationの提案が妥当なものなのか、DAO内で議論が活発に行われている。「弱気相場において6200万ドルの追加予算は高い」「予算の使用用途は分かったが、それぞれのKPIが不明」「手数料スイッチを導入し、持続可能な予算繰りを目指すべきだ」など、さまざまな意見が出ている。これに対してUniswap Foundationの共同創設者であるDevin Walsh が、説明責任を果たそうとしている。

そもそもUniswap Foundationの役割はなんだろうか?

dYdX Foundationと同じく、Uniswap Foundationは主役ではない。Uniswap DAOにおける主役は、Hook開発を手掛ける開発者だったり、流動性を供給するユーザーだったり、研究者だったり、UNIを持つガバナンス参加者だったりする。Uniswap Foudationの役割は、さまざまな主役を支えて、彼らのポテンシャルを最大限発揮することとも言えるだろう。

逆に言えば、FoundationはなくてもDAOがすぐに崩壊することはない。Foundationが実際にプロトコルやガバナンスを動かしている訳ではないからだ。もしUniswap Foundationの追加予算が通らなければ、Uniswap Foundationは運営できなくなる。しかし、縁の下の力持ちとしてのFoundationの貢献度は、目に見えない部分が多いかもしれないが重要だ。DAOのさまざまなステークホルダーの目線を合わせてまとめる。これがなぜ大事かは、最近、個人の集合体によるDAOが失敗する例を我々には理解できるのではないだろうか。

近い将来、dYdX Foudationも同じようなプロセスを経てDAOのトレジャリーから予算を要求することになるだろう。DAO内で個々の予算内訳に関する説明責任を果たすことに加えて、Foundationという特殊な組織の役割を理解してもらうことが重要になるだろう。

話題のTweet

イスタンブールで開催中のCosmoverseにdYdX Foundationのメンバー全員が集合しています!

トレジャリーデータ


DeepDAOによると、10月2日時点でDAOトレジャリーの総額は193億ドルと前週比で9.09%増加した。内訳は、流動性のある資産(Liquid)が172億ドル、権利が確定していない資産(Vesting)が25億ドルだった。
ガバナンストークン保有者は630万人で、アクティブDAOユーザーは280万人だった。


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