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春になると思い出す ①「新人研修をナメまくっていた話」

4月の新年度は新人研修の講師をご依頼頂くことが多く、今年も何社かビジネススキルやDXに関連する研修を担当する予定です。

今となっては偉そうに研修講師なんかやっている私ですが、
自分が受講生だった新人の頃を思い出すと、まさに大人をナメきった勘違い新人だったなと恥ずかしくなります。

新卒で入社した会社の研修、ほとんど聞いてなかったなと。
というか、寝てました。講師の方、今さらですが申し訳ないです。

当時コンサルティング会社に新卒で入社していた方達は、基本的に自信過剰で変わり者。
「スペック高い自分ならが現場でもすぐ活躍できる!」みたいな人ばかりで、基本的には社会をナメてます。(もちろん私も)

その高い鼻は、現場へ行くとすぐにバキバキにへし折られることになるのですが、新人研修期は何も知らないので無敵。
講座によっては、同期の半分くらい寝ていた講座もあった気がします。

新人の頃なんてもはや遠い昔。
研修ってどんなことやってたっけなーと朧げな記憶を辿ると、よくあるビジネスマナー講座やパワポやエクセルなどのソフトスキル、あとは社内オペレーションや事業部の紹介などがあって、大半は経営コンサルタントに必要なマインドセットやスキルセットを学ぶ研修が細切れに3週間くらい続いていた記憶です。
(現場配属後に、研修で扱った内容が実は大事だったことを痛感することになります)


今覚えているのは、研修で学んだ内容ではなくて、講師を担当されていた現場社員の方々のエピソードトーク。
楽しいことだけでなく、大変なことも多いリアルなプロジェクトの話が一番面白くて、「早く現場で仕事がしたい!」と思っていました。

3週間の社内研修の締めくくりとして、1週間のプロジェクトロールプレイングがあって、その後は当時企業で導入が大流行りだったERPの資格取得のために外部で研修を受講。
私はSAP社の資格をとるため1ヶ月間トレーニング施設に通ってました。
その後、「これ完全に遊びでしょ」としか思えない海外研修があって帰国して現場へ配属、といった流れでした。

新人研修はトータルで3ヶ月ありましたが、「学んだことが仕事の何の役に立つんだろう?」と当時強く思った記憶があって、「それならすぐにでも現場で仕事させてよ!」って偉そうに思っていました。

私が何が言いたかったかというと、研修で扱っている内容って、実務に必要なインプットであって、現場に行く前のトレーニングとして先回りしてやっているんだよ、ということ。
会社の親心なんですよね。

最低限知っておくべきこと、身につけておくべきことを会社がお金を払って勉強させてくれる。
何も知らない状態で現場へ行くより、スムーズに仕事を覚えることができたり、難しいことに対して心の準備ができたり。
ちゃんと意味があって研修を準備しているということです。

世の中には、新人研修なんて全く行わず、いきなり現場配属、という会社もたくさんあります。いや、むしろそういう会社の方が多いかも。

その時に気づかなくても、のちのち実務を通じて大切なことだったと気づかされるタイミングがあります。
研修の時には価値がわからなくても、とりあえず割り切って素直に勉強してみる。習得してみる。

当時の自分に一番足りなかったマインドでした。


近年、研修を通じて出会う新社会人(いわゆるZ世代とか言われている方々)は、どこの会社でも本当に真面目な方が多くて、寝ている方はほとんどいません。
寝ていたとしてもランチの寝落ちタイムくらい。肩トントンするとすぐ起きてくれます。
寝る意思を持って寝ていた我々とは大違いです。

研修内容が難しくても、粘り強く演習に取り組んだり、大切なことをメモしたり、講師に色々質問したり、こんな自分からしたら、人から与えられている内容によくモチベーション高く集中して取り組めるなと感心してしまいます。

それを数週間、数ヶ月続けるだけで別人のように成長する方がいるのが講師として見ていて楽しい瞬間でもあります。
5月病を乗り越えて現場配属まで突っ走って欲しいと思います。