手紙について

昔は手紙を書く習慣があったらしい。スマホはもちろん電話も無かった時代の話だけど、遠くにいる連絡したい相手には、手紙で伝えるしか手段がなかった。現代に生きている僕らみたいな若者には信じられないけど、そんな時代が確かにあった。内容は、仕事などでの事務的な連絡もあれば、恋文や生存確認みたいなものもあっただろう。一度の連絡で多くのことを伝える必要があったため、何千文字もの長い文章を書く人も多かったと聞く。

さて、今はLINEなどのSNS、ショートメールでの連絡が一般的となり、長い文章で人とやり取りすることは少なくなった。もし、LINEで何千文字もの長い文章を受け取ったら、何事かと僕らは怯えるだろうし、人によってはブロックしてしまうかもしれない。

そんな今だからこそ大事な人には、手紙として長い文章を送りたい気持ちがある。なぜなら抱えている複雑な気持ちとか、何か新しいことを伝えるためにはある程度の文章の長さが必要だからだ。でも、読むというのはなかなか忍耐力がいることで、飽きられる可能性もあるし、読んでもらえない事も多々ある(書く人は、自分の文章がいかに読まれないかを知っている)。

今のコミュニケーションの多くは、短くて分かりやすい言葉ばかりが繰り返されるものだと思う。誰かが言っていたように、短い文章のやり取りがまるでソリで雪の上を滑るようなものだとすれば、長い文章はソリを引いて丘の上に登るような作業だ。確かに雪の上を滑り降りるのは楽で気持ちよくて、できればずっとそうしていたい。でも言うまでもなく、降りてばかりはいられず、たまには登る必要もある。


昨年、友達に手紙を書いてみた。引かれたり、重いとか思われたら嫌だと思っていたけど、すごく喜んでくれて嬉しかった。形にして残しておけるというのも良いと思う。年月が経って10年後とか20年後に見返すと、新たに湧き上がる感情もあるのではないだろうか。

というわけで今の時代に手紙を書いてみるのも良いのでは、という話でした。


あ、そう言えばジュディマリの『手紙をかくよ』はすごくいい曲。
よろしければ。


読んでくださり、ありがとうございました。 今後より充実したものを目指していきます。