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NAHAマラソン2022 太陽と海と・・・

2022年12月4日。今年ラストのレースに選んだのが初参戦となるNAHAマラソン。36回を数え、コロナ禍前は3万人のランナーが参加する日本最大級のレースだ。「太陽と海とジョガーの祭典」というテーマタイトル通り、この時期でも25度を超える気温と、アップダウンの連続コースが特徴。そして、沖縄市民の「私設エイド」、途切れない沿道の声援…全国からのリピータランナーも多い。恒例の5k毎形式のレポートで!

NAHAマラソンコース(大会HPより)

スタート〜5k   22分22秒

スタート地点は奥武山陸上競技場。曇りの予報が晴天!ジリジリを太陽の熱を感じる。夏日だ。「まいったねー」ランナーのぼやきがちらほら。実は、右脹脛の古傷(肉離れ箇所)が1週間前の調整jogで痛み出していた。アップダウン、高温、そして右足に爆弾…かつてないアゲインストのコンディションだ。タイム狙いではないので、サブ3ペース+20秒〜30秒設定。Aブロックから慎重に出走。奥武山陸上競技場を出て、明治橋がスタート地点。那覇市の中心部を抜けていく。観光地・国際通り。BON JOVIが爆音でかかって応援してくれた。NAHAマラソンは沿道の声援もすごいらしい。テンションアゲアゲで序盤戦へ。4'30/kmでちょうどいいと感じた。

5k〜10k 22分32秒

気温は26度。だが時折小雨がシャワーのように降り、気持ちいい。那覇東バイパスに入り、断続的なアップダウンが始まる。至るところで「がんばれー!」の声援が続く。子供たちが多い。すると「ルフィーだ!ルフィーだ!」の声。後にルフィーのコスプレランナーさんが、4'30/km前後で走っていた。やはり人気がある。「暑いのに大変だけど…コスプレランナーは一度やってみたい」とは、思わなかった笑 そういえば完全ダースベーダーの格好をした謎の一団も、STARWARSのテーマをバックに応援していた。そして、9k過ぎ。序盤の名物地点。「♪YMCA〜YMCA」の熱唱が聞こえてきた。生バンドが登場!「ここがみんなでYMCA地点かー」この時ばかりは足の痛みも忘れてYMCAをやりながら走った。みんなで楽しむ、NAHAマラソンの自由な雰囲気がとてもいい!

10k〜15k 22分52秒

YMCA地点を過ぎると、国道507号線を上がっていく。サトウキビ畑が続き、見通しが良い直線のアップダウンコースへ。右脹脛の状態はうっすら痛みは常にある。が、着地をコントロールしながら負荷のかからないよう走りここまで問題ない。4'30/km前後なら何とかいけそうだ。給水は毎回必ず。そして、びっくりするほど地元市民のみなさんの「私設エイド」が多い。本当に助かる。特に「かち割り氷」を頂けるのはありがたい!火照った首筋を中心に当てて、握りながら走る。この「命の氷」が後半戦で、新たなドラマを生むことになる。

15k〜20k 23分17秒

10k以降、登り区間が始まっていた。特に18kから20kまでの上り坂は長い。
沿道の応援で再びバンド演奏!この坂の区間では松山千春の替え歌で「♪長〜い坂を、乗り越えてみたい」と応援してくれたオジサンがいた。太陽も上がり一番きつい時間帯。気が紛れる。ここまで慎重に4'30/kmで刻んでいるのと、給水・塩タブレットを欠かさない補給戦略も効いていて余裕があった。

20k〜25k 22分20秒

NAHAマラソンで一番きつい登り坂は18kから20kまで。中間点のある平和記念公園までだ。中間点通過は、1時間35分56秒。ほぼプラン通り。後半は下り&フラットコース。ネガティブスプリットで「後半はタイムを切り上げられるかも?」と足の痛み次第だが考え始める。だが「30kまでは抑えていこう」と、思い直す。中間点を過ぎてから、海を臨むコースへ。NAHAマラソンは、太陽と海の祭典だがあまり海は出てこない。ここでしっかり焼き付けておく。25kまでは下り基調。着地は慎重に、スピードは出さないように気をつけた。

25k〜30k  23分31秒

ひめゆりの塔を通過。糸満市方面へ。30kを前にして最初に疲労が出始める時間帯。今年はフルを6回走っているが、疲労の波が来る最初はコースに関係なく25k-27k付近。それを我慢すると、また調子が戻ってくる。粘りの走りというやつだ。脹脛の状態もペインコントロールができている。30kを過ぎてから、ペースをどうするか考えよう。
暑さにも慣れてきた。湿度が思ったほど高くない。前日の豪雨のせいだろう。発汗も真夏のランほどではない。30kまでプラン通り。ところが、故障した右脹脛の爆弾が炸裂寸前だったことは、知るよしもなかった。。。

30k〜35k 28分53秒

30k通過。2時間16分48秒。ペースは少し落ちているが、ペースアップのタイミングをはかれると感じていた。ファンランではなく、冬の本命レースに向けて過酷な条件を走り切る、という目的もある。31k過ぎ。ペースをサブ3ペースの4'15/kmにして、落ちているランナーを拾う走りを始めた。その矢先、500m程度だろうか…「ゾリっ、ブチブチ」っていう嫌な感覚と激痛が脹脛に。「痛いって!」たまらず、ラン中止。路肩で止まる。「ああ、やってしまった…。だましだましも30kが限界だったか」と即座に、肉離れ箇所の損傷を確信した。「あと11kもある…」とても走れる感じがしなかった。
すると、沿道の市民の方が駆け寄ってくれて「コールドスプレーいる?氷は?」と声をかけてくれた。すかさず「お願いします!」本当にありがたかった。。。ここからどうするか?アイシングをしつつ、右足は引きずる。左足一本で歩きとjogの中間のような速度でゴールを目指す。着地するとピキピキ鋭い痛みが走る。「無理をすると。1月以降の練習もレースにも出られなくなる」だが…レースを棄権するという考えは全く起きなかった。

35k-40k 31分04秒

30k以降はフラットな道が続く。飛行機が見える。那覇空港が近い。1k進んで、アイシング…スローjogの繰り返しで、何とかゴールまで前進する作戦に。右足の着地をなるべく軽く、左足を軸にして進む。ほかの筋肉を総動員して、右脹脛に「圧」がかからなようにする。そして…40k近くなっても、私設エイドの皆さんが氷を分けてくれる。まさに、命の氷だ。本当にありがたかった。
38k過ぎから40kまでが最後の登り。小緑バイパスに沿って坂を上がっていく。前半に体力の貯金を作っていたから、ケガをしても脚は終わった感じはない。バイパスを登り切ればあとは下りでゴールだ。すると、痛み続けていた脹脛に異変が起きた。

40k〜ゴール 10分15秒

40k地点。ここからゴールの奥武山陸上競技場までは下り。沿道の応援が熱を帯びてくる。不思議なことに脹脛の痛みが消えた!アドレナリンが出ているから?ペースがキロ6分から、4分40秒のjogまでに復活。ボロボロになってゴールへ向かうおっさんランナーを奮い立たせてくれる、沿道の皆さん。顔を見て「あと少し!頑張って!!」と声をかけてくれる。「ありがとうございます!!」と答えながら、沿道の皆さんにも拍手。ゴールへ向かう。自然と力が沸いてくる。声援の力を肌で感じた。競技場に入ると、学生ボランティアの皆さんが、花道を作ってくれてさらに声援が大きくなる。若者たちの「頑張ってください!!」の声が心地よい。皆さんが「ブラボー!!」と応えると沸いてくれた(笑
競技場のラスコーナーに差し掛かる。時計が目に入ってきた。3時間26分台。「肉離れして、あんなにロスしたのにサブ3.5で帰ってこれそうだ!」と、ペースを上げる。3時間27分00秒でゴール。ラストの2Kあまり。今年のレースで一番爽やか、軽やかに走れた。初めてのNAHAマラソン、2022年ラストレースが幕を閉じた。
そして、ゴールした途端に、激痛が復活した…。


まとめ

今年最後のタフなレース。本来はしっかり体に刺激を入れる目的だったが、
1週間前の調整jogで、思わぬ筋繊維の一部が損傷。本来なら、走ってはいけない状態だったのかもしれない。案の定、レース中に再発した。無理を押してゴールした選択は、ランナーのセオリーからするとNGだろう。たが、一方で「今年最後のレース」を棄権した終わり方は、年明けのレースに響くと考えたのも事実。このギリギリの判断の中で、沿道の皆さんのサポートでなんとか「完走」、タイムもサブ3.5で収まったことには感謝しかない。
「なぜここまで見知らぬランナーに優しくしてくれるのか・・・」沖縄の皆さんから、教えられたことが多い大会だった。自己ベストを更新するのとはまた違う、深い感慨を得られた。
今年はケガに悩まされているが、己を見つめ直す良き機会となった。何より、自由で温かいNAHAマラソンの雰囲気がとても心地よかった。
来年は万全のコンディションでしっかりと走り抜きたい!

完走メダルは琉球
ガラス製(毎年色が違う)




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