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プライベートでの療育と助成について

〈米国オハイオ州に駐在帯同の障害児について、関連情報をまとめています。〉

IEPを取得していれば学校で必要なセラピーを受けられますが、プラスαで受けたい場合や、未就学児の場合は、自分で探して申し込むことになります。

母体が大きなところが良ければ、Nationwide Children's Hospitalです。

Nationwide Children's Hostipalは病院の項目でも説明しましたが、とても規模が大きく、評判の良い病院です。Home Doctorから紹介してもらい、ヒアリング、院内審査、診断まで完了すれば、DublinやLewis Center、Hilliardにある療育センターなどで定期的にセラピーが受けられます。

Nationwide Children'sではなくても、セラピーを受けられる施設はたくさんあります。我が家は通訳サービスのあるNationwide一択でしたが、駐在先の会社に通訳サービスがあるなどフレキシブルに動ける場合は、頻度や場所、先生との相性、セラピーの特徴など考慮していろいろ探してみるのも良いと思います。
全体的に、OTとST、そして4時以降(小学校が終わってから)は混んでいる印象です。そのため大きな病院だと、希望する頻度でセラピーが受けられない可能性もあるので、頻度や時間帯を重視するためにも、病院探しは重要かもしれません。
また、therapistによるものではないけれど、専門家が勧める療育効果のありそうな遊びがアメリカにはたくさんあるので、そのまとめも参考にしてください。

Home Doctorが倉岡クリニックなら、言語聴覚士のスミス先生と、心理士の表西先生へすぐに繋がれます。

言語聴覚士のスミス晃子先生は、日本語でスピーチセラピーをしてくださいます。現地校でのSTはもちろん英語で行われるので、日本語のSTが受けれるのはありがたいです。処方箋が出て、自分で保険請求できるなら、保険も効きます。セラピーは患者の自宅で行われます。
日本ではあまりこういう経験がなかったのですが、スミス先生は毎回、息子ではなく私へ宿題を出してくれます。こういう言葉を引き出してみるように、これはまだ難しいから私が答えを教えて学習させて、などです。療育とは生活そのもので、その中で子供への働きかけを大事に考えてくださる先生です。

心理士の表西先生は、ご自身で「紹介屋もできる」とおっしゃるほど、本当にいろいろな引き出しをお持ちです。心理相談は倉岡クリニックまたはスカイプで行われ、親だけでも子供と一緒でも大丈夫です。IQテストも希望すれば受けられます。
表西先生には、渡米したてで右も左も分からなかった時に、今どういう状態なのかを認識させてもらい、どういう風に療育を進めていけば良いか、療育をするにあたりどのようなアプローチがあるのか、あとはアメリカの保険制度について、たくさん教えていただきました。また、日本の価値観に凝り固まっていた私に、アメリカ風の自由な提案もたくさんしていただき、そんなことをしてもいいんだ!?と心構えや価値観も変えてくださいました。心理セラピーというよりは、一緒に舵取りをしていただいた印象です。
自己紹介でも書きましたが、このnoteをまとめているのは、表西先生のご提案でもあります。Dublinでさまざまな心理相談をされる中で、障害などを持つ子の家族が、必要な情報を知らなかったり知るのが遅かったりするのを、なんとかしたいとお悩みだったそうです。

ここからは、大事なお金の話です。
日本にいるときは、診断があり障害者手帳を取得していれば、子供に対する助成金は、場合によっては数種類あったと思います。しかしアメリカでは障害者手帳というものがなく、国からの助成金制度は私は見つけられませんでした(州によっては、障害児が自立して生活できるようにする無料のプログラムがあるようです)。
でもまあ、その分セラピーも手厚いし社会はspecial needsに対してフレンドリーだし、イーブンかなと思っていた矢先、管轄のcountyから連絡があり、セラピー費用の助成が決まりました。

Countyとは、自治体の名前です。countyはstateとcityの中間に当たります。Dublin Cityにお住まいなら、所属countyはFranklinかUnion、またはDelawareです。日本の自治体と違い、cityとcountyはそれぞれ独自の境界線があるので、一度ご自宅がどこのcountyに属するのか、調べてみると良いと思います。(ちなみにお住まいのcityと管轄行政とschool district=学区も異なる場合があります。)

Countyは病院とは違い、自分で申し込みをします。IEPを取得した方であれば、おそらく最初のIEPミーティングまでに学校からcountyの窓口一覧の紙をもらうはずです。どんなサービスが受けられるのか全く謎でしたが、とりあえず我が家はすぐにコンタクトを開始しました。
学校からもらう紙には電話番号しか書かれていないので躊躇しましたが、メール窓口を見つけてやりとりしていました。まずどこも同じですが、コンタクトを始めると英語の問診票が送られてきます。またかと思い、苦労して記入するのですが、何度目かでだんだん慣れてくるのを感じます。記入して返送すると、同意書のようなものが送られてきます。
この時点で、もしセラピーが必要と判断されれば、IEPの時と同様にHome visitがあるそうなのですが、息子にはありませんでした。

最初に内容決定の通知書が送られてきたときは、我が家は在宅と施設での、日本のデイケアのようなサービス(時間ごと、申し込み制)が支給されました。そのサービスは我が家は不要だったので、ちょっと無駄足だったかなと思ってcoutyのことをしばらく忘れていましたが、申し込みから1年ほど経って、countyから連絡が来たのです。

連絡は電話で、主人にかかってきました。内容は、息子に対してサービスが開始されるから、その内容を説明するためにcountyの事務所に来てほしいとのことでした。
その面談の内容は以下の通りです。
・countyと提携する病院でのセラピーを、PT、OT、ST各月5回までcountyが費用負担する(建て替えでなく直接支払い)
・対象病院の一覧の情報(もちろんNationwide Childrensは最大手なので対象でした)
・息子に合った他のセラピー(ドッグセラピーなど)やアクティビティの紹介

もう、小躍りです。万歳三唱です。
早速、すでに自費でセラピーを始めていたNationwideに話すと、すんなりと話が通りました。担当者の名前をcountyと病院の双方に伝え、countyと病院とでセラピーの情報を共有する同意書を私が書きました。
まだ自費分のセラピーの請求書が我が家に届いていますが、来なくなるのが待ちきれません。
また、ドッグセラピーやジムなど、息子が楽しめそうなアクティビティにも連れて行くのが楽しみです。

ちなみにFranklin countyは、イメージですが、あまりnon-English speakerには慣れていないようでした。最初の申し込みも、電話でやりとりしていたらもうちょっとスピーディだったかなと感じていますし、面談は「(担当者が)すごく早口だった」とのことです。個人的にはちょっとハードルが高かった印象です。

[リンク]
Nationwide Children's Hospital https://www.nationwidechildrens.org/
Franklin county board of developmental disabilities https://fcbdd.org/
(他のcountyの場合は、"county名 disability"で検索。)
倉岡クリニック http://www.kuraokaclinic.com/
サンライズスピーチセラピー(スミス先生) www.sunrise-speech.com

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