見出し画像

2拠点生活のススメ|第15回|2つの街を取り巻く不思議、2拠点という微妙なバランス

ベッドタウンにも押し寄せるグローバル化の波

最近は、旅行や出張でいろんな地方に行っても、セブンイレブンにマクドナルド、アパホテルに東横イン、チェーン店の居酒屋など、どこも駅前の光景が同じように感じてしまう。良くも悪くも古いモノは一掃され、お行儀も見た目も良い、便利なチェーン店を集めておけばいいといった街作りが全国で加速している。だから川西が特にというわけでは無いのだろうが、昔からある個人経営の定食屋や喫茶店など、いわゆる馴染みの店的なものが、極端に少なくなってしまった。

私たち夫婦は銭湯が好きなので良く行くのだが、需要が少ないせいか、川西にはこましな銭湯が無く、どうしても隣町にある銭湯に足が向く。最近はやりの日帰り温泉が市の中心部にできたのだが、カッコばかりで風呂の本質を何も分かっていないシロモノ。安全・安心、キレイ・便利だけでは、建前論ばかりをする評論家のようなもので、おもしろ味を感じない。その土地ならではの歴史や経年変化による渋みや味みたいなものが感じられないと殺伐とした気分になってしまう。

最近は、空きスペースを若い経営者に開放した店作りなども行われるようになってきているようだが、駅前再開発といったプロジェクトになると大きな商業施設が幅を利かすという流れは変わらない、経済的なメリットと住み心地の良さは別の次元の話だと思うのだが・・・。

一方で、川西には、今をときめくキングコングの西野さんやトイレの神様でおなじみの植村花菜さん、女優の松下奈緒さんなどの著名人も多く輩出。前回の記事にも書いたが、案外面白い人がたくさん住んでいる街でもある。街の魅力というのは、ホントつかみ所が無い不思議なものだ。


シャッター商店街の一角に建つピカピカの銀行

一方、徳島はどうだろう。徳島市は県庁所在地ということもあり、川西よりも規模も大きく立派な地方都市。古いモノも新しいモノも混在した街ではあるが、じわじわと過疎化への道を辿っていることは否めない事実。今年、駅前のそごうも撤退し、百貨店の無い県になってしまった。立派なアーケードを備えた中心部の商店街もシャッターが目立ち、若者の姿をあまり見かけない。

そんな中不思議なのは、そのシャッター街の一角に、建築の粋を凝らした立派な銀行が建っていること。ギャラリースペースやコワーキングスペースまで確保、あまりの格好良さに銀行とは思えないほど。あくまで地域活性化の一環ということだが、シャッター商店街とのギャップが凄すぎて、銀行としてできる街の活性化案は他に無かったのかと正直思ってしまう。立派な建物より、個性有る店舗が建ち並ぶ楽しい商店街が望ましいと思ってしまうのは、私だけなんだろうか。

ただこうした個性有る店舗は、中心部から少し離れた場所に点在していることを知った。これもドーナツ化現象というのだろうか。駐車場もしっかり確保することで多くの人で賑わっている。そうしたお店同士のネットワークも構築されてきて、県外の人向けに、お店紹介MAPなどの配布も行われているようだ。

もちろん、市内中心部には昔からの繁華街があるし、美味しい個人経営のお店も数多く存在するのだが、中心部が寂れていくこの流れは止まらないようだ。こうしたお店が中心部に戻ってくると面白くなると思うのだけれど、きっと解決しなければいけない問題があり過ぎるんだろうな。


2拠点という微妙なバランス

同じように見える街でも、こうして住んでみると違いもいろいろ。どちらが良くて、どちらが悪いと言うことでは無い。2拠点生活を始めるに当たって、私の場合は、第一条件がサーフィンのできる場所ということで、いろんな条件を加味して選んだのが徳島市だった。サーフィンできる海があって、自然も豊かなのに、不自由ない都市生活を送れるのは、ほんとに有り難いと思っている。

ただ本気で移住するとなると、仕事や両親のことなど、困ることもいろいろ。もっと身辺整理が必要で、夫婦間の摺り合わせも難しくなる。将来は完全移住したいと考えてはいるが、色んな面で思い切った断捨離が必要なんだろうな。何に価値を置くのか、どんな暮らしがしたいのか、心の中は決まっているのだが・・・。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?