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2拠点生活のススメ|第236回|さりげない別れ

今回の徳島滞在は天気にも波にも恵まれず、最終日を迎えた。

少しは波が上がってないかと微かな望みを胸に、朝から海岸へ。車をおりると、思ったより南東の風がキツく、風に煽られた膝波が力無く崩れているといった状態。

まだ、どんよりとした雲に包まれているが、南の空の方が明るくなってきていたので、とりあえず晴れてくるのを待つことに。テトラポッドに座り、全身で風除けしながらタバコに火を付ける。何度も失敗しているうちに手が当たって、タバコが折れてしまった。

タバコの箱をのぞき込むと残るはラスト1本。今度は慎重に、風を遮りながら何とか火を付ける。フーと吹き出す煙が、強風に煽られスッ飛んでいく。海を眺めながら燻らすタバコ、こんなにじっくりとタバコを味わったのは何時振りだろうか、ほんと久しぶりの美味い1本だった。


もう、いいかな・・・。

突然だけど、ふとそんな気持ちになって、その後タバコを買うことを止めた。

タバコというものは不思議なもので、イライラすることがあったり、仕事が忙しかったり、緊張することや不安なことがあると極端に吸う本数が増える。・・・ということは、タバコが必要な暮らしというのは、ストレスフルな暮らしとも言える。

「タバコを止める」なら、「タバコが止められない暮らしを止める」必要があるんだと気づいた。

そう思うと、徳島に拠点を開いて、色んな意味でストレスから解放され、仕事のやり方や、人との付き合い方など、さまざまな変化を経て、今のこの2拠点生活はすでに「タバコがいらない暮らし」になってきているのかもしれないな。

禁煙は、今まで何度も経験してきたのだが、こんなにさりげなく別れられたのは初めて。いつまで続くか分からないけど、この気持ちに身を任せてみたい。

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