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2拠点生活のススメ|第103回|誰かに見られてる!?

ベランダに出てタバコを吸っていると、ふと誰かに見られている感覚があった。

徳島の家は雑居ビルの3階。周りに高い建物は無いし、下の歩道に目をやっても誰も歩いてなんていない。それでも、確かに誰かに見られている気がする・・・。

ふと目の前にある電線を見ると、こちらをじっと睨み付けているスズメと目があった。距離にして3mといったところだろうか。視線の正体はコイツか・・・。

スズメというのは、とても警戒心の強い鳥。いくら手が届かないとしても、この距離感なら、目が合うとすぐにでも逃げ出しそうなものだが、いっこうに飛び去る気配は無い。それどころか、完全に私の動きを見張っているといった様子。

こちらも負けじと、スズメをじっと見つめ返す。

よく見ると、羽毛のようなものを口に加えている。

私がタバコを消そうと目線をハズした瞬間、急に小さく羽ばたいたかと思うと、電線を包むように設置されている黒くて丸い筒の中に姿を消した。筒の直径は10cmほどだろうか。

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ひょっとして、こんな筒の中に巣を作っているのか?

気になったので、スズメの生態を調べてみた。スズメは、他の生物が入り込めないような、身を隠せる隙間のようなところに巣を作る習性があるらしい。最初は、藁や茎など長めの草で土台を作り、体の触れる内側を柔らかい素材で埋めていくとのこと。

あの羽毛は、まさにこのためだったんだ。

繁殖期は3月から8月、この頃に巣作りがもっとも盛んとある。この電線カバーは、スズメにとって、まさにベストな環境だったようだ。

スズメに関する記述をさらに読み進めていくと、20年前と比べ、その数が1/5に激減していることを知った。様々な種の生物が、存続の危機にあるという話を良く聞くが、まさか、スズメまでもが減っているなんて正直ビックリした。

子どもの頃から、いちばん馴染みのある野鳥だったけど、近い将来、スズメが見られなくなる日がやってくるのかも知れない。

温暖化も含め、人間の営みが、生物の生態系を激変させている。

人間は、そんなに偉いのだろうか・・・。

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