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成功と反省と/古本屋履歴02

おめでとう、世界

DUALBOOKs がこの世界に誕生することを祝して「おめでとう、世界」と発したのは1年ほど前のこと。この『古本屋履歴 -DUALBOOKsになるまで-』のシリーズでは、実店舗誕生前の時代のことを整理・記録してみたいと思います。思い出を書き込んだポストイットをはりめぐらすように。ライトに、軽やかに。

(前回はこちら)


2018春 官能小説朗読会『エロスの組体操』

  • 前回からの続き、『官能小説朗読会 エロスの組体操』の話

  • 才能豊かな組員(読み手・トラックメーカー)はそろったものの、具体な中身、何をどうやって読むか・・・

  • 文学ポルノから名もなきポルノ、澁澤龍彦、植草甚一、北山耕平、小林秀雄、カーマスートラ、バタイユ、神秘学などを読み漁り、書き出し、捨てさり、編集する日々

  • ぎりぎりで読み原稿完成

  • 当日リハであっという間に本番

  • 会場の サロンタレ目 は小さいお店なので15人限定要予約

  • だったところ、結局20人オーバー

  • うれしいいいい!けど、せまい・・・

  • 幕が上がり、花々で彩られた原稿を抱える女性。ステージ脇のおじさん(店主)の魔法の言葉が開会の時を告げる

  • 大正ポルノ、海外ポルノ、二人の読み手による無慈悲の応酬、慈愛のリバーブ、思想を回避する純然たる性、そして不要でしつこい哲学的解説・・・と、気づけばすっかり舞台風のイベントに

  • お陰様で、大好評

  • がんばった甲斐がありました。

エロスの組体操
官能小説の読み原稿(装飾は妻が徹夜で担当)

2018夏 自宅店舗閉店

  • サラリーマンではなく古本屋として生きる土地、商売をする土地、子が育つ土地、夫婦が活き活きする土地。これらのベストミックスを探して道内をかけめぐる週末

  • 未来を創る土地探しのため、三畳一間の自宅店舗を閉店。

  • 細々した営業だったけど常連さんや喜んでくれる方にも出逢えて、大事な財産を得る

  • 最終営業日の8月19日は自宅での営業60回目、という還暦みたいな記念日(たまたま)

  • しかも店主の誕生日(たまたま)

  • ワタシの流れとセカイの流れが心地よく交差する瞬間

  • ありがたい。

  • その後、イベント出店がメインとなる

古本珈琲日曜日
この青い壁。雰囲気よかったよー。ありがとーー

2018年夏 初の野外出店/PRHYTH

洞爺湖 prhythm
洞爺湖畔での音楽イベント
  • 閉店した翌週、古本屋として初出店。しかも野外。しかも洞爺湖。

  • 関西から北海道に初上陸の『PRHYTHM』という高質高感度な音楽イベント

  • 選書から抽出した言葉で三角錐をつくる、という創作にはまる

人間の建設 岡潔 小林秀雄 はじめアルゴリズム 超自然学 ローレンス・ブレア
数学・神秘・魔術・民の4面体を創作(これは数学)
  • 嫁は徹夜で新商品「珈琲ゼリー」の研究開発に余念がない

  • かなり美味しくできたが、寒くて売れない・・・夏なのに・・・

  • 北海道の野外イベントは、夏でも「あたたかさの提供」が不可欠なことを知る

  • 場をイメージした選書の難しさと楽しさにはまる

  • 野外の大変さに設備的な成長・工夫の必要性を痛感する。つまりはまる

  • 特に主催者の方々に喜んでもらえたことがうれしすぎる

  • 今につながる重要な出逢いがはじまる

  • 「参加者・お客さんをイメージした選書」より「場をつくっている人、主催者をイメージした選書」が大事だな、と再認識

  • 「お客さんのための選書、ではなく、場のための選書」これ重要

2018秋 Library bar本戒

本戒
この時はフライヤーちゃんと配ってた。これからも素敵なフライヤーつくってがんがん配ろう
  • 『エロスの組体操』の読み手探し相談に行ったすすきのフェティッシュバー六戒

  • はじめましてなのに「ここで古本屋やりませんか」と提案いただいたのをきっかけに早速実現

  • カウンターの中、普段はお酒が並ぶ棚を全部本で埋めるという企画

  • お声がけいただいたフェティッシュなママを存分にイメージして選書

  • 大盛況

  • フェティッシュをリアルで生きる方々の琴線に触れることができてうれしすぎる店主

  • フェティッシュバーというその「タブーのない」空間は(性の話題に関係なく)居心地がよく「素になれる場所」なのだと学ぶ

合うなー。

2018秋 小さな古本市

A LITARARY MEETING PLACE(小さな古本市)
  • 札幌・小樽の independent な古本屋3店舗合同の古本市

  • 小樽のゲストハウス「OTARU NUPURI HOSTEL」で開催(現在は閉店)

  • 過去3回のイベントの「成功」で調子に乗っていたことを思い知らされる

  • 物量は少ないし、内容も焼き直し感がたっぷり(物量に関しては、今となっては多ければいいとは思わないけれど、この時点では、物量が必要だった。イベントのためにもお客さんが楽しむためにも)

  • いやもう、ほんとに気持ちは棚にあらわれる、気持ちが売上にあらわれることを強く実感

  • 猛反省。もうほんとに反省


さて、この古本市での反省は
次に活かされるのか!?
・・・
次回の『古本屋日記03』に続く!


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