【B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24】 8チームの特徴と『対勝率6割以上』のスタッツ
こんにちは、hiroです。
今回はCSに出場する8チームをスタッツを出しながら特徴を簡単にまとめていき『対勝率6割以上の相手』にはどうなっているのかという点も含めて書いていこうと思います。
先に言っておくと、めっちゃ長いので目次から気になるところだけでも読んで頂けたら幸いです!
※有料部分もありますがCS進出チームは例年通り無料で読めます!
今シーズンもCS出場7チームが勝率6割以上の成績を残しています。昨シーズンに比べると勝率5割~6割のチームが増えておりCS進出争いが激化。最終節までQFの組み合わせが1つも決まらないほど。ちなみに昨シーズンはCSは出場チーム以外で勝率5割を超えていたのは宇都宮のみでしたが、今シーズンは6チームもあり、SR渋谷に関して言えばCSに出る千葉Jと同じ勝率だった。
全部読むとめちゃくちゃ時間がかかるので、推しチームや対戦するチームや気になってるチーム、注目の対戦カードのところだけでも読んで頂ければ幸いです!今回の記事でCSを見るのが楽しみになって頂けたら幸いです!では、行きましょう!
ちなみに、有料部分は惜しくもCSに出られなかったチームについてCS進出チーム同様に紹介しております(『対勝率6割以上のスタッツ』の文章は時間の関係上書けませんでしたごめんなさい)。CSに出られなかったけど勝ち越した5チーム(SR渋谷、川崎、FE名古屋、島根、群馬)についてと、今回情報多すぎて使わなかった画像(各チームのホームゲーム平均とアウェイゲーム平均の比較や時期別のスタッツ比較など)を載せました。該当チームのファンブースターの方や興味がある方だけでも読んで頂けたら。
▼以下のTweetをリツイートすると安くなるそうです
※このnoteでは勝率6割以上のチームについては以後「上位チーム」と呼んでいます。
【注意】
・速報スタッツと後日変更される確定スタッツの関係上、誤差のある可能性があります。(第35節までは確認済)
・Bリーグ公式で使われている計算式のポゼッションを『公式POSS』、過去のnoteで私が使っていたオフェンスリバウンドを加味したものを『POSS』として表記してます。故にPOSSの数値を使って算出しているペースやレーティングの数値も同様に記載してあります。その点はご理解の上、読んで頂けたら幸いです。
▼去年のCS前に書いた記事。たくさんの方に読んで頂きました。ありがとうございました!
対戦カード情報
宇都宮ブレックス vs. 千葉ジェッツ
昨シーズンCS出場を逃したところから東地区を優勝し全体勝率1位を勝ち取った宇都宮と、天皇杯とEASLの2冠を勝ち取り3冠を狙う千葉Jの対戦。
今シーズンの直接対決
このカードは同地区対決ということもあり、今シーズンはRS4試合と天皇杯1試合の計5試合を既に対戦している。そのうち4試合は千葉Jのホームゲームで、3試合が水曜開催、週末の連戦は2週間前に行われた第35節のみ。ちなみに、宇都宮は第35節の千葉J戦GAME2で東地区優勝を決めている。しかし、コアメンバーがお互いに全員揃った状態での対戦は一度もない(二上を対象外にしても)。代表的な選手で言うと、千葉Jは原とスミスはともに3試合不在、宇都宮は12月はエドワーズ、4月の2試合は高島が不在だった。
今シーズンのこの対戦で共通して言えるのは、前半から宇都宮が主導権を握り後半千葉Jが盛り返す展開が多いこと。天皇杯では千葉Jが21点差の大逆転勝利で決勝に進出した。ただしRSの4試合、特に天皇杯後の3試合に関しては、宇都宮が教訓を活かして盤石な試合運びでRS全勝。
お互いに言えることだが既に5試合戦っていることもあり、他のチームよりもお互いの強みも弱点も理解し合っている。RSとは違った戦術を使って強みを消してくる可能性も無きにしも非ず。HCの駆け引きにも注目したいシリーズ。
過去のCS関連データ
宇都宮は20-21シーズン振りのCSホーム開催だが、日環アリーナ栃木でのCS開催は初めて。宇都宮のホームで開催されたCSでの成績は通算10勝1敗で、ホームでのCSは現在7連勝中。初年度の三河とのSFのGAME2で負けて以来全勝している(初年度のミニゲームのGAME3を含む)。
対する千葉JはCS出場を皆勤してる数少ないチームだが、QFをアウェイで迎えるのは実は初年度以来2度目。その時の相手も宇都宮(旧栃木)だったが、宇都宮が連勝でSFに駒を進めた。それ以降のCSでもこの2チームの対戦は数多く行われており宇都宮の5勝4敗、今回で10~12試合になる。前回CSで対戦したのは21-22シーズンのQFで宇都宮がアウェイで2連勝、その勢いそのままに宇都宮がCSを制した。
注目ポイント
千葉Jは前半耐えられるか
まずは千葉Jが前半接戦に持ち込めるかは鍵になると思う。今シーズン対戦した5試合中4試合で、宇都宮が前半で二桁リードを作っている。天皇杯では千葉Jが21点差を逆転したものの、同じような展開に持ち込むことは難しいのは言うまでもない。千葉Jとしては第35節GAME2のようにリードして試合を進めたいだろう。宇都宮としてはこれまで対戦してきたように主導権を握れるか。
3Pでの攻防
お互いに3Pをたくさん打つチーム同士の対決なので、どれだけ3Pを決めきれるかが重要になるのは間違いない。千葉J目線で言うと3Pを打たせているチームではあるが、宇都宮に大量に3Pを決められてブローアウトした試合もあった。第35節GAME2では守り方を変えて、宇都宮に3Pを打たせない守り方をしたことで3Pの失点を減らしていた。逆にオフェンスでは3P成功率が上がらず対戦した5試合で一番高かったのが天皇杯での33.3%と宇都宮相手になかなか3Pを決められていない。ここの攻防はシリーズ通して対策とアジャストのやり合いになる予感。
コンディションの差
最終節前に東地区優勝と全体1位を決めた宇都宮は、最終節は主力選手をベンチ外にして休ませることはせず全員でタイムシェア。多くても20分前後で2試合とも勝ち切っている。
片や千葉Jは今シーズンはリーグ戦、天皇杯、EASLと海外遠征もありながら既に70試合の公式戦を戦っており、終盤戦は怪我人も増えて疲労がプレーに現れているのも事実だろう。CS前最後の試合では秋田と2OTの熱戦を繰り広げており、最終節での疲労は雲泥の差だ。+QFは金曜スタートなので中4日での試合になる。心身ともにコンディションで上回れるのはどちらか?
怪我人情報
宇都宮は3月の三河戦で高島が左手の骨折をしていたが、最終節の茨城戦GAME1で復帰。ただ、GAME2はベンチ外だったので、無理をさせずに状況を見つつ起用する感じだろうか。
千葉Jは二上とインジュアリーリストに登録されているステフェンズは99%出場できないだろう。3月下旬に負傷したスミスは約1ヶ月前に復帰しているものの、プレータイムが短くまだ制限があるのかもしれない。また、RS最終戦で富樫が右膝を負傷し試合中にアイシングをして2OTの大事な時間帯に出場しなかった。今シーズン休んだのはEASLでの消化試合の1試合のみという富樫の膝の状態は、千葉Jブースターからすると一番の心配かもしれない。ただ、井上尚弥の試合を観に行って楽しそうだったので大丈夫でしょう!
アルバルク東京 vs. 琉球ゴールデンキングス
お互いに地区優勝最右翼と見られていたが、惜しくも地区優勝を逃してしまった2チームの対戦。東地区優勝は逃したもののクラブ最高勝率をマークして早々にQFのホームコートアドバンテージを獲得していたA東京。対するは第12節から西地区首位を走っていたが、RSラスト5試合で名古屋Dとの直接対決に敗れるなど4連敗で7シーズン連続の西地区優勝を逃してしまった昨シーズンの王者琉球。ファイナルだとしても不思議ではないカードがQFで実現してしまった。
今シーズンの直接対決
今シーズンは2月に対戦しており1勝1敗、Bリーグに統合されたオープニングゲーム振りの国立代々木競技場第一体育館での対戦だった。A東京はグダイティスが2試合とも欠場で、対する琉球は小野寺が2試合欠場、GAME1は田代、GAME2で松脇が欠場していた。
GAME1は前半は殴り合いでA東京がリードする展開だったが、後半は一転して守り合いに。一糸乱れぬ攻防はメインデルのダンクでA東京が追いつきオーバータイムに突入、勢いそのままに5分間で20点を取ったA東京が先勝。GAME2は琉球が前半一方的な展開で最大26点リード。しかし、後半脅威の巻き返しを見せたA東京が残り2分半で逆転。その後、琉球がセカンドチャンスから4点をもぎ取り、最終的には琉球が2点差でGAME2を取り返した。
過去のCS関連データ
A東京のCSホーム開催は実は17-18シーズンにアリーナ立川立飛で開催されたQF京都戦以来。ホーム開催は4戦全勝だが、それを知っているメンバーはザック・バランスキーのみ。また、今回のQFの会場がこれまで一度も使ったことがない有明コロシアムという点が気になる。
一方の琉球は、初年度振りのアウェイでのQFになる。アウェイでのCSも17-18シーズンのSF振りと、4大会連続でホームでの開催だった。ちなみに有明コロシアムでの試合は、昨シーズンの天皇杯決勝で経験済み。また、bjリーグに所属していた琉球にとっては有明コロシアムは馴染み深い会場とも言えるだろう。岸本も以前「ホームのような場所」と語っているし、有明コロシアムを一番知っている選手は2チームの中だと岸本なのかもしれない。
注目ポイント
リバウンドを制する者は?
他のカードと比にならないくらい、このカードはリバウンド命な試合になりそうだ。特にオフェンスリバウンドは両チームとも強い。2月に対戦した時は2試合とも琉球がリバウンドで上回り、2試合ともオフェンスリバウンド獲得率でシーズン平均を上回る強さをA東京相手に見せつけた。とはいえ先に記述した通り、グダイティスが不在だった影響が大きかったのも事実だ。リバウンドを制する者はゲームを制するのか?
日本人選手の得点
日本人選手の得点が2番目に多い琉球vsリーグで最も日本人選手に得点させないA東京の対決でもあるこのカード。2月に対戦した時はA東京が琉球の日本人選手の得点を抑えた一方で、琉球もA東京の日本人選手に得点を与えなかった。日本人選手で二桁得点する選手が複数出てくるようだと得点が伸びるだけでなく、チームが勢いづく予感。
怪我人情報
A東京はサイズが6試合連続欠場でRSを終えている。ただ、公式で負傷リリースをしていた訳ではないので、CSに向けて無理をさせていなかったのだと思いたいところ。
対する琉球も特別指定選手の脇がシーズンアウトの負傷しているのみで、主力選手の怪我は問題無いだろう。どちらかというと、西地区優勝を逃してしまったチームの雰囲気の方が気になるところだ。
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ vs. シーホース三河
CSで初めての愛知ダービー。RS最終戦で悲願の西地区初優勝を奪い取った名古屋Dと、今シーズンからリッチマンHCが指揮し激戦の中地区2位争いをこちらもRS最終戦で勝ち取った三河との対戦。
今シーズンの直接対決
今シーズンは1月に三河ホーム扱いで普段とは違う岡崎中央総合公園総合体育館での開催だった。三河は長野とシェーファーが、名古屋Dは伊藤と張本が欠場。外国籍はスミスが脳震盪、ソアレスはインジュアリーリストに登録されていたので名古屋Dは外国籍2人での試合になった。また、三河の特別指定選手である西田公陽も加入する前の試合。
GAME1は同点でハーフタイムを迎える接戦の中、3Qから徐々にリードを作り最後に点差を詰められるもホームの三河が勝ち切った。GAME2は前日の勢いそのままに三河の10-0のランから始まったのだが、名古屋Dが3P攻勢で主導権を握り返し、1Qで逆転した後は一度もリードを譲ること無く1勝1敗の痛み分けに終わった。西田はGAME1でシーズンハイの24得点を記録したのだが、GAME2は1Qで負傷交代になってしまった。
過去のCS関連データ
初のCSホーム開催になる名古屋Dは、これまで出場したCSは4回全てQFで敗退。直近2シーズンは負傷者が相次ぎポテンシャルを発揮出来ずに敗退していた。この後触れるが今シーズンの名古屋Dはコンディションが良いので楽しみだ。
20-21シーズン振りのCS進出を果たした三河は、QFをアウェイで戦うのが今回で2度目になる。前回QFをアウェイで戦ったのは20-21シーズンの千葉J戦で連敗。今回はアウェイといえど同じ愛知県内なので、多くの三河ブースターが駆けつけてくれるだろう(チケットを取れれば)。
注目ポイント
ゾーンディフェンスの攻防
今シーズンはお互いにゾーンディフェンスを使っていることが特徴かもしれない。いかにボールを回してオープンを作れるか。3P成功率的には名古屋Dの方が分があり、1月の対戦では三河の3P成功率が低かった。また、ゾーンディフェンスからトランジションが増える予感で、ポストシーズンの重たいゲームと言うよりはテンポ感の良い試合になりそう。
外国籍選手のタイプの違い
名古屋Dの外国籍3人は全員5番タイプで、一方の三河はガードナーは重量級だが3人とも機動力に優れている。名古屋Dの外国籍はエサトンとスアレスはシュートレンジが広いが、機動力のある三河の外国籍を横の動きで守れるのかは気になるところだ。名古屋Dは日本人選手とレイ・パークスジュニア+外国籍1人で機動力を上げるラインナップも持っているし、もしかするとフランクスが復帰する可能性も?
勢いvs.勢い
お互いに負けたら終わりという状況を勝ち切ってRSを終えた。名古屋Dは琉球との直接対決連勝を含む6連勝で最後の最後で逆転しての西地区優勝。三河も中地区2位争い直接対決含め難しいと相手との連戦続きの中、最終節は中地区優勝を決めている三遠に連勝できたことでCS進出を決めている。お互いにCSに入る前からCSのような緊張感で試合をしていたと思うし、勢いに乗ってQFに挑めるだろう。勢いがある同士の対決はどちらが制する?
怪我人情報
名古屋Dは2月の長崎戦で負傷したフランクスがインジュアリーリストに登録中だが、一部では練習に復帰しているとの話があるようだ。フランクスはここまでプレータイムと得点でチームトップの活躍をしている選手なので、プレー出来るであれば昨シーズンのンドゥールのようにCS開幕前にインジュアリーリストを抹消される可能性はありそう。確実に言えるのはショーン・デニスHC体制になって過去最高のコンディションでCSに挑めるということだ。
三河は56試合スタメン出場していたPGの久保田が第35節の佐賀戦GAME2で左足を捻挫して途中交代。CS進出の掛かった最終節の三遠戦は2試合ともに欠場した。三遠戦GAME2はベンチ入りはしていたので、三河が劣勢だったら強行出場していたのかもしれない。
▼GAME1のロングハイライト無かった…
三遠ネオフェニックス vs. 広島ドラゴンフライズ
大野HC体制2シーズン目を独走で中地区を制し、クラブ最高勝率を記録した初年度以来のCS出場の三遠、対するは2月のバイウィーク以降怒涛の追い上げでワイルドカード上位を勝ち取った2年連続CS出場の広島。この対決は大野HCの古巣対決でもある。
今シーズンの直接対決
12月上旬に対戦しており、三遠はフルメンバーに対して、広島はメイヨが欠場。大卒組の三谷と武内が加入前の対戦だった。
GAME1は終盤までもつれる接戦だったが、3Qラストプレーで逆転した三遠が最後までリードを守り切り勝利。GAME2は三遠が持ち味のオフェンス力を遺憾なく発揮し前半から52得点。後半も手を緩めること無く100点ゲームでの完勝だった。RSでは三遠が2連勝したものの、その時と比べると広島はディフェンスが良くなり、ビッグラインナップの練度も高まっているので面白いシリーズになりそうだと思う。
過去のCS関連データ
初年度振りのCS出場となる三遠は、ホーム開催でのCSが初めての体験になる。どんな雰囲気の試合になるのかは未知数だが、今シーズンホームでは26勝4敗と圧倒的な勝率を残している。チームとしての経験は少ないものの「失うものは何も無いと」大野HCも言っている通り、怖いもの知らずで向かってこられたら相手からしたら嫌だろう。
対する広島は2大会連続でアウェイでのQFだ。昨シーズンは歴代最高勝率を誇る千葉J相手に先勝してバスケファンを驚かせたものの、その後連敗して敗退。昨シーズンのCSを経験した選手も多く、その経験が今回活きるかもしれない。
注目ポイント
オフェンスの三遠vs.ディフェンスの広島
このカードはオフェンスに秀でた三遠と、ディフェンスでCSを勝ち取った広島のいわゆる『ほこたて』対決だ。ハイペースでオフェンスを繰り出す三遠のペースになるのか。それともRS終盤西地区上位チームとの直接対決で守り勝った時のようにロースコアペースの守り合いに広島が持ち込むのか。どちらのペースで試合が進むのかで結果が変わりそう。
広島のビッグラインナップ
広島がRS終盤の西地区上位チーム相手でもポイントで起用し効果が絶大だった外国籍2枚+帰化選手河田チリジを使ったビッグラインナップ。シーズンが進むにつれて練度が上がってきた印象で、オフェンス時はスイッチされた後のミスマッチの狙い方が秀逸。特にメイヨは3Pを高確率で決めることが出来るし、サイズのミスマッチからの得点力も高いので、ビッグラインナップのキープレイヤーだ。そのメイヨは12月の対戦時は欠場している。三遠がどのようにビッグラインナップを止めるのか?もしくは殴り倒すのか?
コンディションを調整した三遠と広島の勢い
4/10に中地区優勝を決めた三遠は、残り試合はコンディションを整えつつ無理をしないように戦っていた印象で、優勝を決めた後は5勝4敗でフィニッシュ。一方の広島はCSに向けて最後まで負けられない戦いが続いていたので同期間を7勝2敗で駆け抜けた。そして、2月のバイウィーク以降の成績で見れば三遠よりも広島の方が勝率が良い。コンディションを整えた三遠といえど、今の広島の勢いは怖いはずだ。
怪我人情報
三遠は一時期怪我人が多く少数精鋭で試合をこなしていたが、CSに向けて調整し怪我人が戻ってきている。森口はシーズンアウトの大怪我だが、RS最終戦欠場したクラークは問題なくCSでプレーできると思われる。
広島は日本人選手で絶対的存在だった寺嶋が2月のバイウィーク明けの千葉J戦で負傷してから欠場中。ただ、QFを戦う週末が寺嶋が怪我をしてから10週間目であり、トップコンディションではなくても僅かながら復活の可能性がありそうな予感。船生は最終戦の琉球戦GAME2欠場したが打撲とのことなので、CSに向けて大事を取っての欠場だと思われる。
CS出場チームの特徴紹介
宇都宮ブレックス
宇都宮ブレックスの特徴的なスタッツ
今シーズンの宇都宮は過去CSに出場したチームの中でも圧倒的な3Pチームだ。11月のバイウィーク以降から3P関連のスタッツが急上昇し、11月以降はFGの試投割合が平均で3Pが2Pを上回るほどだ。特に2月のバイウィーク以降の3P成功率が41.51%とチートレベル。ちなみに3Pの試投数が2Pの試投数を上回った試合は29勝1敗と圧倒的勝率を誇っている(唯一の負けは天皇杯の千葉J戦)。
3Pが多いということは相対的に2Pが少ないということ。ペイント内での試投数や成功数、割合などが3Pの真逆で少ない。しかし、昨シーズンとは異なりペイント内シュート成功率が高い点が良いところだ。
ペイント内の攻撃が少ないということは、フリースローの機会も同様に少ないのだが、宇都宮はフリースローが下手なチームなので、むしろ良い方向に行っていると思いたい。
昨シーズンの振るわなかった守備力も復活したブレックス。ディフェンス戦略的にはペイントに入れさせずにショットクロックを削り、タフショットを打たせるイメージ。それができているからこそ相手のあらゆるシュート成功率を低く抑えることができている。Bリーグ公式のディフェンスレーティングは唯一の2桁台だ。
オフェンスでは高いシュート成功率、ディフェンスでは相手のシュート成功率を低く抑える。その差し引きがリーグ屈指であり、今シーズンの宇都宮は量ではなく質で殴り勝っているチームなのだ。フリースロー成功率は…
これまでの宇都宮の武器だったオフェンスリバウンドは、今シーズンはあまり強くないのが正直なところ。ただ、相手にオフェンスリバウンドをやらせていないことで相殺できている。
シチュエーション別勝敗傾向
ありとあらゆる項目で高い勝率を残しているのがわかる。2月のバイウィーク以降は19勝2敗とリーグトップの成績でCSに突入する。
守備の堅い宇都宮に先行されたら勝つのはかなり難しい。しかし、二桁ビハインドになった試合でも唯一勝ち越してるチームでもある。
SFまでホームで戦えるが、三遠に並んで26勝4敗でホーム最高成績を残している。そして、B1で唯一今シーズン連敗をしていないチームでもある。
対勝率6割以上相手のスタッツ
ブレックスは他のチームに比べて、上位チームとの対戦時期がシーズン序盤に固まっていた。開幕から11月のバイウィークに入るまでに8試合行い、これはCS進出したチームで圧倒的な多さである(次に多いのが3試合の名古屋Dと広島)。
どちらかというと、上位チーム相手になるとディフェンスよりもオフェンスの方が苦労している。ただ、ブレックスのオフェンスが爆発し始めたのはシーズン中盤あたりからである。
上位チーム相手になると簡単に3Pを打たせてもらえないし成功率も落ちているのが事実としてあるが、特徴的なスタッツでも記述した通り、11月のバイウィーク以降から3P関連のスタッツが急上昇しているので、正直序盤の8試合とは別物と捉えても良いかもしれない。実際に11月バイウィーク以降に行われた6試合の3P成功率は37.43%とスモールサンプルとは言え悪くない数値だ。
持ち前のディフェンス力は上位チーム相手でも高い質を誇っているが、3P成功率が若干高めと言うべきか厳しすぎか。
上位チーム相手との試合で琉球戦以外はギャビンがいた時期に対戦できた影響もあると思うが、各リバウンド項目の順位が上がっている。上位チーム相手にオフェンスリバウンドを取らせておらず、オフェンスリバウンド獲得率の差し引きでは+4.30%で1位の差を付けている。その部分は評価できる一方で、オフェンスリバウンドを与えていないにも関わらずセカンドチャンスからの失点が多いのは気になるところだ。
最後に。上位チーム相手との試合は3Qでめちゃくちゃ失速している。他のQに関してはリーグトップクラスの数値なのだが…魔の3Qにならないことを祈りたいbyブレックスファン。
選手スタッツ
3P成功率が高い選手が多く、特に日本人選手はアウェイよりもホームのほうが3P成功率が高い選手が多い。
個人的に気になる選手
【比江島 慎】
2シーズン前のCS MVP比江島が帰ってきた。今シーズンはニュービルと共存してWエースとして宇都宮の全体1位に貢献し、3シーズン連続で3P成功率は40%を超えて3P成功率ランキング1位に輝いた。ワールドカップから見始めた人は比江島=3Pのイメージが強いかもしれないが、彼の持ち味はやはりドライブ。前回優勝に導いた時もRSよりもドライブでアタックする機会が増え、CS平均18.7得点と比江島を止められる選手がいなかった。今回も同様の活躍を見せてくれると期待したい。
【D.J・ニュービル】
2度目のCS出場となるニュービルは、Bリーグで初めて2ヶ月連続で月間MVPを受賞するなど宇都宮に移籍しても抜群の存在感を見せている。攻めては圧倒的なスキルでアタックし理不尽な3Pを沈め、アシストで味方の3Pも演出。守っては河村、富樫、ビュフォードなど相手のエースを守り、攻守に大車輪の活躍を見せている。また、プレーだけでなくリーダーとして仲間に声をかけメンタル的にもブレックスに無くてはならない存在だ。ニュービルに対してハードに守ってくることがわかっている中でも決め切ることが出来るか、ニュービルが苦しんでいる時に仲間が助けられるか。助けることができるなら宇都宮はどこにも負けないと思う。
千葉ジェッツ
千葉ジェッツの特徴的なスタッツ
昨シーズン歴代最高勝率を叩き出した千葉Jの武器が3Pシュートであり、昨シーズンは成功数、試投数ともにリーグ1位だった。今シーズンも昨シーズン同様に3Pを多く打つチームなのだが、今シーズンは成功率が低く苦戦している。
2月のバイウィーク以降で見ると、この間3P成功率がワースト2位と苦しんでいるのが気になる。千葉JといえばEASLと天皇杯の2冠を獲得したが、それ故に試合数が増加し疲労の蓄積、怪我人の多さが終盤に来て出てきているのがプレーからも伺える。
ターンオーバーも昨シーズンと同様に少ないチームで、ディフェンスでは相手のターンオーバーを誘発し、そこの差し引きでポゼッションを増やしている。
昨シーズン最強だった千葉Jと比較した時に、はっきりと現れてしまっている部分が外国籍帰化アジア特別枠の得点だ。昨シーズンの4人が最強過ぎたから仕方がないとは思う。この部分で昨シーズンは相手よりも10点上回っていたのだが、今シーズンは4点のマイナス。その分富樫を中心に日本人選手が奮闘しているのだが、昨シーズンから14点の落差は大き過ぎるのが現実だ。
しかし、ムーニー、クックス、スミス3人揃って出場した試合に関しては昨シーズン同様の得点数を取れている点はお伝えしておきたい。あとは失点を減らせるかだ。
相手には3Pとペイント内のシュートをほとんど同じ割合で打たれているのだが、リーグ全体で見るとペイント内の試投割合が少なく、3Pの試投割合が多いチーム。3Pを高確率で決められてしまっているので、ここを抑えられていたらもう少し勝てていたと思う。一方で、ペイント内のシュート成功率は低く抑えられており、ブロックもリーグトップの成績。ただ、相手にフリースローを与えすぎてしまっている点は気になる。相手のフリースロー成功率が低いので助かってるが。
昨シーズンの千葉Jが強すぎてしまった分、厳しい書き方に見えてしまったかもしれない。最後にポジティブなスタッツを紹介しよう。千葉Jは後半に強い。後半の得点はリーグ2位で、後半の得失点はリーグ4位。上位3チームが勝率トップ3のA東京、三遠、宇都宮の順で、千葉J含め4チームのみ得失点で+4以上をマークしている。
シチュエーション別勝敗傾向
実はCSに進出したチームの中で前半終了時ビハインドだった試合が31試合と一番多いのが千葉J。前述の通り後半は強いので、いかに前半をうまく戦うかはCSで勝ち上がるために重要な部分になるだろう。
4月,5月の成績は怪我人の影響もありCS出場チームの中で唯一の負け越しになってしまった。
対勝率6割以上相手のスタッツ
千葉Jは3月が地獄の日程と言われていたが、2月のバイウィーク以降に上位チームと10試合行っている。ちょうどスミスが負傷離脱した時期とも重なり5試合欠場している。
千葉Jはオフェンスのチームと見られていると思うが、実は上位チーム相手にはオフェンスの方が苦労しており、ディフェンスでは健闘してる。QF相手はリーグトップのディフェンスチーム宇都宮なので、得点を重ねていけるか。
上位チーム相手との試合でも3Pを多く打ててはいるものの、3P成功率が30%を下回ってしまっているのは正直厳しい。個人で見ても3P成功率が一番高かったのが5試合しか出ていないスミスの40.91%で、次に高いのがインジュアリーリストに登録されているステフェンズの33.33%まで下がってしまう。
外国籍帰化アジア特別枠の得失点は、上位チーム相手でも失点はほぼほぼ変わってないものの、得点が落ちてしまっている。
特徴的なスタッツで紹介したディフェンススタッツを見てみると、実は上位チーム相手の方がシュート成功率を下げることに成功している。フリースローは与えすぎているものの、63.03%しか決められていなのならば目を瞑れると思う。
選手スタッツ
怪我人が多くいた中で若手の奮起が目立ったシーズンだと思う。小川や金近、終盤目覚ましい活躍を見せた内尾などXファクターになりうる選手が多くいる。
個人的に気になる選手
【富樫 勇樹】
千葉Jの絶対的エース富樫は、今シーズンは全コンペティション合わせると69試合に出場+日本代表の活動にも参加する常人を逸した存在。チームの状況が苦しい中でも、エースとしてキャプテンとしてチームを引っ張りCS出場に導いた。流石にシーズン終盤は疲労が見えていたのが数字にも出ているし、秋田戦GAME2では右膝の負傷も気になるところ。千葉Jの台所事情的にも富樫がオフェンスを動かし続けないとCSで勝ち上がっていくには厳しいと思うが、EASLと天皇杯を優勝した時のような大舞台での勝負強さは折り紙付きだ。
【原 修太】
昨シーズンはベストディフェンダーとベスト5を受賞しワールドカップ日本代表まで駆け上がった原だが、今シーズンは負傷に苦しみ34試合の出場に留まった。前述の通り宇都宮との試合でも3試合に欠場しているので、ポジティブに捉えると原が出場した宇都宮戦は1勝1敗に持ち込めている。出場した2試合ではオフボールからプレッシャーを掛け激しいディフェンスを見せていた。だが、オフェンス面ではあまり絡めていなかったので、富樫とともにアタックする機会が増えるのであれば宇都宮としてはかなり厄介だと思う。最終節は2試合とも25分以上出場しているのでCSの準備はできているだろう。
アルバルク東京
アルバルク東京の特徴的なスタッツ
東地区優勝を争った宇都宮とは真逆のオフェンススタイル。A東京はペイント内からの試投数、成功数が2番目に多いチーム。また、アタックするからフリースローも多く、フリースロー獲得率がリーグ1位だ。
もしかすると、ペイント内成功率を見て「意外とシュート成功率は高くないんだな」と思った人もいるかも知れない。そんなの関係ないのだ。A東京の一番の強みはセカンドチャンスからの得点である。入らなかったらオフェンスリバウンドを拾ってまた打てば良い、もしくはそのまま押し込めば良いのだ。
そして、相手にはオフェンスリバウンドはやらせない。オフェンスリバウンドを取らせないからセカンドチャンスからの失点も一番少ない。相手との差し引きで見ると、オフェンスリバウンド獲得率は相手よりも10%以上も上回っているのだ。2位の名古屋Dが+6.92%なので、どれだけオフェンスリバウンドで圧倒しているかがわかるだろう。
ディフェンスは昨シーズン同様に相手に絶対3P打たせないマン。リーグで一番3Pを打たせないチームであり、打たせたとしても成功率を低く抑えることが出来るのがA東京だ。
3Pを打たせないとなると必然的にペイント内のシュートが増えるのだが、A東京の強力なビッグマンの前では決めることは容易ではない。グダイティス中心にブロックもリーグ2位と多い。
シチュエーション別勝敗傾向
アウェイの勝率は断トツのリーグ1位なのだが、これにはからくりがある。A東京は中地区、西地区の各上位4チームの対戦のうちアウェイでやったのは中地区1位の三遠のみ。故に他地区の強豪とはほとんどホームでの対戦だったのだ。更に千葉Jとはホームで3試合行っているので、アウェイに下位チームが固まった。しかし、勝率5割未満のチーム相手には1つも取りこぼしてない点は素晴らしい。
成績がいいからこそ気になってしまうのが、先行されると勝率がかなり落ちてしまっていること。二桁ビハインドを負った試合の勝率は1勝11敗で勝率は1割にも満たず、CS出場チームの中では圧倒的に低い。また、接戦での成績も勝率8割のチームの割には正直あまり強くない。A東京はいかに主導権を握ってリードして試合を進められるかが重要になるだろう。
対勝率6割以上相手のスタッツ
時期的にはバランス良く上位チームと対戦してきた印象だが、当時西地区首位だった琉球、翌週には中地区優勝の三遠と対戦した2月が山場だったかもしれない。
A東京は上位チーム相手でも強固なディフェンスを披露し、オフェンス面の方が苦労していると言えるだろう。
特徴だったインサイド主体のオフェンスとフリースローだが、上位チーム相手だとペイント内のスタッツが軒並み下がっている。その影響もあってかフリースロー獲得率も5%以上も下がっている。
シーズン平均で圧倒的だったオフェンスリバウンド獲得率の部分だが、上位チームが相手になるとそこの差はかなり少なくなっている。しかし、セカンドチャンスからの得点もシーズン平均と変わらず取れているし、相手には取らせていなので、武器であるセカンドチャンスからの得点は上位チーム相手にも強い。
3P絶対打たせないディフェンスは上位チーム相手にもしっかり遂行できているが、三遠と宇都宮には3P成功率50%以上の高確率で決められている試合もあった。ちなみに、2月に対戦した琉球相手には2試合ともシーズン平均以下に抑えることが出来ていた。
選手スタッツ
今シーズンのA東京は選手の入れ替わりも多く、各々の役割がはっきりしている印象が強い。その中でも上位チーム相手になると日本人選手で二桁得点をしている選手がいないのが気になった。CSで平均二桁得点を取るような活躍を見せる日本人選手がでてくるのかにも注目したいし、特に以下の2人に注目。
個人的に気になる選手
【テーブス 海】
宇都宮で優勝した時以来のCS出場となるテーブス。宇都宮時代には2シーズン連続のファイナルを経験していて、25歳ながらA東京の中では経験がある選手だと言えるだろう。しかし、宇都宮時代は2ndユニットで流れを変えるような立ち位置だったので、エースPGとしてA東京を優勝に導くプレーを見せられるか。シーズンが進むにつれてプレータイムも増えており、クラッチシュートを任さたりもしているが、個人的にはPGとしてオフェンスを組み立ててゲームを掌握するようなパフォーマンスを期待している。
【安藤 周人】
ここ数シーズンのA東京の悔しさを知る漢の1人。今シーズンはハンドラーからシューターとしてコートを駆け回る役割に変わったが、当たり出したら止まらない恐ろしいシューターだ。成功率は下がっているが、2月のバイウィーク以降3P試投数が増えており、CSでも安藤に多く打たせるセットが見られるだろう。ビッグマンに3Pが無いA東京にとって安藤の3Pはオフェンスの鍵だと思う。安藤の3Pが入り出すと相乗効果で内外止められない状態になるので、対戦する琉球はいかに安藤に3Pを打たせないかが重要になる。
琉球ゴールデンキングス
琉球ゴールデンキングスの特徴的なスタッツ
昨シーズン優勝した琉球の圧倒的な強みがリバウンドの強さだったのだが、今シーズンは昨シーズンと比べてしまうと飛び抜けた存在ではないのが正直なところだ。オフェンスリバウンドは昨シーズンほどではないもののトップ3に入る強さがある一方で、ディフェンス面に関しては昨シーズンと比較して相手にオフェンスリバウンドを約3本多く取られているし、相手のオフェンスリバウンド獲得率で見ても昨シーズンから約5%上がってしまっている。クーリーはこれまで通りの活躍できていると思うので、怪我人の影響や外国籍がスモール気味になったことが影響していると感じる。
そんな琉球にとってカークが帰化したことは大きかった。帰化カークのプレータイムは20分には満たないが、リバウンド面での貢献は数値にも出ている。帰化カークがプレーした試合のオフェンスリバウンド獲得率37.85%は、1位の名古屋Dに匹敵する数値であり、セカンドチャンスからの得点15.26点は1位のA東京を上回る。相手のオフェンスリバウンド獲得率28.72%は4位相当の低さになる。上手にカークを使いたい。
ハーフコートオフェンス中心の琉球は、速攻からの得点が昨シーズン同様少ないが、インサイドを中心にしつつもバランス良く得点するチームと言えるだろう。今シーズンは日本人選手の得点と、平均二桁得点者数が2位と多く、いろんな選手が得点に絡んでいるチーム。にも関わらずアシストが少ないのは少し意外かもしれない。
2月のバイウィーク以降のスタッツを見てみると3Pの成功数が増えた影響もあってか、日本人選手の得点やベンチポイントも上昇しており、3Pを打つ過程でアシストも増えていると推測できる。
今シーズンのディフェンスは正直ずば抜けているわけではないがオフェンスよりも特徴がある。琉球は3Pを打たせず抑えて、現代バスケで非効率とされているペリメーターのシュートをリーグで一番打たせているチームだ。ただし、非効率と言いながらも5番目の高確率で決められてしまっている点は少し気になるだろうか。
また琉球は相手のアシストを許さないチームでもある。オフボールでの強度が高く、簡単にパスが回らないというシーンを想像できると思う。琉球と対戦する時には、そのプレッシャーを逆手に取ってカッティングなどを使っていけるかも鍵になりそうだ。
シチュエーション別勝敗傾向
今シーズンの琉球は接戦が多い印象があったのだが、2ポゼッション差決着の試合が24試合あり、これはリーグ最多である。それをリーグ3位の勝率.625を残しているのだから立派だ。
この図とは関係無いが、RS終盤に来て今シーズン初めて名古屋Dに節連敗をしてしまった影響も気になるところだ。GAME1の成績は14勝10敗で千葉Jと並んでCS出場チームの中でも低いチームで、4月,5月の成績6勝6敗はCS出場チームで千葉Jに次いで2番目に悪い。やはりEASLは大変なのだろうか。
対勝率6割以上相手のスタッツ
4月,5月の名古屋D戦3連敗と最終節広島戦1勝1敗の計1勝4敗のインパクトが正直強すぎる。シーズン中盤は勝率1位を争っていた宇都宮とA東京に互角の戦いをしていたと思うし、2月のバイウィーク明けの三遠戦には連勝した。天皇杯決勝で色々と狂ってしまった感が半端ない。
今シーズンの琉球はオフェンスのチームと言えるのだが、オフェンス面は上位チーム相手でもそれほど数値は変わっていない。だだ、ディフェンス面での数値が上がってしまい差し引きでマイナスになってしまっている。
オフェンスリバウンドに関しては上位チーム相手でも問題なく琉球は強い。クーリーがシーズン平均よりもプレータイムが減っているのに、上位チーム相手のほうがオフェンスリバウンドの数値が高いのも影響しているのかもしれない。相手のオフェンスリバウンドに関しても、シーズン平均同様にそれほど強くはないというのが正直なところだ。
シーズン平均と上位チーム相手を比べてもコンセプト通りのディフェンスが出来ていると感じるが、3P成功率35.89%で決められている点は気になった。試合ごとのスタッツを見てみると、上位チームとの対戦16試合中8試合で40%以上の成功率で3Pを決められていた。ちなみにそのうちの3試合は名古屋D戦だった。
選手スタッツ
千葉Jより試合数は少ないもののEASLと天皇杯を並行して戦ってきた琉球。やや疲れがあるようにも見えるが、97年組(牧、松脇、荒川)などセカンドユニットから出てくる日本人選手の成長が見られたシーズンだと思う。ネガティブな面で言えば、鳴り物入りで加入したローは最後まで馴染めずにここまで来てしまった印象もある。ペースの速い千葉Jと遅い琉球での難しさはあったのかも。ローの活躍もQFの命運を握りそうな予感。
個人的に気になる選手
【今村 佳太】
年々ハンドラーとしての成長を感じる日本代表候補の今村佳太。今シーズンはキャリアハイの平均13.38得点を記録し、CSではそれ以上の得点を期待されているだろう。地区優勝を逃してしまったラスト5試合中4試合で二桁得点をしたものの、なかなかシュート成功率は上がらなかった。しかし、連敗を止めた最終戦では効率的にシュートを沈めていたので、底を脱したと思いたいところだ。2月のA東京戦では2試合合計でFG4/24の16.17%に抑えられてしまっていたので、CSモードの今村佳太を見せてほしい。
【ジャック・クーリー】
琉球は一時期ビッグラインナップを長く試していたが、琉球の大黒柱はジャック・クーリーだと思う。リバウンド王は逃したものの圧倒的なリバウンド能力は今シーズンも健在で、オフェンスリバウンド4.59本は1位だ。クーリーがリバウンド最強のA東京相手にどれだけ戦えるかは間違いなくQFの鍵になるだろう。ちなみに、2月のA東京戦では2試合合計36分で8本のオフェンスリバウンドを獲得している。その時欠場していたグダイティスとの肉弾戦はめちゃくちゃ楽しみ。
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
名古屋ダイヤモンドドルフィンズの特徴的なスタッツ
いきなり弱点を紹介して申し訳無いが、今シーズンの名古屋Dの最大の弱点がターンオーバーである。CSに出場する他のチームはターンオーバーの数が全てトップハーフ(少ない方)の中で、名古屋Dは最下位を争うレベルだ。ワースト3が名古屋Dと降格した信州と富山なので、本来ならばCSに出れるようなレベルではないのだ。ターンオーバーが増えたことによりFGの試投数が昨シーズンよりも減っている。
しかし、名古屋Dには表裏一体の強みがあり、それがアシストの多さだ。このパスが通ったらイージー2、通らなかったらターンオーバーといったギャンブル気味のパスがあったり、カッティングも多いので、アシストもターンオーバーも増えていると感じる。もったいないパスミスやボールロストもあるのも事実だが、流動的なオフェンスが名古屋Dの魅力。ちなみに、ターンオーバーがリーグ平均の12.19以下だった試合は16勝3敗.842とやはり強い。
昨シーズンもオフェンスリバウンドは強かったのだが、逆に相手にもオフェンスリバウンドを取られていた。「得点もリバウンドも取られたらそれ以上取れば良いんだ!」の精神で圧倒的オフェンスリバウンド獲得率38.28%を記録し相手を上回る。全員がオフェンスリバウンドに飛び込むだけでなく、流動的なオフェンスでスイッチをさせてビッグマンとのミスマッチからオフェンスリバウンドを確保出来るのが名古屋Dだと思う。これをCSでも体現できたなら相手からすると厄介極まりないが、逆に相手にオフェンスリバウンドを許し続けると厳しくなりそうだ。
内外とバランス良くシュートを狙いつつも、3P成功率が高いところも名古屋Dの強み。5人が3P成功率37%以上で決めており、これはCS出場チームで最多だ(ILのフランクスも含む)。特に2月のバイウィーク以降は徐々に波に乗ってきてシーズン平均よりも高確率の状態でCSに入っていけるのはポジティブだろう。
今シーズンも名古屋Dはマンツーマンとゾーンを併用しながらディフェンスしていて、どちらかというと3Pを打たれる割合が多いチームだ。
ただ、自分たちのターンオーバーが増えたり、周りも慣れ始めて攻略されてきた影響もあってか相手のTOVやそこからの得点が減っている。
シチュエーション別勝敗傾向
実は今シーズンの名古屋Dは三遠と宇都宮に次いで、ホームで23勝7敗と強いチーム。なので西地区優勝してQFのホークコートアドバンテージを何としても欲しかったに違いない。
また島根、琉球、佐賀に6連勝でRSを終わり勢いそのままCSに挑めるのは良いと思うし、4月,5月の成績は10勝2敗で宇都宮と並んで1位の好成績だ。
対勝率6割以上相手のスタッツ
名古屋Dは宇都宮と三遠には連敗するも、琉球相手に4戦全勝したことで勝率6割以上の相手のとの成績をイーブンに戻した。
名古屋Dは得失点で見ると、得点が4点近く減っている。ただレーティングで見ると、オフェンスもディフェンスもどちらも同じくらい変動している。なので質的にはどちらかがめちゃくちゃ悪いというのは無い印象。
アシストは減っているが、上位チーム相手になるとターンオーバーは増えている。何故こんなにターンオーバーをしているのに上位チームにもイーブンなのだ…と正直思ってしまう。
オフェンスリバウンドはシーズン平均同様に上位チーム相手にも強いのだが、相手にも取られ過ぎている。オフェンスリバウンド獲得率での差し引きはプラスなのだが、オフェンスリバウンドとセカンドチャンスからの得点の差し引きはマイナスになっている。名古屋Dの場合はディフェンスリバウンドでいかに頑張れるかが特に重要になりそうだ。
「名古屋Dが上位チーム相手に勝ててる理由これだわ〜」なスタッツ。上位チーム相手になると3Pの試投数は減っているものの、シーズン平均の成功率とほとんど変わっていないので、成功数もほぼ同じ。一方ディフェンスでは相手に3Pをシーズン平均から2本以上多く打たれているのだが、成功率を30%未満に抑え込んでいる。3P成功率で6%の差を作れているのは大きい。
選手スタッツ
名古屋Dの日本人選手の選手層はリーグトップだと思う。誰かが負傷しても、同じバスケットを遂行できる選手が多く、今シーズンは佐藤が加わり張本も復帰したことでいろんな相手に対応できるのが強みだと思う。でも他のチームに比べるとやっぱりターンオーバーが多い。
個人的に気になる選手
【齋藤 拓実】
名古屋Dの絶対的司令塔の齋藤はCSに向けて一段ギアを上げた印象がある。西地区優勝に向けて負けられなかったRSラスト6試合のパフォーマンスは圧巻だった。エサトンとの2メンゲームは抜群の安定感で、スピードのミスマッチを使っては美しいフローターにステップバックにと多彩なオフェンスを披露。ターンオーバーは玉に瑕だが、佐賀戦GAME2のクラッチタイムでは『全部自分がやり切る』という気概を見れたような圧巻のスコアリング。ここ2シーズン不完全燃焼だったCSの鬱憤を晴らす時が来た。
【須田 侑太郎】
今シーズンはキャプテンとしてチームを引っ張った須田は、西地区優勝でQFをホームで開催できる恩恵を感じる選手の1人だろう。思い切りの良いシュートが持ち味の須田だが、3P成功率がホームでの試合では40.11%とシーズン平均よりも上がる。また、上位チームとの対戦にも滅法強く、勝率6割以上の相手にも41.41%で3Pを沈めている。ちなみに、須田の3P成功率が40%以上で決まった試合は24勝3敗とほとんど負けていない。相手からしたら絶対に乗せちゃいけない選手だ。
シーホース三河
シーホース三河の特徴的なスタッツ
今シーズンの三河は昨シーズンに比べ、ペイント内の得点割合が多く、現代バスケで非効率とされているペリメーターでの得点割合が少ない。リッチマンHCがNBAに長くいたことが影響しているのかもしれない。また、スペーシングを広く使って5アウトのオフェンスが主体で、広大なスペースのペイント内にアタックを仕掛けることが出来るので、ペイント内の成功率がリーグ1位と高い。ちなみに、ペイント内の成功率が60%を超えているのは三河のみだ。
三河は外国籍3人とアジア特別枠のイデソンの得点割合が多く、全体の67%を4人で得点している。一方で日本人選手の得点は26.52点と低く、実はリーグ最下位。外国籍選手3人とも個人能力が高いので外国籍選手たちの得点が多いことは想像できたが、日本人選手の得点がこれほど少ないのは個人的には意外だった。日本人選手の得点を上乗せできるかは、CSを勝ち上がる鍵になりそうな予感。
5アウトの影響もあり、オフェンスリバウンドが少ない三河。逆にディフェンス時は相手のオフェンスリバウンド獲得率を5番目に低い29.09%まで落としているので弱くはない。QFはオフェンスリバウンド獲得率リーグ1位の名古屋Dを相手にどれくらいやらせないかが間違いなく鍵になるだろう。ちなみに、1月対戦した時はGAME1が40.91%、GAME2が34.29%と平均以上に取られてしまっていた。
今シーズンの三河は守れるチームだ。だからこそCSの切符を手に入れることができたと言っても過言ではない。三河のディフェンスの特徴はペイントで絶対やらせない。一番ペイント内でシュートを打たせていないチームであり、前述の通りペイント内での得点が多い三河はペイント内で平均8点弱のプラスを作れていることになる。また、ペイント内を打たせない波及効果でフリースローもあまり与えていないチームでもある。
ペイントで絶対やらせない守り方をしているので、3Pを打たれる割合が多いのも三河のディフェンスの特徴である。打たれてる3P成功率を低く抑えられているからディフェンスが成り立っているとも言えるだろう。
これらのディフェンスの特徴から、相手のオフェンススタイルと相性の良いチームと悪いチームの差が激しいように感じる。例えば、インサイド主体のオフェンスのA東京には2試合ともロースコアの接戦を演じているが、3Pに強みがある三遠と宇都宮には3Pからの失点が増えて3連敗したことがあった。
シチュエーション別勝敗傾向
まず気になるのが接戦に弱いということ。1ポゼッション差決着の試合はB1で唯一勝ててないチームで、2ポゼッション決着の試合でもCSに出る8チームの中でも一番勝率が良くない。
あと興味深いのが、勝率5割以上の相手には負け越している一方で、勝率6割以上の相手にはは8勝6敗と勝ち越している。勝率6割以上を相手に勝ち越しているチームは宇都宮と三河の2チームのみなので、三河は刺さるチームには刺さるのだろうか。
あとGAME2の成績が13勝11敗でCS出場チームで一番低いのが気になった。
対勝率6割以上相手のスタッツ
三河は勝率6割以上のチーム相手に8勝6敗で勝ち越している2チームのうちのひとつなのだが、実は勝率5割以上の相手になると15勝19敗で負け越している特殊なチーム。主に同地区のSR渋谷と川崎に負け越したことが要因なのだが。。。
三河は上位チーム相手に一番ネットレーティングが良いチームになる。上位チームになると得点も失点もシーズン平均から落ちるのだが、三河の場合はオフェンス面が向上している。
上位チーム相手になるとペイント内の得点が増えているが、ペイント内の成功率がシーズン平均よりも上がっている。また打ちたくないペリメーターのシュートが減っている。
外国籍帰化アジア特別枠と日本人選手の得点バランスを見ても平均とほとんど変わらない。むしろ数値的には上がっている。オフェンスとしては良い感じでプレー出来ていそう。
リバウンドに関しては、相手のオフェンスリバウンドに関する数値が上がっているので要注意だ。特にQFの名古屋Dはオフェンスリバウンドが強いチームなので尚更だ。
ディフェンスもコンセプト通りに実行できている印象。ペイント内の守備はシーズン平均同様に堅いし、フリースローも与えていなかった。それによりペイント内での貯金も増えている。
どちらかというと3Pを打たせるのを許容しているチームなので、相手の3P関連のスタッツが上がっている。ただ、他のスタッツを見ても相手の3Pとオフェンスリバウンドの部分が変わっているだけで、全体的には上位チーム相手にも自分たちのバスケがやれていると感じる。
選手スタッツ
20-21シーズンに三河でCSに出場した選手は4人のみと、三河の変化を感じるロスターと言えるだろうか。勝率6割以上相手にも2Pを高確率で決めている外国籍選手頼もしい。
個人的に気になる選手
【西田 優大】
来シーズンの契約も早々に発表した三河の将来を担う日本人エースの西田優大は初めてのCS出場となる。シーズン前半は平均二桁得点に乗せ好調だったが、前述通り1月の愛知ダービーでの負傷で調子を落としてしまった印象。怪我から復帰後18試合で二桁得点が4試合のみとやや物足りないのが正直なところ。日本人選手が得点を上積み出来るかがCSで勝ち上がる鍵になると思うので、もう一度前回の愛知ダービーの時のような大爆発を見せてほしい。
【ダバンテ・ガードナー】
リッチマンHC体制になっても自慢の得点力を発揮しているガードナーは、ディフェンスも以前よりは頑張ってる印象。とは言っても持ち味はオフェンス能力であり、バックダウンからのアタックは1人で止められられる選手は未だ少ない。ダブルチームが来たらパスをさばけるし、小さい選手ならお構いなしに押し込んでくる。5番タイプの重い選手が止めに来るとポップアウトから容赦なく3Pを打てるのもガードナーの強みであり、アウェイでは3P成功率が43.62%と高確率で得点が伸びている。注意したいのが、絶対的存在が故ガードナー頼りになりすぎてしまうことが稀に見られること。そこをコントロールしつつ得点を分散させられたら、個人技の凄い選手が多いので三河のオフェンスを止めるのは難しくなるだろう。
三遠ネオフェニックス
三遠ネオフェニックスの特徴的なスタッツ
今シーズンの三遠は、これまで見せてきた大野HCのチームらしいハイペースなオフェンスを展開している。ペースがリーグ屈指の速さで平均得点はB1歴代最高の89.52点で、2位の千葉Jとは5点以上も離れていることからもどれだけ三遠のオフェンスが強烈かがわかるはずだ。その源でもあるのが、速攻からの得点であり、速攻からの得点の差し引きはリーグ1位。
FGの試投割合を見てみると、3Pとペイント内がほぼほぼ同じでバランス良くシュートを打っているのがわかるだろう。そして、どちらともリーグ屈指の高確率であり、eFG%はリーグ2位。どこからでも得点を取れるのが三遠だ。『B.WEEK!!リターンズ』の三遠特集を見て、個人としてもチームとしても得意な部分と苦手な部分を理解し合って、良い部分を強調できている結果が数字として現れているのだと感じた。
ペースが速くスペースを広く使ってアタックする三遠はフリースローも多いチームだ。ただし、6.48本とチームで一番フリースローを貰っているメイテンのフリースロー成功率が56.47%と低い点がやや気になる。
全体3位の勝率なのだからオフェンスだけでなくディフェンスも良い。特徴的なのは3Pを打たせずにペイント内で多くシュートを打たれているということ。敢えてペイント内でやられているというべきか。
お気づきの方もいるかも知れませんが、相手の3P成功率を抑えているトップ3が今シーズンの全体勝率トップ3です。
シチュエーション別勝敗傾向
三遠はQF、SFのホームコートアドバンテージを持っているが、今シーズンのホームでの成績が26勝4敗と宇都宮と同率1位で高いチーム。ホームでやれる恩恵は大きいだろう。また、三遠はGAME1の勝率が20勝4敗で1位なので、何が何でも先勝したいところだ。
気になる点で言えば、80得点以上取れたら9割弱の勝率を持っているが、80得点未満に抑え込まれてしまうと2勝7敗と苦しい。三遠に勝つにはロースコアゲームに持ち込めるかだ。
対勝率6割以上相手のスタッツ
三遠は11月バイウィーク明け~2月バイウィークの期間がリーグトップの勝率だったのだが、その期間に行われた上位チームとの試合でも良い成績を残している。2月のバイウィーク以降の対戦は、バイウィーク明け直後の琉球戦に連敗、消化試合だった最終節の三河に連敗で1勝4敗となっている。
三遠は上位チーム相手にもオフェンス面ではリーグトップのスタッツを残しており自分たちのバスケが出来ている印象。ディフェンスレーティングで8.36上がっているので、課題はどちらかというとディフェンスかもしれない。
高確率のシュート成功率は3Pは数値的には下がってしまっているものの、上位チーム相手にもトップクラスの順位。特にペイント内の成功率は61.61%とシーズン平均以上の高確率だ。また、フリースローに関してもシーズン平均同様にリーグ屈指。なお、フリースロー成功率は落ちている。
ディフェンスでの特徴的な部分を見てみると、3Pに関しては微増と言っても良いと思うが、ペイント内に関しては、シーズン平均と比べると成功率も上がっているし、ペイント内の失点は約4点増えてしまっている。
インサイド関連で見ると相手のオフェンスリバウンド関連のスタッツも良くない。外国籍がアンダーサイズ気味ではあるので仕方ないと思いつつ、優勝するには対策が必要な部分かもしれない。
選手スタッツ
平均得点が8点以上の選手が7人とリーグで一番多い三遠(IL登録の外国籍選手は除外)。各々に個性があり、それがみんなちゃんとスタッツに現れている。みんなアウェイよりホームのほうが得点期待値が高い。
個人的に気になる選手
【サーディ・ラベナ】
今や三遠で古株の部類に入るBリーグ最初のアジア特別枠サーディ・ラベナ。フィジカルを活かしたペイントアタックを中心に平均12.56得点はキャリアハイ、2Pの成功率は59.95%とペリメーターの選手ではニュービルに次ぐ高確率だ。また、ラベナの凄いところは勝率6割以上のCS出場レベルの相手に対してスタッツが上がっているところ。元々止めることが難しいペイントアタックだけでなく、3Pも40.00%で決められたお手上げ状態だろう。この活躍を初のCSの舞台でも見せつけることが出来るのか楽しみ。
【コティ・クラーク】
名古屋Dから移籍したクラークは、月間MVPも受賞するなどオールラウンドな活躍を見せている。特にホームでの試合の活躍は目覚ましく、3P成功率はアウェイと比べるとホームでは約10%アップの40.20%で決めている。名古屋D時代は、上位チーム相手だと対策されて得点が伸びずオフェンスで苦しんでしまい、サイズも201cmとインサイドの選手の中では大きくないのでディフェンスとリバウンドでイニシアチブを取られることが多かった印象が強かった。RS最終戦では欠場していたが、QF初戦からチームを牽引する活躍を期待したい。
広島ドラゴンフライズ
広島ドラゴンフライズの特徴的なスタッツ
今シーズンの広島は昨シーズンとは異なりディフェンスのチームだ。広島はどちらかというとペイント内でシュートを打たせないチームで、相手に3Pを打たせている傾向がある。そして、打たせている3Pの成功率をトップ5の低さに抑えている。更に2月バイウィーク以降はディフェンススタッツが向上しており、寺嶋が負傷離脱して厳しいと思われた中でもCSの椅子を勝ち取れた大きな理由がディフェンスだと言えるだろう。
そんな広島はフリースローを与えていない点も特徴で、相手のフリースロー成功数が平均二桁に乗っていないのは唯一広島のみだ。
広島はスティールが多く、奪ったターンオーバーからの得点が多い。逆に相手にはスティールされないのでターンオーバーからの失点も少ないという部分も特徴だろう。そこの部分で貯金を計算できるチームであり、2月のバイウィーク以降の21試合はスティール数が多く、ターンオーバーからの得失点で5点貯金を作っており、これらはリーグトップの数値だ。
ここまではディフェンスに触れてきたが、オフェンス面は昨シーズンほどではないもののシュート成功率はどの項目も上位をキープしている。
最後に広島はベンチポイントも多いことも特徴の1つだ。ベンチポイントが多いことが全て良いとは思わないが、ベンチから出てきて得点して空気を変えてくれるような存在がいることは良いことだと思う。
シチュエーション別勝敗傾向
特徴的なスタッツでも紹介した通り、2月のバイウィーク以降好調の広島は好調で、特に4月,5月は9勝3敗と宇都宮と名古屋Dに次ぐリーグ3位タイの好調のままアウェイのQFに乗り込む。
広島は前述の通りディフェンスのチームなので、失点が多くビハインドの展開になると苦しくなる傾向。
あと気になってしまうのが上位チームへの成績があまり良くないこと。今シーズン勝ち越しているチーム相手だけでなく、勝率6割以上の相手との成績もCS出場チームの中で一番悪い。ただ、RSラスト6試合のパフォーマンスを出来るのであれば、これまでの結果を無に出来ると思う。
対勝率6割以上相手のスタッツ
広島はシーズン中盤は上位チームが勢いに乗っていたということもあってなかなか勝てていなかった。2月のバイウィーク以降は名古屋Dに連勝したり、最終節琉球と接戦を演じ1勝1敗しているので、広島と対戦するとスタッツ以上に強敵感じるかもしれない。
今シーズンの広島はディフェンスが武器のチームだが、上位チーム相手になるとディフェンスレーティングがリーグ平均レベルに落ちてしまっている点が気になる。ただ、広島はラスト10試合辺りのパフォーマンスがすごく良かったので、その時期にやっていたらもう少し変わっていたかもしれない。
広島のディフェンスは、どちらかというとペイント内でシュートを打たせないで3Pを打たせている傾向があると紹介したが、上位チーム相手だとペイント内でやられている頻度が増えてしまっている。
相手に一番フリースローを与えていなかったチームだが、上位チームが相手になるとフリースローを与えている数が増えてしまっている点もやや気になるところ。
オフェンスでのシュート成功率はどうだろうか。ペイント内成功率は奮闘しているように感じるが、3P成功率は3%下がってボトムスに入ってしまっている。選手スタッツで確認すると3P成功率3位のメイヨが5%弱下がっているだけでなく、全体的に日本人選手が下がってた。QF対戦する三遠は3Pをやらせないチームだけに、日本人選手が3Pで貢献できるかも重要になりそうだ。
選手スタッツ
寺嶋が抜けてから中村が台頭してきたり、大学バスケが終わって加入した三谷など若手の活躍が目立つ。特に中村の躍動は目を見張るものがあるので、CSでも輝いてほしいところ。
個人的に気になる選手
【山崎 稜】
今シーズンから広島でプレーする山崎は18-19シーズン振りにCSの舞台に帰ってきた。今回のCSは以前とは違い、チームの主力選手として長い時間プレーすることになるだろう。キャリアハイのプレータイムと平均得点を記録したのだが、広島が好調だった2月のバイウィーク以降は山崎のスタッツも上がっている。プレーだけでなく、英語でコミュニケーションを取れるベテラン選手としてCSでもチームを引っ張ってほしい。
【ニック・メイヨ】
Bリーグ5シーズン目のメイヨは昨シーズンに続き2回目のCS出場になる。今シーズンも効率的に得点を伸ばし、内外バランス良く得点している。今シーズンは3P試投数も多く3P成功率は3位にランクイン、メイヨに3Pを打たせるセットもある。また、メイヨは広島のビッグラインナップにおいても重要な役割を担っていると思う。彼がいることにより、ビッグマンが3人いてもスペースを広く使うことが出来るし、ミスマッチになったら高確率で得点を決めてくれる。広島の外国籍選手はみんな強力だが、特にメイヨの多岐にわたるオフェンスの貢献には期待したい。
おわりに
読んでいただきありがとうございました!
良かった、面白かった、タメになった、参考になったと思いましたら、是非ともいいねや拡散していただけると嬉しいです。また引用リツイートで感想なども書いていただけると励みになりますし、参考にさせていただきます!すごく嬉しい。
最後に。文字数多くなってしまって申し訳ありません!どうしても量が多くなってしまう…このnoteに乗せるために作ったスタッツの画像は保存するなり、ツイートするなり常識の範囲内で自由に使っていただいて構いません。
泣いても笑っても残り最大9試合。60試合戦い抜いて手にした最高のステージを見届けましょう!仮に推しチームが優勝できなくても「ありがとう」「お疲れ様」と悔しいだろうけど言えるように精一杯応援して、優勝したチームには「おめでとう」「強かった」と讃えられたら良いですね。推しチームが優勝したら「おめでとう」「ありがとう」と胸を張って讃え、喜びを爆発させましょう。そう思えるような素晴らしいCSを期待しましょう!今のチームで戦える残りの試合を悔いなく楽しみましょう!怪我人無くベストを尽くせますように!
おまけ ~QFの結果予想~
宇都宮 2-0 千葉J
A東京 - 琉球はGAME1取ったほうの2-1
名古屋D 2-1 三河
三遠 2-0 広島
【有料部分】 CSに惜しくも届かなかったチームたち
今シーズンのCS争いは例年以上に激戦だったし、昨シーズンとは違ってたくさんのチームがCSを争っていて面白い試合が最後まで多かった。純粋にチーム数に対してポストシーズンに参加できる枠が少なすぎる。
有料部分は惜しくもCS進出を逃したSR渋谷、川崎、FE名古屋、島根、群馬の5チームをCS出場8チームと同様にまとめました。該当チームのブースターさんや気になる方だけでも読んで頂ければ!ローソンのアイスカフェラテを買える値段です。Twitterの拡散で安くなるっぽいので、そちらも合わせて利用して頂けたら。
▼以下のTweetをリツイートすると安くなるそうです
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