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糖尿病食にもちょい足し薬膳

糖尿病の食事療法にも薬膳の考えをプラスできたらもっといいかも!と思い、勉強を続けています。
今回は、糖尿病に良いとされる薬膳食材のお話です。

糖尿病におすすめの薬膳食材

前回、糖尿病に対して漢方でできることがあるかもしれないという記事を書きました。

何度も言いますが、私は糖尿病の食事療法の基本は現代栄養学だと思っています。五大栄養素のバランスやカロリー計算はやっぱり大事です。その中で、漢方で良いとされる食材を組み込んで献立を立てたら最強じゃない?!ってことなんです。
ではここから、薬膳のことをお話します。

漢方における「糖尿病の原因」とは

まずはおさらい。漢方で考える「糖尿病の原因」は次のようなものです。

気虚ききょ:「気」の不足により、体の様々な機能が低下している状態。
陰虚いんきょ:体内の潤いが不足して、乾燥しやすい状態。熱を帯びている。
瘀血おけつ:血の巡りが悪くなり、体に滞りが生じている状態。

このような状態が長く続くと糖尿病が起こると考えられています。


原因から導かれる糖尿病におすすめ食材

上記の状態を改善することで、体のバランスが整い、さらには糖尿病の症状も緩和すると考えられています。
それぞれの状態におすすめの食材を紹介したいと思います。

1. 「気」を補う食材
気力不足や疲労感がある場合は、「気」を補う食材を積極的に摂取することで、体力を回復させることができます。ただし、糖質を多く含むものもあるので、食べすぎには注意。いっぱい食べたら効くなんてことはないので、献立に組み込んで、適量食べることが大事です。

牛肉:補気作用があり、体力をつけるのに適している。
カツオ:腎の働きも補い、疲労回復にも良い。
山芋:消化器系をサポートし、エネルギーを補給する。
かぼちゃ:補気作用が強く、疲労回復に役立つ。
キャベツ:胃腸の働きを高め、気を補って元気にする。

例えば、山芋やかぼちゃは糖尿病の交換表でいえば「表1」のグループです。
1単位80kcal=ごはん50g=山芋70g=西洋かぼちゃ90g 
いつものごはんの量から、ひとくち減らして山芋やかぼちゃのおかずを小鉢1つ分くらい食べたらいいじゃない!ってことです。

交換表の詳しいことはこちらの記事を見てください↓


2. 陰を補う食材
糖尿病による乾燥感や熱感(喉の渇きや肌の乾燥)には「陰」を補うことが重要です。陰を補う食材は体に潤いを与えます。

白きくらげ:潤いを与え、体を冷ます働きがある。
小松菜:潤いを与えて体の熱を取り、コロコロ便の便秘にも良い。
豚肉:体を潤し、気血を補う作用もある。
黒ゴマ:肝臓と腎臓の働きを助け、潤いを補う。便秘の改善にも。
クコの実:肺に潤いを与え、喉の渇きを抑える効果が期待できる。

唐辛子やこしょうなどの香辛料をとりすぎると体をほてらせ、潤いを奪ってしまうので注意が必要です。


3. 血の質を良くする食材
血の質を良くすることで、血液の流れをスムーズにすることが期待されます。糖尿病の合併症を予防につながります。
血は陰に属するので、熱を上げないように涼性・平性の食材が良いそうです。

ほうれん草:血液を補い、体に潤いを与える。余分な熱を取り除く作用もある。
にんじん:肝の働きをサポート。貧血予防や目の不調にも良い。
イカ:血を補い体力を強化。イカ墨は血行を良くする。
タコ:気血を増やし、疲労回復や貧血にも良い。


4. 余分な熱を冷ます食材
糖尿病により体内に熱がこもりやすくなるため、余分な熱を冷ます食材を摂ることも心がけると良いです。

白菜:体の熱を冷まし、炎症を抑える。利尿作用や便通を良くする働きもあり。
セロリ:余分な熱を冷まし、のぼせや目の充血に良い。自律神経を整える働きも。
ゴーヤ:体を冷やし、解毒作用がある。血糖値を下げる効果が期待できる。
豆腐:体を潤して熱を取り除く。母乳の出を良くしたり解毒作用も期待できる。

これらの食材をバランスよく取り入れることで、糖尿病の管理や予防に役立つ薬膳料理を作ることができます。

ただし、薬膳も万能ではなく、これだけで糖尿病が良くなるものではありません。食べ過ぎると栄養が偏ったり、カロリーオーバーになって糖尿病が悪化することも考えられます。
また、ここにない食材だって、体に良いものはいっぱいあります。

やはり日々の食事療法を基本に、体調や季節も考えて、ちょい足し薬膳で養生していくのが良いかなと思います。
栄養って深い・・・



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