お盆には、蓮がオススメ🪷
今年もお盆の季節ですね。
(東京など地域によっては7月のところもあります。)
お盆は先祖の霊をお迎えし、亡くなった方の冥福を祈る行事です。お供えのお花というと菊を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、お盆には蓮がよく飾られます。
お盆のお供えをはじめ葬儀などの香典袋や喪中ハガキの絵柄などにもよく使われる蓮の花にはどういう意味があるのでしょうか。
ハスの花と仏教
蓮や睡蓮は【極楽浄土に咲くとして、最上の花】と
考えられており仏教のシンボルとされています。
阿弥陀経には、「池の中に蓮華あり、大きさ車輪の如し」と書かれ、「極楽には蓮の花が咲いている」という言い伝えがあります。
仏像やお墓の下には、蓮の花びらを模った台座が設置されているものがあり、「蓮華台(れんげだい)」と呼びます。蓮華台は、悟りの世界を表す仏像の台座です。花の下にある泥を「迷いの世界」、泥に汚れず咲く花を「悟りの世界」として、 仏像が悟りを開いた状態であることを意味します。
お墓に設置された蓮華台は、亡くなった人が蓮華の咲く浄土へ行ったことを表しており、無事に浄土へ着いてほしいといった思いが込められています。
お寺やお墓などで、蓮の花の絵や、蓮の花をモチーフにした飾りなどを見かけるのは、特別で神聖な花だったからなのです。
お盆も最上のお花でご先祖さまをお出迎えをするという意味で蓮を飾ります。
蓮の花とは?
中国から仏教の来伝とともに、「蓮華(レンゲ)」という言葉が入ってきました。
蓮華は「高貴な仏の悟り」という意味があり、仏祖であるお釈迦さまの故郷・インドでは「蓮華(レンゲ)」を「蓮(ハス)」「睡蓮(スイレン)」などの総称としていました。
それぞれの花の特徴について詳しく解説していきます。
【蓮は泥より出て泥に染まらず】
蓮は毎年7月から8月にかけて見頃を迎えます。
ドロドロとした泥の中から生まれながらも、すくっと真っ直ぐに伸び高貴な花を咲かせます。咲いた花は泥には染まらず、清浄でとても美しいです。
綺麗な水ではなく泥水の養分を吸ってこそ綺麗な花が咲くと言われています。【泥(困難や悲しみ)があればこそ、そこから立ち上がったあとには清らかな花(人生)がある】という意味のことわざです。
【蓮華の五徳】
仏教のシンボルの蓮には五つの徳が備わっています。生きている間に蓮華の五徳を実践すれば、
亡くなった後極楽浄土に生まれることができると言われています。
①淤泥不染の徳(おでいふぜんのとく)
泥の中で育ちますが、決して汚れることなく美しい花を見せてくれます。
人も同様に困難な状況下でも清らかな心を維持できることを表す言葉です。
②一茎一花の徳(いっけいいっかのとく)
蓮は1本の茎に1つの花を付けます。
自身がこの世に唯一の存在であることを示しています。唯一無二の自分自身を大切にしましょうという意味が込められています。
③花果同時の徳(かかどうじのとく)
通常植物は花が咲く時期と種ができる時期が異なりますが、蓮の花が開くと同時に種(果)もできているといわれています。人も誕生した瞬間から仏の心を備えていると言われています。もともと備わっている美しい心をさらに育てていきましょうという意味があります。
④一花多果の徳(いっかたかのとく)
蓮は1輪の花から多くの種を付ける性質を持ちます。種が新たな花を咲かせるように自分から悟りを開くことで、たくさんの人の幸福を引き寄せると考えられています。
⑤中虚外直の徳(ちゅうこげちょくのとく)
しっかりと根を張っている蓮ですが実は茎の中には複数の空洞があります。
弱々しく感じるかもしれませんが太陽に向かってまっすぐに伸びていきます。
「我先に」「私だけでいい」といった独占的な考えを空にし、しっかりと悟り(太陽)へ向かう努力をしましょうという意味が込められています。
こちらでもお盆について書いてます。
まとめ
泥の中から美しい花を咲かせる蓮は、仏教の教えに通じるものがあるとされ、さまざまな仏事に用いられています。お盆もその一つです。東京では、お盆が7月のため、切花が出回りお供えの束やアレンジに入れる事がありますが、近くの池にハスを観に行くのも良いですね。また、生花が難しい場合は、ハスをモチーフにしたものをお供えするのもおすすめです。
意味をわかってお飾りすると、ご先祖様もより喜んでくださる気がしますね。