見出し画像

お腹の脂肪を落とす薬でヤセる?【使う前の知識】

こんばんわ、最近10kg太ったケイタです。


ここ10年ちょっとで一気に漢方薬のダイエットブームが起きたの知ってますか?


本当に痩せるの?


使うとどんな仕組みで痩せるの?



自分はどれを使ったらいいの?



今日はこんな疑問を解決する解説です。


▼はじめに


以前、僕の店に若い女性が来ました。


「3日後にデートがあるので、5kg落とす薬ください!」


当然ありません。


基本的に「痩せる=身体の危機」なので、もしそんなものがあったら薬ではなく「ただの毒」です。


以下で紹介する漢方薬も、じっくりと取り組むものです。


短期間使って効かないからヤメ…とならないようにしてください。



▼漢方薬ダイエットブームの火付け役


今から15年くらい前、ある商品が発売されました。



ナイシトールです。


折しもメタボリックシンドロームという言葉が流行りだした頃。


よく覚えていますが、めちゃくちゃ売れました。


でもこれ、漢方薬なんです。


そして漢方薬という事は、昔からあるということ。


ナイシトールは『防風通聖散』という漢方薬です。


ネーミングセンスに長けている小林製薬が、防風通聖散を「ナイシトール」という商品名で出したんですね。


このヒットで漢方薬に独特の名前を付けて発売する流れができてしまいましたが、それはまた別の機会に。


ナイシトールのヒットを受けて、もともと防風通聖散を出していたカネボウ(現クラシエ)の「コッコアポ」も、仕方がなく「ダイエット」の効能を全面に出してリニューアル。


そしてロート製薬も負けじと「和漢箋」というシリーズで防風通聖散をダイエットの効能で発売。


各社から防風通聖散が入り乱れる事になります。


現在は行き着くところまで行って、法律上の最大濃度のものも発売しています。



…でも待って。


そもそも、防風通聖散って何なの???



本当に痩せるの?



他にも痩せる漢方ってないの?



▼防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)とは


防風通聖散は漢方薬なので、効能が法律で決まっています。


法律上の効能は以下の通り。

体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:
高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症


分かりやすくしますね。



高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、肥満症に効く漢方薬です。
ただし効きやすいのは、体力があって皮下脂肪が多く便秘がちな人。


漢方薬は「証」という、その薬が効きやすい身体の強さが決まっています。


この防風通聖散は「体力があって」とあるので『実証向け』の漢方です。


漢方薬の証に関しては以前の記事に詳しく記したので参照して下さい。

そう、虚弱体質の方には効きにくい漢方薬なんです。


さらには、この防風通聖散をナイシトールより前にメインで販売していたコッコアポは「便秘」を全面に出していました。


そう、下剤の漢方薬として親しまれていたんですね。


防風通聖散は

皮下脂肪が増えると便秘になりやすくなる
便秘になると皮下脂肪が増えやすくなる


この悪循環を断ち切る下剤なのです。


最近の研究で脂肪を分解する力もあると分かったようですが、自分の証をみてくださいね。


しかも効能に「皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症」とあるように、便秘でない人(お腹がゆるい人)が服用すると激しい腹痛を伴って下痢を起こす可能性があります。


ちなみに僕はナイシトール発売時に貰ったサンプルを服用し1日トイレで過ごしました、ええ、お腹が元々ゆるいんです。。。 苦しかった。。。


なので防風通聖散を使う方は『体力がある』『便秘気味』『皮下脂肪が多い』の3つを満たす必要があります。


大柄で便秘がちな脂肪太りの方は防風通聖散がオススメですね。


今日は先駆者に敬意を表して、シリーズで揃えられているコッコアポを紹介しておきます。


コッコアポシリーズだと「EX」が防風通聖散です。


そんなの当てはまらないよ!って方は以下の2つの漢方薬を紹介します。



▼防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)


防已黄耆湯の効能効果は

体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:
肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症( 筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)

となっています。


防風通聖散と違いますね。


こちらは虚弱体質で水太りの方向けです。


体力がない、汗かきで水をたくさん飲んでしまう…という柔らかい脂肪をもつ肥満の方は防已黄耆湯がオススメ。


こちらも下りますが、防風通聖散ほどではないです。


コッコアポシリーズだと「L」が防已黄耆湯。





▼大柴胡湯(だいさいことう)


続いて大柴胡湯。


これの効能効果は

体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの次の諸症:
胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症

こちらも証は防風通聖散と同じく実証向けの漢方です。


防風通聖散ほどお腹は下らないので、実証だけど便秘というほどでは…という方は防風通聖散より大柴胡湯を選びましょう。


ただし大柴胡湯が向いているのは「筋肉質な肥満」です。


コッコアポシリーズだと「G」が大柴胡湯です。



▼最後に


こういった薬を購入したお客様に「あまり効かなかった」と言われる事があります。


しかし「ちゃんと毎日1日3回服用しました?」と聞くと「飲んだり飲まなかったり…」と答えられる事がほとんどです。


その時の痛みを抑える鎮痛剤や、鼻水を止める鼻炎薬ならいいですが、こういった保健薬と言われるカテゴリーの薬は用法用量を守らないと効きません。


また、よく「お試し1週間分」という少容量タイプもありますが、これは1週間で効き目が出る(体重が減る)のではなく、「お腹が下る」事へのお試し期間だと思ってください。


最初に1週間分を使用し、体調と相談しながら「ちゃんと続ける覚悟」を持って大容量を購入してください。


身体に合うと思ったら、大容量を自宅用、1週間のパウチタイプを外出用で用意すると便利ですよ。


夏までもう少し。


気になる体重過多の改善の助けになれば何よりです。


ではまた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?