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サッカーゴルフと諸話

前回に続き、遊びの備忘録です。

僕は小学校高学年から中学生にかけて、サッカーゴルフという遊びをしていました。この遊びは名前の通りサッカーボールでゴルフをするという至って単純な内容の遊びです。しかしながら僕たちはサッカーゴルフを、飽きずに何度も何度も繰り返していました。今回はそんなサッカーゴルフを備忘録として文章に残そうと思います。


1.サッカーゴルフの発祥と思い出話

僕の母親はそこそこ教育熱心で、学校から帰宅した後宿題を終わらせなければ遊びに行かせてもらえませんでした。そのため遊ぶ約束をした友達は僕の宿題が終わるまで玄関前で待たなければなりませんでした。
その条件でも友達でいてくれた友達の一人が、サッカーゴルフの発案者であるNくんです。Nくんとは小学2年生の頃からの友達で、四年生の時に転校してしまいますが転校先が近かったこともあり週末にはよく遊んでいました。
そして小学6年生の夏、二人でサッカーボールを持って公園に行ったのですが、二人ではサッカーをしても楽しくありません。そこで近くのごみ捨て場からペットボトルを拾ってきてサッカーボールで倒す遊びをすることになりました。
これが意外にも楽しく、ペットボトルへの距離が少しずつ長くなり、ついには公園周りの道路を一週するようなコースで遊ぶようになりました。これがサッカーゴルフの始まりです。ただこの文章だけではどのような遊びなのかイメージがつかないと思うので、次の章でルールについて説明します。


2.サッカーゴルフのルールと遊び方

ここではサッカーゴルフのルールについて説明します。サッカーゴルフの基本的なルールはこの一つのみです。

・ボールをペットボトルに向けて蹴り、最初にペットボトルを倒した人の勝ち。

これだけです。ただ平等のためにいくつか工夫があるので実際の遊び方を説明していきます。

1.まず、スタート位置とゴールの位置を決めゴールにペットボトルを置きます。風で倒れるのを防ぐために半分ほど水を入れるのがおすすめです。

2.ゴールまでのルートを決めます。サッカーゴルフでは予め決められたルートに沿ってボールを蹴らなければなりません。僕たちは主に公園の周りの道路を半周したのち、公園を対角線に進みゴールを目指すルートで遊んでいました。

3.じゃんけんで順番を決めます。ボールが一つしかない前提なのでこの順にボールを蹴ります。ここが最もゴルフらしいところかもしれません。

4.スタート位置からルートに沿うようボールを蹴ります。ボールが止まったらその場所に目印として石を置きます。ボールは次の人へ渡し、次の人も同じようにルートに沿ってボールを蹴ります。公道を利用する場合、ボールがドブに落ちることもあります。その場合は落ちる直前の位置に石を置きます。
再び順番が回ってきたらボールを石のある場所に置き、ルートに沿って蹴ります。これを繰り返してボールをゴールへ運びます。

5.上にも記したとおり、一番最初にペットボトルを倒した人が優勝します、ただ、これだけではじゃんけんで勝った人が有利になってしまうため同じサイクル内(蹴った回数が同じ)で倒したら引き分けになります。

以上がサッカーゴルフのルールと遊び方です。コースによって差はありますが、30分ほどで勝負がつきます。

3.ボール遊び禁止令(諸話)

ここからはサッカーゴルフとは別の話です。
僕が中学生になった春、近所の公園(T公園)でボール遊びが禁止になりました。理由は「小さい子どもにあたると危険だから」。確かに理解できますが、“小さい子ども(の親)”と“ボール遊びをする子ども”との間で話し合いは行われなかったのでしょうか。当時の僕はまだ公園でボール遊びをしていましたが少なくとも僕は話し合いが行われたということを聞いていません。
そして市は勝手にボール遊び禁止の立て看板を設置しました。僕を含めT公園で遊んでいた性別も年齢もバラバラの仲間たちはボール遊び禁止に憤りを感じていました。市役所は子どもの意見を聴こうとしなかったのです。
しかし、子どもは大人が思っている以上に賢いです。小さな子どもがいる場合はボール遊びをやめ、日暮れが近づき小さな子どもとその親が帰った後でこっそりボール遊びをしていました。これはボール遊び禁止の意味を理解したうえでの反発です。このような新しい遊び様式が浸透して数年後、立て看板は撤去されていました。子どもは子どもなりに、T公園での遊びを守ったのです。
しかし、この些細な反発がなかったらどうなっていたのでしょう。今でも子どもの外遊びとしてボール遊びは主流です。最近は外遊びをする子どもの減少が問題となっていますがその原因の一つがボール遊び禁止令なのではないでしょうか。幸いにもT公園は子どもたちにとても好かれていたため、ボール遊び禁止令に対してどうにか解決策を見つけ出しました。しかし、中にはボール遊び禁止令によって子どもたちが集まらなくなった公園も存在すると思います。
もちろん、僕は「ボール遊び禁止令を出すな」と言っているわけではありません。ただ、子どもたちの意見を聞いてほしいのです。まだ幼い彼ら彼女らてすが、遊びに対してはしっかりとした意見を持っているはずです。「どうせ話し合ったところで意味がない」と切り捨てるのではなく、少しでも、子どもの意見に耳を傾けてほしいです。どうか、よろしくお願いします。

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