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【あか】レネ・ヴァイラーについて再確認(後編)

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4.スイス代表の監督最終候補、パナシナイコスなどからのオファー

スイス最大のタブロイド紙『ブリック』によれば、ヴァイラー氏は同国の代表監督最終候補に残っていたそうだ。結果として昨年8月にムラト・ヤキン氏が就任したことで話はなくなってしまったが、それ故にヴァイラー氏の行方は母国が注目していた。

さらにギリシャの名門パナシナイコスや、MLSなどからもオファーが届いていたというヴァイラー氏。引っ張りだこの中で極東の名門クラブを”選択した”のは何故なのか。

彼はニュルンベルク時代、ドイツ紙のインタビューで「エキゾチックなクラブにも魅力を感じている。サッカーだけの経験にしてしまったらもったいない。サッカーを通じて、人生を豊かにするための何かも得たいんだ」と語っている。

さらに『ブリック』紙によれば、彼は「生活の質」、「異国での新しい経験」、そして「質の高いサッカー」を基準にクラブを探していたらしい。サッカーだけでなく、人間としての”経験と成長”を求めた結果、日本サッカーの名門・鹿島アントラーズを選択した。

5.ピッチ内外での責任感と自立を要求

ここまでの印象で、冷徹な人という印象がついてしまったかもしれない。しかし彼は過去に「仕事で成功を収めるためには、人選が非常に重要だ」と語っている。

人選については「仕事をする上で、一緒に成長できる人々は欠かせない。ブレーキをかけられるような環境だと、自分自身の限界にぶつかってしまう」と、現代風でいう”意識高い系”な発言をしている。

選手については「選手にはピッチ内外での責任感と自立を要求する。そのためには、チームとして互いに助け合うことが大切だ。選手たちが自分の意見を口にできるよう声をかけている。結果、選手の考えを知ることができるし、彼らが責任感を持ってプレーすることにもつながる。私には“一緒に考えてくれる選手”が必要なんだ。

練習で、何度も、長時間中断するようなことはしたくはない。インテンシティと流れは重要なプロセスだから選手のためにアドバイスをすることもあるが、ピッチ上で最終的に決断するのは選手なんだ」と語っている。

ピッチ内外で”責任感と自立”を要求し、プロ意識の高さを重要視する発言に、「とても賢い監督。ペップ・グアルディオラのよう」という声が上がっている。

「常勝」を義務付けられたJリーグ最高品質の”意識高い系”クラブ・鹿島アントラーズにはぴったりの感覚かもしれない。

引用記事

『footballista』
鹿島の新監督レネ・ヴァイラーについて知っておきたい5つのこと
文・鈴木達朗氏

『Number』
鹿島の監督に就任したスイス人指揮官レネ・ヴァイラーってどんな人? 「ペップのようだ」と評されるその指導哲学とは
文・中野吉之伴氏

『Number』
“華麗なベルギーサッカー”は絶滅!?リーグ優勝クラブに見る最新事情。
文・ティエリー・マルシャン


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