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「また来るよ」を「また来たよ」にするための会話術(2)

前回の続きです。

前回の最後の3行から…

「良いサービスをして満足してもらえれば、きっとまた来店してくれる!」

これは今後も変わらない商売の真理ですが、お客様の記憶だけに過度な期待をすることは禁物です。

これからは「また来るよ」ではなく
再来店時の「また来たよ」までをサービスの目的にしていくべきなのです。

「また来たよ」のために必要なものは?

それは、お客様の情報です。これには大きく

①お客様の名前と住所
②メールアドレス
③LINEの登録

のいずれかが「また来るよ」を生み出すためには必要です。
(他にも自社アプリなどもありますが…ここでは割愛します)

これらがあれば、お店を出たお客様に対して

①であればDM(ダイレクトメール)
②・③であればメールや配信

でアプローチができます。

(前回の)記憶の話に戻りますが…

忘れること(忘却)には2種類あるといわれます。

それは、思い出すことが可能な「忘却」と思い出すことができない「完全忘却」の2つ。先ほどの「店を出たら3歩で忘れる」のは、この前者の「忘却」であり、「完全忘却」ではありません。

なにか、きっかけさえあれば、思い出してもらえるのです。

先の①~③のお客様の情報があれば、お店がそのきっかけをつくることができます。つまりこちらの意思で「また来たよ」を生み出すためには来店したお客様の情報を教えてもらうべきなのです。

言い換れば

「サービスの目的は満足の先にお客様の情報を得ること」

であり、そう理解できればサービスの目的意識が明確になります。

会話の基本は「声がけ」と「話しかけ」

では、具体的にお客様から情報を教えていただくために「どんなサービスをすればよいか?」といえば…それが会話なのです。

以前に「会話をしたか?しないか?」でお客様にご協力いただいたアンケート結果を比較したことがあります。

その結果、会話をしたお客様のアンケートのほうが情報(連絡先)の記入率は圧倒的に高いことが分かりました。

ということで

ここからその会話の基本について解説していきましょう。

会話には「声がけ」「話しかけ」の2つがあります。

その違いは「相手の返事を求めるかどうか?」
・声がけは返事を求めない
・話しかけは相手の返事を求める

これがそれぞれの特徴です。

来店~お帰りの間での、それぞれの使い方は

「声がけ→話しかけ→声がけ」のサンドイッチと覚えましょう。

最初の声がけで第一印象を良くします。

そして話しかけ、お客様の自己重要感(自分のことを見てくれている感情)を高めます。

最後の声がけでは良い印象のままで終える、そんな流れです。

このサンドイッチを意識せずに、いきなり返事を求めるような話しかけをしてしまうと「馴れ馴れしい」と思われてしまうかもしれません。

また声がけのみでだと「(自分のことを)見てくれていない」と思われてしまうかもしれません。

最初の声がけで相手の反応を見る

先ほどのサンドイッチにおいて、最初の(たとえば「いらっしゃいませ!」のような)声がけをした時のお客様の反応によって、次に

話しかけをするかどうか?

の判断をすることも有効です。

もし最初に笑顔で「いらっしゃいませ!」と声がけをしても、その反応が薄い、あるいはこっちを見てくれない、などの対応があれば、次の話しかけを控えても良いでしょう。

逆に、最初の「笑顔のいらっしゃいませ」に対して、ニコニコと笑顔を返してくれた時には、スムーズに次の話しかけへ進めることができます。

話しかけでは、相手が返答しやすい「ちょっとした質問」することです。

古今東西、この質問の代表は「天気(気温)」です。

暑いですねぇ」
冷えますねぇ」
蒸しますねぇ」
ですねぇ」
乾燥してますねぇ」
晴れましたね!」
すっきりしない天気ですねぇ」

こういった話しかけをすることで、相手が楽に返答できるように導くのです。

こうして会話というキャッチボールが始まります。

その後の

ご案内→ご注文→料理説明→料理提供→中間バッシング→食後のデザート

あたりまで進んで、それまでの会話が順調だったら、ここで鉄板のアンケートのお願いトークをします。

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「よろしければ、簡単なアンケートなのですがご協力いただけないでしょうか…?」(申し訳なさそうな表情で!)

それまで良い感じで会話のキャッチボールが続いていれば、ほぼ100%のお客様から「OK!」をいただけることでしょう。
(※私が保証します)

もし万が一、「NG」で断られたとしても、それはそれで何かしらの理由があってのことと納得もできるはずです。


こうして会話によって、お客様の連絡先をお聞きすることで「また来るよ」を「また来たよ」にしていけば、売上を安定させることができ、経営を安定させることができます。


なお、この会話術はテイクアウトなどでも応用可能能です。

声がけ→話しかけ→声がけ

サンドイッチの具(真ん中の話しかけ)のボリュームがだいぶ少なくなりはしますが、その分、気持ちと笑顔を込めて話しかけてください。


そしてテイクアウトにおいても、アンケートのお願いトークは全く同じです。

「よろしければ、簡単なアンケートなのですがご協力いただけないでしょうか…?」(申し訳なさそうな表情で!)

こうして集めたお客様の情報をまとめたものが顧客リストです。

顧客リストが経営の安定性の保証材料といっても良いでしょう。

ぜひこういった学びを深めることで、所属するお店を繁盛させてくださいね!

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