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結局勝てば官軍

皆さんこんばんは。

最近はスタートアップ段階での事業構築の注意点や、基本的なマーケティングの考え方などを、自身の経験を踏まえ具体例を出しながら発信しています。
ありがたい事に少しずついいねの数が増えたり、コメント頂いたりしておりますが、とりあえず当分は自分が書きたいテーマについて幅広く書いていけたらと思います。

今回はマーケティング手法である、プロダクトアウト&マーケットインについてのお話を簡潔にお話ししていこうと思います。
いわずもがなの基本的なマーケティングの概念ですが、最近石井さん(元P&G出身)のyoutubeを見て改めて復習したのでその備忘録としても残しておきます。

既にマーケティングをご存知の方、マーケターの方であれば当たり前の話にはなりますがもし良かったら最後までお付き合いください。


まず言葉の意味をご存知ない方のために簡潔に説明しますね。

プロダクトアウトとは、商品開発や生産、販売活動を行う上で、買い手(顧客)のニーズよりも企業側の理論を優先させることである。「作り手がいいと思うものを作る」「作ったものを売る」という考え方。

つまり自分が作りたいものを作って、売り方はその後考えたらええやん。です。

マーケットインとは、消費者のニーズを優先し、顧客視点で商品の企画・開発を行い提供していくことである。「顧客が望むものを作る」「売れるものだけを作り、提供する」という考え方。

つまり自分が作りたいものよりも、世の中で需要がありそうなものを作るのがマーケットインです。

ざっくりとしたプロダクトアウト、マーケットインの違い


では今世の中の時流としてどちらが主流かと言うと、大体マーケットインですかね。

高度経済成長期や物が不足していた時代であれば、とりあえず沢山作ればそれだけ売れる時代もありました。一昔前は全体的なモノが不足していたので、世の中においてあらゆるモノの需要が強かったため、プロダクトアウトで作って消費者のニーズに引っ掛かればバンバン売れたわけですね。

ただ今はその逆です。
このご時世、基本的なモノは全て世の中に揃い尽くしているので、だからどのジャンルにおいても等しく同じようなプロダクト・サービスが文字通り勢揃いしているわけです。
例えばアマゾンで「スリッパ」と検索すると、似たような有象無象の商品がゴロゴロと溢れかえります。日常雑貨だけでなく美容のコスメからスマホから車から家まで、機能としての若干の差はあれど、もはや大きな差はないわけです。

我々人間が生活する上での大きな不自由はほぼ無くなってきているので、企業が売り上げを出すには、このような中で、いかに他社ではなく自社の商品を選んでもらえるかどうか、という差別化が今は大事なんすね。


なぜ世の中の商品が似通ってくるかというと、企業が何かプロダクトを作ろうサービスを作ろうとした時に、企業側が市場を調べ、世の中の消費者のニーズやインサイトを調べます。
ですがどの企業も同じようマーケティング手法でニーズを掘り起こしをすると、同じようなデータが出揃うので、当たり前ですが同じような結果が出てくるので、その結果似たようなプロダクト・サービスが世の中に溢れかえるわけです。

ちなみになんですが、元々カーテンなど洗えないものを消臭できるものがあったらいいな、服が臭ったりするからその匂いを消すために生まれたのがいいなで生まれた消臭スプレーがファブリーズだそうです。

ただファブリーズとリセッシュの違いって分かります?

たぶんしっかりと違いを認識しているのはごくわずかではないでしょうか。

つまり、このように全メーカーが同じように消費者の声を拾った結果、同じような商品が生まれるのはごく自然の流れなんですね。


ただ一方で、世の中を変える発明やプロダクトを生んだ過去の偉人たちは全てプロダクトアウト型だそうです。

でも確かにそうですね。
車を作った人も飛行機もロケットを作った人も、iphoneですらそうです。

iPhoneが世の中に発表される前から、「iphoneが欲しい!」って人間は1人残らずいなかったはずです。
それを天才スティーブ・ジョブズが「俺はこれが作りたいから作るねん!」で生まれた商品ですしね。(もちろんマーケット調査はしていると思いますが)

プロダクトアウトで世の中に名を残した人たちは、みんな「あんなこっといいなできたらいいな」みたいなドラえもんの歌のような発想らしいですね。

顧客の問題課題を掘り起こして、それを解決する商品を作ろうじゃないんですよね。

少しここまで長くなりましたがまとめになります。
マーケットインですと市場の中で消費者の声を聞いてサービスを展開するので、大きな事故を追うリスクは下がりますが、一方で莫大な利益を生むことは難しくなります。
理由は前述した通り、ほとんどの消費者のニーズ・インサイトは似通っているので、それを掘り起こした結果プロダクト・サービスがコモディティ化します。


もし仮にあなたの目標が「世の中に革命的なイノベーションを起こしたい」や「一代で年商1000億以上の企業を作りたい」であれば、プロダクトアウトで今まで世の中に無かったモノ・サービスを市場にぶち込んで一気にシェアを拡大する。アップルのようにですね。


ただ個人的意見ですが、スタートアップの段階ではマーケットインの方が圧倒的に戦いやすいし、なにより事故る確率が減ります。リスクコントロールが効きます。
スタートアップ初期の段階では大企業のようにリソースも体力ないので、「作りたいものを作って売れませんでした」、「売れたけど市場に顧客が1人しかいませんでした」となれば一瞬で詰みます。

最近ずっとお伝えしてますが、売り上げも大切ですがリスクマネジメントも同じくらい大事なので、バランスを見ながら進めたらいいですね。

自分は過去にろくに市場調査をせず、テストもせずに感覚で支店展開した結果数ヶ月で撤退しました。
「自分の好きな店舗を作る」「作りたいものを作ってみる」「やりたい施策にお金かけてでも試してみる」「とりあえず沢山仕入れをする」などなど、何を試してもいいとは思いますが、中途半端に見切り発車で始めると、過去の自分のように大体事故る可能性が高いです。

今は相談されるたびに「まずはお金をかけないで小さくスタートしよう」とお話しします。
最初はなるべくコストとリスクをかけず負けない戦いををしながら、市場の反応を見ながら少しずつ積み上げるマーケットインを推奨しています。
まずはやりたいことをやるよりも、負けない戦い方を身につけることです。

地味な戦い方ですが、1番リスクが低いと思っています。

とは言え、結局事業自体が目標を達成さえすれば、手法はどうであれ勝てば官軍ですよね。

どちらの手法に善悪もないのですから、自分の好きな方法で事業を拡大できるといいと思います。
ただ取り返しの付かないようなリスクを取ると、市場から一発退場することになるので、事業を進める施策については十分に検討しましょう。

今回は以上です。

今日も読んでいただきありがとうございました^ ^

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