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他人の価値観の上書きという無駄な努力

前回のnoteでは、営業現場においては相手の価値観(前提)を教育し、こちらの価値観と合わせてもらう必要があるとお伝えしました。

矛盾するようですが、今回は従業員の育成という文脈では、従業員の価値観をあえて変える教育・努力はしないということについてお伝えしようと思います。


さっそく結論から理由を言うと、目的の違いです。


営業をする場合に価値観を教育する意図
としては、目的達成のために、相手にこちらの思った通り動いてもらうための仕掛けになります。

 分かりやすく保険営業の場合で例えると、
保険はもう少し後で入ろうと考えている人に対して、「 保険は早めに入っておいた方が実はお得なんだよ 」という価値観を、営業と顧客と揃えた上でプレゼンを行うとでプレゼンそのものが刺さりやすくなります。
そしてその結果として、買ってもらう確率を高める目的のために、価値観を揃えてもらうだけです。

つまり価値観を教育することで、目的達成の確率が高くなるので行います。


一方で、人を採用し育てる場合は価値観の教育や努力は行いません。
理由はシンプルで、職場において価値観を教育されると人は辞めていくからです。

※企業側が求めた業務を、滞りなく行ってくれている従業員という前提で書いています。

例えば、「成果を出すために毎日努力を惜しんではならない」「自分の頭で考えてさらに良くなるように工夫しなさい」「仕事が終わったら、もっと良くなるために営業のロープレをしなさい」「若手は誰よりも先に来て掃除、勉強をしなさい」などなど。

従業員にこのような価値観を教育しようした途端、受け手からは価値観の強要と捉えられます。

この瞬間、従業員の頭によぎるのはたった2文字、「退職」です。

特に社長やトップに近い役職などに近い価値観を、従業員に求めることは絶対にありません。求めた瞬間、せっかく入社してくれた優秀な人材を手放すことになります。

そもそもですが、採用した人の価値観をわざわざ教育し変化させることで、ようやく行動を促し、売上があがるビジネスモデル自体がしんどいわけです。
不必要な無駄な工数がかかり、特に事業をスケールしていく際にはブレーキになります。

従業員の価値観など関係なく、採用した人物にすでに企業が必要とする基本能力が備わっており、その能力を活かした形で、企業側が用意したマニュアルを行うだけで売上が立つような仕組み作りこそが一番大切ですね。

必要な業務すら行っていない従業員などは論外ですが、基本的に必要な仕事を滞りなく行ってくれる従業員は、育てるというより、実務を覚えて遂行してもらうと考えて事業モデルを設計した方がエラーは発生しにくくなります。


ちなみにそんな事言い出すと、「会社を引っ張っていくような人材が社内から居なくなるだろう」と言われそうです。

だから前もって区画を分けておく事が必要です。

分かりやすく言うと、今後事業を共に成長させていく為に中枢に入ってもらう人なのか、会社にとって都合の良い人間として、できるだけ長くいてもらって仕事をしてもらうのかですね。

前者と後者では、そもそも入り口(出会う場所)が違います。

例えば自分の場合、フロント活動として経営者の集まりや、野心的な人が集う場所で出会った、能力が高く実績もある価値観が合う人と事業をしています。

我々は、掲げた目標を実現する為になら、休みなく働くことに躊躇いがありません。きっと初期に出会い入社してくれたメンバーも、限りなく近い価値観を持っているはずです。

これが前者の、今後共に事業を盛り上げて成長していける人と出会う方法の1つです。

後者の、実務をこなす上で必要な能力をもった人を採用する場合は、求人媒体から募集をかけ選びます。

こうして入り口から区画を分けておく事で、無駄な工数と時間が減り、人が増えていっても事業が円滑に進みやすくなります。


では、もし仮に区画を分けたにも関わらず、期待以上の成果をだす従業員、想像以上の成長をしてくれた従業員がいた場合、については次回お伝えしようと思います。


今回は以上です。

今回も読んでいただきありがとうございました^ ^

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