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【元エンジニアが考える】エンジニアを採用できない状況を打破するヒント

こんにちは!
株式会社ダイレクトソーシングの馬場です。

新卒で日本アイ・ビー・エム テクニカル・ソリューション株式会社(現・日本アイ・ビー・エム株式会社)にITエンジニアとして入社し、その後プログラミングインストラクターを経て株式会社ダイレクトソーシングのカスタマーサクセス部に配属になりました。
現在はこれまでの経験や知見を活かし、主にエンジニア採用やコンサルティング業界を中心に採用支援をしています。また、副業としてプログラミングインストラクターとIT研修教材の開発も担当し、技術面においても常に学びを深める努力を続けています。

今日、1人のエンジニアを採用するために必要な工数は予測困難であり、多くの方が苦戦しているかもしれません。母集団を形成できない場合や、形成できても選考に進まない場合など、私もさまざまな企業様を支援する中で、エンジニア採用は容易ではないと日々感じています。  

正直に申し上げると、「この施策を取り入れればうまくいく!」という特効薬のようなものは存在しません。

しかし、候補者であるエンジニアの視点に立ち、さまざまな工夫を組み合わせることで採用の可能性を高めることはできます。  

今回は、「年収だけでは集まらない!エンジニア採用に求められるものとは?」というテーマで、現在のエンジニア採用の動向や、トレンドとなっているアプローチについてご紹介します。


1.エンジニア採用の情勢

転職求人倍率は9.83倍!超売り手市場

現在、日本の採用市場において、ITエンジニアは「需要数に対する供給量が追いついていない売り手市場」となっています。転職サイトdodaが今年6月15日に発表した独自調査では、2023年5月時点でのITエンジニアの転職求人倍率は9.83倍となっています※。

※doda 転職マーケットの”今”を知る!2023年6月15日発表 転職求人倍率レポート(2023年5月)

殺到するスカウト

エンジニア採用においてよく利用される「ダイレクトリクルーティング(スカウト経由での採用)」に焦点を当ててみると、1人の経験者エンジニアに対しては1日に膨大な数のスカウトが届いていると推測されます。  

その中で話題となるのは、「どのようにして開封してもらうか?」や「どのようにして返信をもらうか?」といったスカウトに特化したテクニックです。  

採用成功に向けては、候補者にアピールするための工夫が重要です。
さらに、最近ではスカウトだけでなく、さまざまな情報を開示することが求められる傾向にあります。

2.求められる「アプローチ」とは?

このような「超売り手市場」の中で、「エンジニア採用」においてキーポイントとなるアプローチについて紐解いていきましょう。

競合の求人と比較しよう

年収面は、エンジニアだけでなく他職種においても重要な指標の1つです。 

特にエンジニア採用においては、前職の年収を上回る年収を提示することがほぼ必須とされます。
競合他社の求人や自社がターゲットとする人材の年収レンジを調査し、適切な年収レンジを設定することが求められています。

年収だけでは集まらない

エンジニアを採用する時、提示する年収はもちろんのこと、最近では特に「自社に転職するメリット」についても訴求することが求められていると感じます。  
例えば、将来のキャリアパスはもちろんのこと、働き方や福利厚生など、候補者が転職することによって得られるメリットについて、競合他社と比較して訴求できているかどうかも勝敗を左右する要素と考えられます。

積極的に情報を発信しよう

では、このような「転職によって得られるメリット」に関して、どのようなアプローチが行われているのか見ていきましょう。

最近では、エンジニア専用の採用ホームページや技術ブログ等を開設し、エンジニアが転職を考えた時に必要とする情報を積極的に発信する企業が増えています。
もしも社内で他社にはない取り組みを行っているにも関わらず、候補者にそれが伝わっていない状況があるとするなら、非常にもったいないことですね。

実際にエンジニア目線に立って情報発信が行われていると感じた企業の例を紹介します。

STORES株式会社 Engineer Recruiting

1枚のエンジニア採用専用ページに、メッセージ、採用ピッチ資料、企業のミッション・バリューの紹介、使用している技術スタックの詳細など、エンジニアが転職を検討する際に役立つ情報が網羅されています。
特に自社のソフトウェア開発企業の場合、使用している技術スタックは候補者がマッチ・アンマッチを判断する上で重要な要素となるため、積極的に公開すると良いと考えられます。

株式会社KDDIエボルバ エンジニア採用

こちらのエンジニア採用サイトでは、プロジェクトの事例や働くメンバーのインタビュー記事が掲載されています。エンジニアの視点から見ると、特にシステムインテグレーション系の企業では、入社後にどのようなプロジェクトに携わり、どのようなメンバーと協力することになるのかが気になるでしょう。

開示可能な範囲でプロジェクトの事例やメンバーの声を発信することで、候補者の応募意欲を高めることができるかもしれません。
また、こちらの企業では「キャリア登録」というコーナーも設けられています。登録すると、エンジニア採用情報や最新のプロジェクト情報が登録者に届けられる仕組みです。

このように、自社に興味を持ったエンジニアに対して継続的に情報を発信することで、将来的な候補者とのつながりを築く取り組みが、現在様々な企業で導入されています。

株式会社ランドネット エンジニア採用特設ページ

こちらは非IT企業におけるエンジニア採用特設ページの例です。
エンジニア採用は既に困難な課題ですが、非IT企業においてはIT企業と比較するとさらに厳しい状況にあります。
この特設ページには、会社の特徴、魅力ある開発チーム、使用している技術スタック、福利厚生と働き方について簡潔にまとめられています。
また、年齢構成や入社経路などを数値や図を使って明示しており、キャリアステップについても詳しく説明されています。
エンジニアの視点からは、非IT企業におけるエンジニアの役割やキャリアパスに関心が高いでしょう。積極的な情報発信によって、エンジニアの関心を引く可能性が高まるかもしれません。

候補者体験を向上させよう

情報をキャッチし、自社に興味を持ってくれた候補者を逃さないためには、候補者体験を向上させることも重要です。私自身が様々な企業様をご支援する中で、「これはうまくいっている!」と感じた具体的な方法を2つ紹介します。

カジュアル面談

カジュアル面談とは、候補者と社員がカジュアルに対話し、候補者の経験や志向について聞き、逆に自社をアピールすることで相互理解を深める面談のことです。現在では、エンジニア採用に限らず、選考の前段階で候補者とのカジュアル面談を実施する企業が増えており、採用活動において普及している傾向にあります。

実際にカジュアル面談を上手に活用している企業様の例を紹介します。
この企業様では、VPoEやエンジニアリングマネージャーなど、ハイクラス層のカジュアル面談において、採用担当者ではなくその部門の責任者が担当しています。面談の中で、責任者レベルの視点から現在の部門の課題を共有し、さらにその課題解決に候補者の力が必要不可欠であることを強調し、応募意欲を引き出しています。

弊社のブログにおいて「カジュアル面談の質問集と伝えるべき内容」についての記事を作成しておりますので、もしよろしければご覧ください!

瞬時に面談・面接の日程を予約できるツール

選考過程において候補者・企業側双方が手間を感じる日程調整ですが、現在ではURLをクリックするだけで面談や面接の日程を選択できるツールがあります。 ダイレクト採用の場合、候補者へのスカウトメッセージにはカジュアル面談の日程調整用のURLを貼り付けて送信する企業もあります。 この方法を利用することで、候補者・企業双方の日程調整に関わる手間を削減できるので、双方にとってメリットのある効果的な手法と言えます。

余談になりますが、弊社ではこのような「候補者・企業双方の日程調整に関わる手間」を削減するため、採用に特化した日程調整ツール「Direct Scheduling」をリリースしました。
もしよろしければご覧ください!

3.まとめ

今回は、エンジニア採用において必要な取り組みについて紹介しました。
エンジニア採用市場は超売り手市場であり、現在では年収だけで候補者を集めることが難しくなっています。また、「この施策を取り入れればうまくいく!」という特効薬は存在しません。

このような状況の中で、候補者となるエンジニアが関心を持つ情報を積極的に発信するだけでなく、候補者の体験を向上させることも競争市場で成功するための重要な要素となります。

さまざまな手法を試行しながら、自社にとっての成功パターンを見つけて頂ければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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