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音楽ってなんだ?


別に隠していた訳では無いが
僕は幼稚園の頃から高校生の頃までバイオリンを弾いていた。

(ちなみに正式名称はヴァイオリンであるがここではバイオリンとさせてもらう。)


けっこう本格的にやっていて高校の頃は全国選抜なんかに選ばれたりしたこともあるレベルだった。

そんな僕だが1つ致命的な欠点があった

姿勢が悪いのだ


姿勢?どういうこと?

と思う方もいると思うがバイオリンやビオラ(正式名称ヴィオラ)などは姿勢というものがすごく大事なのだ。

大事とはいっても何が大事なのか、未だに僕は分かっていない。


姿勢を綺麗にしなさい。持ち方が、角度が、、
色々言われてきた。言われるがままに僕もしてきたが、なんで姿勢を良くするのだろうか。

そもそも僕らが奏でる音楽というものは耳で聞くものだ。目で聴くものでは無い。

バイオリンを何年もやってきた僕だから分かるが正直姿勢が綺麗でも汚くても音質などさほど変わりはない。
(あくまでも部活までしかバイオリンをやってこなかった僕の持論だが。)

確かにひどい姿勢の時もあった。これでは音が綺麗になるはずがない。そういうのは僕も直した。

でも明らかにそこまで綺麗にする必要ある?っていうことも多々あった。

なんなら自分の持ちやすいようにやった方がいいように力が入り、加減がしやすい時もある。


じゃあ見栄えのためなのか?
見栄えのためにしなきゃいけないのか?

それじゃあなんのための音楽なのか分からない。

音楽は音を楽しむものなのに。
視覚なんていらないのに。

多分耳で音楽を聴こうとしない奴らは僕の姿勢を見て「姿勢が悪い。何をしてきたんだ。」
とか言うのだろう。

違うんだよ。耳で聴いてくれよ。いい音してるからさ。

そんなことを思って部活をしてきた僕。
ずっとこのことを疑問に思っていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そして高校2年の12月、部活人生で最後の全国的なコンサート。その会場に僕はいた。

高校1年の時も選抜のオーケストラに選ばれていた僕は漏れず今年も選ばれていた。

1年の時は周りの目もあるしいつも以上の綺麗な姿勢で弾いてやった。周りの評価はそこそこだった。

だからこそ2年の今年は好き勝手弾いてやろうと心に決めていた。
どんなに批判されてもいい。どんなに馬鹿にされてもいい。自分のやりたい音楽をして終わらしてやろうと思った。

そして本番。僕は裏のプルト。プルトとはスポーツ的なポジションみたいなものだ。
オーケストラの席でいう客席側では無い方。ちょっと奥。客からは見づらい。思いっきり弾いてやろうと思っていた僕からすると最高の場所だった。

演奏が始まり、僕は思い切り弾いてやった。今までのストレスをぶちまけるように。あまりの楽しさに演奏中笑顔が止まらなかった。

演奏が終わり、客席に戻ると顧問にこう言われた。

「○○、動いてたねー!すごく目立ってたよ!」


なんか周りからもそんなことを言われた。

批判の目が好奇の目に変わった気がした。しかもいい方の好奇の目だ。

今まで怒られたことを全力しただけなのにそれが珍しがられた。才能みたいに言われた。

怒られとばかり思ってた僕はここでまた思った。

音楽ってなんだ?


未だにその答えは未解明のままである。

(2021.11.03 カラカラ山)

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