【移住に伴う悩み】車の運転と車選び
こんにちは。自動車ライター/インストラクター/ジャーナリスト/ドラマーの齊藤優太です。
今回は、地方移住に伴う悩みである「車の運転」と「車選び」について解説します。
車が必要ない居住地から車が必要な居住地に移住するとき、「車の運転が不安」という悩みを抱えていたり、「車が必要になるものの、どの車を選べばよいのかわからない」と困ったりしているときの参考にしてみてください。
【移住に伴う悩み・・・その1】車の運転
移住しようと思っても、車の運転が不安という方は多いのではないでしょうか。
普段から、車、電車、バス、タクシー、自転車など、さまざまな乗り物に乗っていれば、このような不安や心配をすることなく移住できるでしょう。
しかし、自宅から自転車で駅まで行って、電車で移動することが日常という人にとって、久しぶりの車の運転は恐怖しかありません。
このような、運転の悩みがある人、移住先での運転が心配な人は、移住する前に車の運転に慣れておく必要があります。
運転に慣れるためには、隣に誰かを乗せて運転のアドバイスを受けたり、教習所のペーパードライバー講習を受講したりするなど、実際に車を運転することが重要です。
ただ、実際に運転することに対して恐怖心があると、誰かに隣に乗ってもらうのを頼み辛かったり、教習所に行くのが億劫になったりします。
では、久しぶりに運転する人は、まず何から始めれば良いのでしょうか。
車に乗って見る
久しぶりに車の運転をしようと考え始めた時は、まず車に乗りましょう。
「車に乗ると言っても、乗らなきゃ始まらないんだから車に乗るのは当たり前だろ!」と思われるかもしれません。
確かに、ただ乗るだけでは意味がありません。
大切なのは、車の運転手の動きを観察するということです。
車の運転に慣れている人の助手席または助手席の後ろに乗れば、運転手がどのような場面でどのような操作をしているのか観察することができます。
そして、観察するだけでなく、なぜ今この場面でこの操作や動きをしたのか、自分ならどのように操作するのか、と考えることが重要です。
実際に道路を走行している車の運転手の動きや操作を観察していると、何となく漠然と「◯◯の時は◯◯している」と共通点が見えてきます。
例えば、すぐ先の信号が青から黄色に変わり赤になったとき、アクセルを踏み込むのをやめて、すぐにブレーキに足を載せ替え、ブレーキを踏むスタンバイをして、停止位置に合わせてブレーキの調整をする。
というように、運転に慣れている人は、先の交通状況に応じて次の一手の準備を早めに始めます。
一方、車の運転に慣れていない人は、先の交通状況を把握するのが遅れ、操作がギリギリになるというパターンが多いです。よく、教習所などで言われる「先や遠くを見なきゃダメですよ」というのは、先の交通状況を把握し、次に起こることを予測して早めに準備することができてないということを意味しています。
このような先読み能力を高めるためにも、車に乗って、運転に慣れている人の行動や操作を観察して、次の一手を予測するという練習をしておくと、実際に車を運転したときにもさまざまな対応ができるようになるでしょう。
また、車に乗って、運転に慣れている人の行動や操作を観察するというのは、普段運転しているものの運転が不慣れという人にも有効な方法です。
運転装置を操作してみる
慣れている人の行動や操作をたくさん観察しても、実際に運転するのは、運転をしたい/運転をしなければならないあなたです。
そこで次は、実際に運転装置を操作することに挑戦してみましょう。
ただ、運転装置の操作方法は、メーカーや車種などによって異なります。また、アクセルやブレーキのレスポンス(アクセルの反応やブレーキの効き具合など)もモデルによって違います。
そのため、一概に「◯◯なら大丈夫」という明確な答えはなく、車ごとに操作方法や各装置の調整量は異なるというのが答えです。
教習指導員の資格を持つ自動車ライター/インストラクター/ジャーナリストの私は、これまで仕事も含めて、さまざまな車に乗ってきました。
いろいろな車を運転する中で、重要だと感じたのは、「低」で初期の動作や効き始めを知ることがポイントということです。
ブレーキを踏んで停止している状態からブレーキを離したとき、AT車ならどのくらい進むのか、MT車ならブレーキホールド機能の有無やクラッチミート(クラッチが繋がり始める部分)する位置など、低速時の動き出しの挙動を慎重に行い特徴を掴みます。
走行状態から減速または停止するときは、ブレーキの効き始めがどこなのか、ブレーキペダルの踏み始めの部分に気を遣います。
ステアリングも同じく、切り始めの反応や曲がり具合などを確かめます。
このような「低」における挙動やレスポンスがわかると調整もスムーズになるでしょう。
◯◯になりそうだから✕✕する
運転初心者やペーパードライバー、運転が苦手な人に多いのは、「◯◯になりそう」とわかったときに行動・操作ができないということです。
これは、車に限った話ではありません。その他の乗り物や歩行しているときも、「◯◯になりそうだから✕✕する」ということはたくさんあるはずです。
例えば、歩道を歩いているときに、「正面から来た人とぶつかりそうだから事前に少し避けた位置を歩く」というように、「◯◯になりそうだから✕✕」するということは、日常的にしています。
この先を予測して次の行動を決めるということは、車の運転でも同じです。
ただし、ここでポイントとなるのは、先の交通状況を早めに認知しておくということです。
「認知・判断・操作」が大切と言われますが・・・
車の運転では、「認知・判断・操作」が大切だと教習所で習った方も多いでしょう。
確かに間違ってはいませんが、私は「認知・予測・判断・操作」の4段階が正しいのではないかと考えています。
また、これら4つの中で最も重要なのは「認知」だといえるでしょう。
例えを挙げるなら、歩きスマホがわかりやすい実例といえるでしょう。
歩きスマホをしていると、視野が数十センチ先のスマホまでになってしまいます。狭くなった視野で歩いているために、先の状況(迫りくる人や物など)が把握できず、人や物などにぶつかってしまうのです。
このように、歩きスマホは、認知ができていない/認知が遅れたために、予測・判断・操作ができなかったわかりやすい実例です。
認知ができないということは、この後に起きそうなことが予測できません。また、認知していればできたであろう複数の予測の中から最適な判断ができず、適切な操作が遅れます。
歩きスマホなら人や物にぶつかり、大きなケガを負うことは多くないですが、車の運転となると大事故です。
情報の取捨選択
認知が大切なのはおわかりいただけたかと思いますが、実際の交通場面では、車・バイク・自転車・歩行者・信号・標識・標示・自車の位置や速度など、さまざまな情報があります。
また、途絶えることなく連続的に変化するため、"ついさっき"と"今"では状況が変わっていることも日常茶飯事です。
つまり、交通状況の全てを一度に認識するのは無理ということです。
そこで大切になってくるのが、情報の取捨選択です。
必要な情報と不要な情報を瞬時に選別し、必要な情報を元に次に起こることを複数予測することがポイントとなります。
では、この情報の取捨選択の練習はどうするのか・・・
それが、最初に説明した「慣れている人の行動や操作を観察する」になるのです。
見て学び、実践して、再び見て学ぶ
ここまでの一連の流れをまとめると次のようになります。
1.車に乗って運転に慣れている人の行動や操作を観察する
2.実際に車に乗って車の運転感覚を掴む
3.この後に起こりそうなことを予測できるようにする
4.どうすればいいのかわからなくなったら運転に慣れている人の行動や操作を観察する
ここまでを何度が繰り返したら、近所のコンビニまで車で行ったり、ガソリンスタンドに給油しに行ったりしてみるとよいでしょう。
駐車は前進より難しい
実際の運転では駐車場にバックで止めたり、後退で車を出したりしなければならないことがあります。
車の後退は、多くの方が苦労するように、前進より難しいです。
例えば、歩行者として道を歩く時、後退で歩く人はいますか?ほとんどいないでしょう。
では、もし「後退で歩いてください」と言われ、後退で歩いても、前進と同じように進むのはほとんどできないでしょう。
人間は、前進で歩くことに慣れていますが、後退で歩く機会はほとんどありません。つまり、後退そのものに慣れていないということなのです。車の駐車は、人が後退で歩くのに慣れていないのと同じように非常に難しく苦労することなのです。
車での後退をマスターしたいときは、まず後退で歩いて行きたい場所に行けるかやってみましょう。
おそらく、右後方・左後方を頻繁に見ながら後退して行きたい場所に行けるよう歩き方や歩く速さを調整するのではないでしょうか。
車の後退も同じで、左右の後方を頻繁に確認しながら、速度調整やステアリング操作をして、目標の場所に車を移動させます。
言葉で言うのは簡単ですが、車は人の体と長さ・幅が全く違います。そのため、バック・後退は非常に難しいのです。
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【移住に伴う悩み・・・その2】車選び
移住する前に車の運転ができるようになっても、車を手に入れたり、移住先の環境に合わせて乗り換えたり、移住先まで持っていかなければならなかったりします。
ここでは、移住に伴い、新たに車を手に入れたり、移住先の環境に合わせて車を乗り換えたりするときのコツを紹介します。
移住先の環境を知る
まず、移住先の環境を知りましょう。
雪が降る場所・地域なのか、雨の時に道が冠水しやすいか、舗装されている道路のみでの生活なのか、砂利道など悪路の走行をすることがあるのかなど、環境を知ることが大切です。
つまり、移住先の1年の気候の変化や生活環境の道路がどのような道になっているのか知ることが重要ということになります。
また、生活でよく使う道路の幅がどのくらいなのか、バス通りなのかということを確認しておくもポイントとなります。
日頃の乗車人数と家族構成
車を頻繁に使う場合、日頃の乗車人数が何人くらいになるのかしっかりと考えましょう。通勤や通学、買い物や送迎がメインであれば、運転手と乗員1〜3人の合計4人が乗れれば十分でしょう。
休日のドライブや買い出し、アウトドアなどにも利用する場合には、家族全員が乗れることが条件になることが多いため、家族構成に合わせた車選びをすることが大切です。
駆動方式と重心の高さによる特性を見抜く
場所や地域によっては、1年間の路面状況の変化が激しく、気温が低い日には路面凍結や積雪・降雪し、気温が高いときには猛暑になることがあるでしょう。
路面状況の変化が激しい場所や地域に移住する時は、4つのタイヤが駆動する4WD(四輪駆動/AWD)がオススメです。もし、どうしても2WDでなければならない事情があるときはFF(前輪駆動)を選びましょう。
雪が降る地域で運転ができなくなる車は、後輪駆動車(FRやRR)です。後輪駆動車で雪道を走るとどのようになるのかは、コチラのテスト映像を見ればわかるのではないでしょうか。
こちらの映像は、日産 GT-Rの開発チームが実際に行ったテストの映像です。
条件をフェアにするため、同じ銘柄のタイヤ、同じ条件の雪道でテストしています。
四輪駆動で重心が低いGT-Rは、登り坂での発進やカーブなどあらゆる場面で安定した走行をしています。
四輪駆動であるものの重心が高いFXは、瞬間的なもたつきや重心が高いことによる遠心力の影響を受けていることが映像で確認できるでしょう。
後輪駆動車は、登り坂を登ることができず、高い速度でカーブを曲がるのが難しいことがわかります。
このように駆動方式と重心の高さで顕著な違いが現れることから、車を選ぶ時は駆動方式や重心の高さによる特性の違いを理解して車選びをしたり、運転したりすることが大切です。
車は現地調査をもとに選ぶ
ここまで解説してきたように、「居住地域の環境」を確かめ、「乗車予定人数」を考えた車選びをし、「駆動方式と重心の高さによる特性」を理解して運転することが、現地で求められるでしょう。
また、ここにいくつかオススメの車を掲載することもできますが、必ずしも万人に合うわけではないため、あえて掲載しません。
では、どのようにして車を選べば良いのでしょうか。
それは、実際に現地でどのような車が走っているか見て、それらの車に共通することは何なのかを見抜き、自分のライフスタイルに合った車をチョイスすることです。
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移住に伴う悩みを解決するヒントとなれば幸いです
ここまで、移住に伴う悩みとして挙げられる「車の運転」と「車選び」について解説してきました。
必ずしもここ記載していることが全て正しいというわけではありませんが、少しでも参考になれば幸いです。