今年もまた、花火をやりそびれたまま夏が終わる
札幌市出身の人間なので、夏休みはいつも8月20日前後に明けていたわけだけど、それでも8月31日が夏の終わりのイメージ。大人になってからというものの「子どもの頃に、長期休暇中の宿題をコツコツとやれていたか」みたいな話題が、このくらいの時期になると上がるようになった。ちなみに私は宿題を毎年、始業式まで約1週間前を切ったタイミングで焦って終わらせていた。
大人になった現在も、そのあたりの良くない癖はしっかりと残っていて、仕事をはじめとする「やらなきゃいけないこと」をそういうやり方でしか処理できないし、していない。もっと余裕をもって行動のできる人間になりたい、と思ってはいるが、思うだけで全くといっていいほど改善されていない。とはいえ、宿題に手をつけずにやり過ごすような子ども時代を経て大人になってしまう、なんてことにならなくて良かったなあ、とも思っている。
9歳か10歳の頃、祖父母宅で夏休み最終日を過ごしていたとき、夕方の時点で宿題の8割が終わっていないことが露呈し、祖父母にこっぴどく叱られたことがあった。必死こいて夜中の0時過ぎに半ば無理矢理終わらせて、元教師の祖父には「こういうことを繰り返したくなかったら、来年以降はもう少し計画性を持つように」と諭され、ぐうの音も出なかった。今からしてみれば、当時70代のご老人である祖父母を巻き込んで、夜中まで宿題に付き合わせるなんて、とんでもない親不孝、ならぬ祖父母不孝である。
先日、お盆で祖父母に会った際に近況報告をすると「いつまでそんな瘋癲のような生活をしてるんだ」と顔をしかめられた。返す言葉が見つからない。
今年の札幌は歴史的酷暑でしっかり夏バテしてしまったり、そうでなくとも何かとてんやわんやしているうちに8月31日になってしまった。大通公園のビアガーデンは行きそびれ、山にも海にも行かず、部屋は窓を開けても風が入らず、蒸し暑さに拍車がかかる異常な暑さに体力も気力も奪われているうちに、気づけばもう9月だ。
このまましばらく残暑が続くのかと思いきや、札幌はどうやらそんなことはないらしい。きっと今年も、暑いかと思いきや少し寒い、寒いかと思いきや少し暑い、を行ったり来たりしているうちに、雪景色に移り変わってゆくのだろう。
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