統合失調症青春狂騒回想録発症後編 6

　空調設備の仕事はキツくなってきた。羽田空港の管制塔の5階まではエレベーター、それより上10階活性炭という、20〜30キロのフィルターを運びセットしたり、野村証券ビルで、ガラス管を使ったフィルターをセットするのだが、全身チクチク痛んだり、NECビルの空調室に真夏、手違いで二時間くらい閉じ込められたり、溜池山王のビルや新橋のビルなどなど千葉の空調屋の下請けになったときは、サッカー選手ばりに走ってフィルターの取り付けをしていた。
　また、川崎の味の素、赤坂のTBS、銀座三越、新宿NSビル、遠いところでは群馬や箱根、伊豆、岩手などなど、とにかく仲間うちが助けてくれたのでメンタル的に弱っても、なんとかなった。
　19歳のh君という太田区の不良のナンバー2が、キティーちゃんのサンダルで入ってきたのもこの頃である。h君は先輩にもらったというインパラというアメ車に乗るチカーノというアメリカのメキシカンのつくる音楽が好きなローライダーだった。一時的にf君と一緒にmedia関係に勤めていたm君が空調をやることになる。h君は浜で跳ねてたら、女の子乗って来ましたよという、バリバリ、大学に行くようなインテリとは違う遊びをしていた。m君がこの頃、TVでやってた亀田三兄弟の亀田にh君勝てる？と聴いたら、h君はモノ使えばと答えていた。
　中央大学の人妻キラーのtnが空調設備に来たのもこの頃である。ある日m君とtn君とn先輩と社長で車で出張に出かけるとき、m君がtn君は猪八戒、n先輩は沙悟浄、sxmoooは悟空だ！と言い、n先輩が、じゃあ、mは三蔵法師じゃねーか？！と言ったのを覚えている。m君は背中まで髪を伸ばすヒッピースタイルだったのだが、太田区の銭湯に何人かで行くと、地元のオッチャンがなんで女が男湯入ってんだ？！と言っていた。この頃m君とtn君の影響で村上龍を読み出す。半島を出よhttps://amzn.to/3wFqfVOと5分後の世界https://amzn.to/4avO14uが最初だったと思う。