Dr kenken:医師・研究者・投資家

医師・研究者・投資家。”誰もが投資家だ”をコンセプトに、情報発信。 仕事は、臨床、研究…

Dr kenken:医師・研究者・投資家

医師・研究者・投資家。”誰もが投資家だ”をコンセプトに、情報発信。 仕事は、臨床、研究開発。 趣味は、投資。 興味があることは、テクノロジー、旅、人間。

最近の記事

SBG 2022 Q1 決算

2021/8/10 SBGの2021Q1決算が発表されました。 事前アナリスト予想ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は、純損益1745億円の赤字となるなど報道ありましたが、蓋を開けてみれば、7615億円の黒字となりました。前期比は39%減となりましたが、前期比は1兆1000億円程度のTモバイル、スプリント合併に伴う一時益があったためです。これを差し引くと、今回の黒字は良好な成績と言えるのではないでしょうか。ただ、今回は6月末までの成績なので、7月以降の中国株急落の部

    • SBG 2021年3月期 第3四半期 決算

      SoftBankとは? 恒例の謎掛けから始まった、SBGの決算発表ですが、今回は、SoftBankとは?という問い掛けでした。 そして、今回、孫氏が出した解答がSoftBank=金の卵の製造業というものでした。金の卵を生むガチョウの話は、7つの習慣(スティーブン・コヴィー著)に出てきます。それとは何か関係あるのでしょうか。 決算 20年度Q1-3で3兆552億円の純利益、もちろんファンドなので未実現利益含むですが、相当の巨額になっています。 気になるのはNAVがわずか

      • ソフトバンクグループ自己株式取得状況2020/12/31

        ソフトバンクグループ(SBG)の株式を戦略に取り入れていく中で、重要なのは2020年3月に開始された自己株式の取得です。当初資産4.5兆円分の現金化が発表され、それに従い、SBKK、Sprint、Armの株式の売却などが行われました。その結果、当初の4.5兆円を大きく上回る額を現金化しており、それらの一部を用い、自己株式取得や負債の圧縮を行なっています。 以下は、2020年に発表されたソフトバンクグループの自己株式取得状況です。 2020年3月13日に決議された5000億

        • Fruit Street Healthの資金調達手法

          オンラインで糖尿病予防プログラムを提供する米国のスタートアップ、Fruit Street Healthが2020年3月に1700万ドルの資金調達を行いました。同社は現在、5500万ドルの評価を受けています。同社の名前の由来は、最初の投資家を見つけたマサチューセッツ総合病院の住所から来ています。 医師が投資家Fruit Street Healthの投資モデルは、市場に出回っている無数の遠隔医療企業とは一線を画しています。Fruit Street Healthは、ベンチャーキャ

          Zoomの今後の株価は

          Zoomの評価 Covid-19とそれに伴うロックダウンにより、Zoomのビデオ会議システムは在宅で仕事をしたり学習したりする人々にとって不可欠なツールとなりました。Zoomの株式(NASDAQ: ZM)は、今年は6倍に上昇しています。Zoomの時価総額は現在1200億ドルを超え、IBMやボーイングよりも評価されています。現在、Zoom の株価は、2021 年のコンセンサス EPS 約 170 倍、売上高約 50 倍となっています。確かに、Zoom はパンデミックの影響で驚

          エムスリー 2021年3月期 第2四半期決算

          2020/10/30に発表されたエムスリーの2021年3月期 第2四半期決算です。 営業利益 営業利益は44%伸びています。なお、2021年3月期の業績予想は開示していません。 セグメント別 メディカルプラットフォームでは、国内における、「m3.com」を核としたインターネットとリアルオペレーションを活用した各種マーケティング関連事業を行っています。 エビデンスソリューションでは、臨床試験等(治験、大規模臨床研究等)の業務支援事業、治験実施医療機関における治験業務全般

          エムスリー 2021年3月期 第2四半期決算

          メドレーとケアネット 2020年12月期 第3四半期決算短信 比較

          同時期にメドレーとケアネットどちらも2020年12月期第3四半期決算ありましたので、比較します。 メドレー 営業利益が26.4%の伸び。 業績予想は115%〜311%の伸び。 2019年のセグメント別 2020年のセグメント別 人材プラットフォームは堅調な伸びですが、コロナの影響でも医療プラットフォームは期待ほどは伸びていません。 ケアネット 営業利益は159%の伸び。 業績予想は114%の伸び。 2019年のセグメント別 2020年のセグメント別 医

          メドレーとケアネット 2020年12月期 第3四半期決算短信 比較

          SBG 2021年3月期 第2四半期 決算

          SBGが11/9に2021年3月期 第2四半期決算を発表しました。内容としては、これまでと同様のAI革命を主導する孫氏の従来通りの方針が踏襲されたものとなっています。また、業績も株式市場の安定とともに回復していますが、アリババ一辺倒のNAVの比重の偏りが今後のリスクと言えそうです。 決算 純利益は大幅に改善し、SVFの累計投資損益も前決算発表でほぼプラスマイナスゼロだったのが、1兆3901億円の黒字となっています(ただしこれは未実現利益を含みます)。 NAV 続いて

          SBG 2021年3月期 第2四半期 決算

          PalantirのIPO

          Palantir(パランティア)が、9月30日のNYSE(ニューヨーク証券取引所)にダイレクトリスティングで、上場しました(ティッカーシンボル「PLTR」)。ブルームバーグ集計のデータによると、パランティアの取引終了時の時価総額は約157億ドル(約1兆6600億円)となっています。 以前にもご紹介した通り、 https://note.com/drkts/n/nbcd9510cb7b5 パランティアは、Peter Thielが、2004年にシリコンバレーのパロアルトで設立

          ソフトバンクG 2020年3月期決算

          ソフトバンクGが5/20に3月期決算を発表しました。内容としては、特に目新しいことはなかったですが、孫氏の言葉で、現状の把握と、将来の予測が語られたことは、大いに参考になることが多いです。全体としては、コロナウイルスの影響で、事業には大きく逆風が吹いているものの、現状はそこまでリスクは高くない状態、ただこの先の影響は読めないため、4兆5千億円の資産売却を進め、守りの姿勢に徹するというメッセージでした。 すでに報告されているように、営業利益は1兆3646億円の赤字、純利益は9

          ソフトバンクG 2020年3月期決算

          ソフトバンクG、4月の自社株買いは2346億円

          (Bloombergより) ソフトバンクGは4月、2346億円(株数は5392万8800株)の自社株買いを行いました。5000億円の上限金額に対する累計進捗(しんちょく)率は50.1%でした。 4/14頃から自社株買いが増えているので、だいたい4000円ほどで購入しているのでしょうか。資産売却による原資捻出によるプラスの2兆円分の自社株買いにも期待です。 来週5/18は決算発表を行います。この未曾有のコロナ危機に対して、孫社長がどのような発言をするのか、注目していま

          ソフトバンクG、4月の自社株買いは2346億円

          失敗薬を生かすRoivant Sciencesの戦略

          Roivant Sciencesは独特のビジネスモデルを持つ製薬企業です。同社は他の製薬会社が臨床試験に失敗した新薬候補を分析し、有望なものを譲り受けます。データ分析などの新たな手法によって、もともとの適用とは異なる新たな効能を見つけ出し製品化することを目指します。ソフトバンク・ビジョン・ファンドは2017年にRoivantに11億ドルの投資をしました。 創業者 Vivek Ramaswamy ハーバード大学で生物学を学び生物学の学士号を取得(最終的にはイェール大学でJ.

          失敗薬を生かすRoivant Sciencesの戦略

          Paytmとインドのキャッシュレス決済争い

          Paytmはインドのモバイル決済プラットフォームで、Pay Through Mobileの略です。提供している企業は、One97 Communications Limitedで、2010年に設立されました。2019年11月にシリーズGラウンドでアリババグループの金融サービス会社「アント・フィナンシャル」や「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」などから合計10億ドル(約1065億円)を調達しており、資金調達後の評価額は約160億ドル(約1兆7000億円)という規模ににな

          Paytmとインドのキャッシュレス決済争い

          COVID-19の影響下でCoupangの躍進

          韓国の電子商取引の巨人Coupangは、当日翌日配送(ロケットデリバリー)が大好評で、コロナウイルスに覆われた韓国の中でも最大の勝者となっています。韓国が1月下旬にコロナウイルス感染を報告し始めてから、Coupangでの1日の注文量が平均300万件に達したと報じられており、これはウイルス発生前の2倍以上となっています。 Coupangの2019年度決算ロケットデリバリーサービスの拡大と顧客数の増加により、Coupangは2019年の連結ベースの売上高が前年比64.2%増の7

          COVID-19の影響下でCoupangの躍進

          アメリカの医療システムとCollective Health

          Collective Health(カリフォルニア)は、企業やスタートアップ向けの、これまでの医療保険の代替となるサービスを提供している企業です。統合されたオンラインプラットフォームにより、従業員のヘルスケアを簡素化し、雇用主のコストを下げます。Collective Healthは、顧客体験に焦点を当てて保険業界を再構築できるソフトウェアプラットフォームを構築した企業と言えます。ソフトバンクビジョンファンドも出資をしています。同社は、全米でさまざまな業界の45社以上の企業顧客

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          10X Genomicsとシングルセル解析

          10x Genonmics社(カリフォルニア)は、世界のトップ100の研究機関の中の96機関、世界のトップ20の製薬会社の19社を含む世界中の研究者に採用されている、シングルセル解析分野のトップメーカーです。主な用途は生物・医学研究です。Serge Saxonov、Ben Hindson、Kevin Nessによって2012年に設立されました。ソフトバンクGも投資している企業です。 10x GenomicsのCofounderでCEOのSerge Saxonov氏は、同社の

          10X Genomicsとシングルセル解析