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PalantirのIPO

Palantir(パランティア)が、9月30日のNYSE(ニューヨーク証券取引所)にダイレクトリスティングで、上場しました(ティッカーシンボル「PLTR」)。ブルームバーグ集計のデータによると、パランティアの取引終了時の時価総額は約157億ドル(約1兆6600億円)となっています。

以前にもご紹介した通り、

https://note.com/drkts/n/nbcd9510cb7b5

パランティアは、Peter Thielが、2004年にシリコンバレーのパロアルトで設立しました。その後本社は、デンバーに移っています。ビッグデータやデータマイニングブームの一翼を担っている企業です。

IPOの背景

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もともと、パランティアにとって、顧客リストやあらゆるレベルの透明性は、会社の核心的な目的に反していました。それにもかかわらず、今やパランティアはIPOをし、より多くの商業的な企業を取り込みたいと考えています。これは、AIが直接の競争相手となる前に、同事業を確実に浸透させたいと考えているからです。

また、大統領選で、トランプ再選が不透明になっている中、トランプと関係が近いティールは、IPOを急いだという背景もあります。なぜなら、パランティアの顧客の大部分を政府関係が占めているからです。

財務情報

今まで一度も利益を出したことがありません。
2019年の収益:7億4,200万ドル、前年比25%増
2019年の純損失:5.8億ドル、前年とほぼ同額
2020年上半期の収益:4億8,120万ドル、前年同期比49%増
2020年上半期の損失:1億6470万ドル、前年同期比41%減
2021年度に+30%の売上高成長を見込みます。

2020年上半期の顧客数:150カ国以上で125社
2019年の売上高に占める上位3顧客の割合は28%
アクセス可能な市場の総計は1,190億ドルと推定。

株式には、Aクラス、Bクラス、Fクラスの3種類の普通株式、3つのクラスがあります。Aクラスは1票、Bクラスは10票、Fクラスは49.99%の議決権を保有します。Fクラスは創業者のためのもので、常に50%弱の議決権を保持します。カープ、ティール、スティーブン・コーエンの3人は、6人で構成されるPalantirの取締役会の半分を占め、クラスFの全株式を所有し、CEO、会長、社長の3つの最も強力な席にそれぞれ座っています。このような企業統治が、今後、物議を醸して出す可能性も否定できません。

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