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タチヨミ「コーヒーを飲みながら⑲

「コーヒーを飲みながら」第1巻 第4章《未来へ》未来のカタチ


中略

 
土を掘って作る動物の巣穴は、中はきっと丸い。木のうろに住む昆虫の巣もきっと丸い。卵も丸くて、星も丸い。円い花も、丸い実も中心があり最初の一か所から始まって成長するから円や球の形が多いのだろう。でも、それだけだろうか。蜂がハニカム構造を偶然作ったように森羅万象は一番良い形を示しているのではないか。
 
中略

三月、東日本を大震災が襲った。地震の規模は大きく、震源が海底であったこと、三陸地方の地形などの条件が重なり、所によっては30メートルを超える大津波が、町と、生活と、たくさんの命を奪った。四角い家は津波の力を受けやすく、弱かった。自然は突然その力を思い知らせ、古来、人は、あらゆる自然災害と戦ってきた。もし今後、津波に備えるなら人は、さらに進化した防波堤、つまり波と戦う防波堤を作ることが一番に予想される。
 今までは戦ってきたが、ちょっと待って。生き物たちの自然と仲良くするための気の遠くなるような年月の試行錯誤は、その姿に表わされているから
海のそばで生きるには、海を真似てみて海藻の代わりにしなる木、例えば竹を海藻に見立てて、建物は魚のような形にするのはいかがだろう。風と違い波は必ず海からやってくる。魚や貝のような流線形の建物で 波をすこしはかわすことができないか。自然の中には球形が多いのはなぜか。それは大切なことかもしれない。形を変えることで未来が変わるかもしれない。
夢を見よう。そこから現実が産声を上げる。
 それでは、コーヒーを飲みながら沈黙を祈りに代えて。



「コーヒーを飲みながら」第1巻 第4章《未来へ》未来のカタチ より一部抜粋。
2021年8月に自費出版いたしました。コチラから購入できるようになっています。よろしければ、ご覧ください。

                             星原理沙



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