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75.忘れるということ

宿敵「エゴ」君を仲間にとりいれ、自己否定という砂山を掘り起こし、自己愛という泉にたどり着いた私。

サイレント直後、嵐の中にずぶ濡れで立ちすくんでいたような状態からは、ずいぶんと楽になってきました。
ずーっと彼のことが頭から離れなかったり、突然沸き起こってくる感情に圧倒されて、苦しむ時間がずいぶんと減り、日々の生活を楽しむ余裕が出てきたのです。

なんだったら、時々忘れているくらい。

ちなみに、苦しいからといって、彼のことを無理やり忘れようとすると、パッと目に入った活字や、テレビのニュースで、彼と同じ名前の人が出てきて、思い出させられたりします(笑)。

苦しみから、逃がしてくれない。私のハイヤーの技。
「そういえば、忘れてた」ってくらいがちょうどいいのでしょうね。

てっきり、「彼に、忘れられたら悲しい」と思っていたけれど、実際は、私が彼を、本当に、忘れそうになると、連絡してしまいます。

そんなことしたら、嫌われるってわかっているのに。

私が彼を思い出せなくなったら、2人の思い出や、愛しあっていた事実も消えてしまいそうで、不安になります。
エゴ君が「本当に、忘れていいの?」って聞きに来てくれます。

「そうね。まだ、もう少し覚えていたいかな。」

もしかしたら、亡くなる前って、愛してくれた人よりも、自分が愛した人の顔が浮かぶのかもしれないですね。

I love you.

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