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#10”普通の家の子じゃない”という呪縛を受けた児童の体験。とはいえ、普通って正直在るようで無いモノだなぁと思ってます。不利な事はあるかもだけど、最終自分次第!大丈夫。問題無し!(貧困幼少期からNPO代表理事までを振り返る)

母と一緒にゆっくり過ごせる喜び

引越しによって通勤が厳しく、妊娠時から続けていた仕事を、やむを得ず辞める事にした母。
隣はヤクザですが、学校から帰ったら部屋に母がいる。
その暮らしは、とても嬉しかったです。

小学1年での転校になりしましたが、離れた場所から来たことと、転校生という事で珍しがってもらい、束の間のスター気分を味合わせていただきました。

その中でお父さんがいないことを話す機会がありました。

「お父さんは離婚していないねん」
『離婚ってテレビドラマみたい!!かっこいいなぁ』

母子家庭支援施設では、離婚っていう言葉は当たり前で、それを言って驚かれることもないので、驚いてもらえるエピソードであることの優越感が心を埋めていました。

(いいだろうッ!離婚しているんだぞっ)

ーーー
近所からの苦情で家のお風呂はお蔵入りしたため、銭湯通いに戻りました。

お風呂がお蔵入りした理由はこちらを

風呂上りにぽかぽかの体で、母と手をつなぎながら、薄暗い街灯で人が歩いていない道を歩いていました。

「お母さん!今日な、学校でお友達に離婚のこと言ったらな、ドラマみたいでかっこいいなぁっていわれてん!」

(かっこいいって言われたんやで!すごいやろ?嬉しい??)


・・・・・(沈黙)・・・・・


(あれっ?かっこいいっていわれたのに、反応ないなぁ・・・・)

無言のまま何歩か足が進んだ中でポツリと母が・・・

『あんな・・、いうとくわ。離婚はな、かっこいい事じゃないんや。
あんたは知らんから言うたんやと思うけど、離婚の事はもう言うたらあかんで。施設(母子家庭支援施設)に住んでたこともいうたらあかん。
何も知らんってバカにされるし、恥かくで。』

!?


「なんで?!なんで馬鹿にされるん?かっこいいって言われたんやで?ドラマみたいって」

『あんな、離婚は普通じゃないねん。お父さんがいないことは普通じゃないねん。せやからな、あんたは普通の家の子じゃないねん。お友達と同じようにできると思ったらあかんねんで。』

普通家の子じゃないという言葉の意味はずっと理解できませんでした。

そもそも父が居なくなったのではなく、元々居た時を知らないのです。
私にとっての暮らしは父がいない暮らしが普通なわけで、何が普通じゃないのか?どう普通じゃないのか。なぜそれを隠さなければならないのか?

小学校1年生にはわからなかったけれど、その後、片親だから・・という世間の目が向けられる事で知る事になりました。

片親の子供は、不良になりやすいという思い込みの世間の目。

『あのこ、お父さんがいない家の子らしいわ。だから・・(ひそひそ)』
『お母さんが、あそんだらあかんっていわはった。』
『母子家庭の家の子って、ちょっとね~』
『あの家がどうではないけど、やっぱりちょっと問題がありえるよね』

(お父さんがいないことも、お母さんが離婚したことも、
 私がした事じゃないのに、なんでこんな言われなあかんねん。
 大体、うちが母子家庭、あんたらに何の迷惑かけたんや・・(悲))

言わなければよかったと母の言葉の意味を理解しました。
人は一度知ってしまうと、知らない時には戻せないのです。

世間の偏見、思い込みで目を向けられることを通じて、のちにわからんくせにと怒りの感情へと変化していくことになります。

「普通の家の子じゃない」という言葉の呪いは、社会人でもずっと心の中にあって、自分が何かをするときに諦める理由になっていました。

(私は普通の家の子じゃないから、普通のことは望んだらあかんのや)

呪いから少し目覚めたのは20代の時のある社長さんの一言。
「私、母子家庭なんで・・・」
『何言うてんの?もう社会人やで。
子供やったらそれいうたらいいけど、もう何でも自分で出来る年やんか

あっ!確かに!
私ったら・・・
恥ずかしいと気づかせて頂きました。
いつまでも子供時代の自分の
イメージで生きていたのです。

(参考)ひとり親の犯罪発生は多いのか?

ひとり親家庭における非行問題の一考察 : 統計デ ータから父子家庭に焦点をあてた検討/岡田 豊さん

ひとり親家庭における非行問題の一考察(岡田豊さん)の論文の研究内に犯罪補導発生率が書いてありました。
このデータにおいては、家庭環境の影響は否定できない結果になっています。
ただし、いえることは、ひとり親家庭=不良になるではないのです。
思い込みで見ることは可能性をゆがませてしまうと考えます。

(参考)母子家庭の子供は就職に不利だった就職差別があった過去

今においても就職差別をするとその企業が問われますが、大学の就職のパンフレットには「就職差別をされた体験談」ということがありました。
母もずっと「身辺調査されたりすることがある」といっていて、なんで仕事するのに身辺調査がいるねん…と思っていました。
とっても怯えて面接をすることになりましたが、母子家庭と伝えた会社からも内定をもらえました。

ひとり家庭だと不利だと思う事は沢山あるかもしれないけれど、大切なことは家族がどうかではありません。
あなたがどういう人生を送ってきて、これからどう送ろうとしているかです。

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ささいなことで人生は変わると信じています。
それは、人生の大きな決断の手前にあるキッカケになるのではないかと。節目を思い出すと決断の前には、ささいなキッカケがあったからです。見て下さったあなたの何かのキッカケになればと思って綴っています。
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