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DREAM SALVAGE

夢を見た事はあるか。 眠りに就き、夢を見ていた事を覚えているか。 眠りの中で、夢の中で、それを現実と思い生活していた事を覚えているか。 眠りから目覚め、その記憶が瞬く間に失われて行く感覚を知っているか。 どんなに鮮明だった夢の記憶も、目が覚め時が経てば曖昧に消えてしまう。 あなたは幽かな記憶の残滓を頼りに、失いかけた夢の記憶を復元しようと試みる。 SALVAGE YOUR DREAM SQUARE TAROT 夢の内容を思い出す為のプロセスが神経衰弱のルールと重

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      友人の頭が風船が萎れたようになり動かなくなった。枕が固かったのが原因らしい。隙間からマシュマロを詰めて応急処置をした。 記憶を食べるカタツムリを探して資料室へ向かった。教員が帰り支度をしていたので質問をする。カタツムリはいなかった。 あと水が二杯いる。駄目ならガソリンを飲んでやりなおせばよかった。そうして車に乗り込んだ友人を見送った。 夜中に人に見つからないよう歩き回ったので疲弊した。あとは部屋に戻るだけたったが、糸を引いてカーテンが現れるイタズラを見ていくように誘われた。断

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        私と数人の子供、皆で誰かに頭を撫でられている。何も覚えていないと伝えると、いいんだと言われた。 日が経つにつれ、生活に慣れた。毎日数人の子供が集まり、あたまを撫でられる。記憶は少しづつ戻っているのかもしれないが、それは今のところどうでも良く感じた。 暫くして違和感を感じた。周りの人間が若くなっているような気がする。大人は変化を感じ辛いが、子供は急に身長が縮んだり言葉を解さなくなるなどした。 それについて伝えると、もうすぐ忘れるから大丈夫と頭を撫でられた。 暫くして、友人は赤ん

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          珍しい肉が必要で競りに出かけた。腐りやすい部位なので高くはなかった。ブロッコリーや芋と共に蜂蜜と牛乳で煮込む。病気の兄弟に明日食べさせる。 一抱えもある大きなヘチマが縦に割られて肉の横に積まれている。バターと砂糖は足りていて、野菜がもう少し欲しかったが見つからなかった。 困ったことがあれば何でも相談して欲しいと伝えた。では車を貸して欲しいと頼まれた。窓の歪みを直すための資材を買いに出かけたいのだという。忙しい時期を過ぎたらそうしよう。 青白い夜が訪れた。窓から差す光に照らされ

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          サソリとイカを踏み潰すゲーム。足が遅く追いつかれるのでレタスを探す。 鉄骨を外せば梯子になるはずだったが宙に揺れるばかりだった。 ご飯に誘おうと小走りに追いかけ祭に迷い込む。小さな手芸店で、道中見かけた蜘蛛の巣の飾り縫いを見つけた。 四つ折りの薄いタペストリーをいくつか見て、蜘蛛の巣に手を伸ばした。 ビーズが指の皮にするりと埋まり、刺すような鈍痛を感じた。糸が絡まり抜けない。店員が騒ぎ鋏で糸を切ろうとするが、その前に指からビーズは抜けた。

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          回転する起き上がり小法師 空洞の体内で全ての感覚が無く、目を瞑っている間の思考のみが残る。 揃えるつもりのないルービックキューブのように無作為に部屋の中を転げ回る。 部屋の後に硝子戸の棚が並び、その一室は私の場所。 まるで初めて見るガラクタのような愛着の無いものばかりが散らばっており、端に寄せるなどして申し訳程度に整理をした。 かなりの量の硬貨が見つかった。明日からはもうここには来ない。

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          雨 障子の部屋で踊る鶴 開けると人の足を生やして影に隠れた

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          誰も居ない和室に着いた。20畳程の部屋が3つ4つ繋がっており、時間は昼過ぎ頃。窓から光が差している。 部屋の真ん中に無造作に箱が積まれており、開けてみると10年ほど賞味期限が切れた和菓子が出てきた。空腹感があったが、口にする勇気はなかった。 見渡しても他に注視するようなものも無く、日常的に使用されている部屋ではないようだ。 人の気配に注意しつつ外に出てみようと襖に手を伸ばしたが、襖の上に小さな円い鏡が置いてあり、自身と目があった。 箱の中でじっと目を閉じていると時間はすぐに

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          日が落ちて、まばらに街灯が付き始める。 大きな庭を囲むように石畳の道が交差し、あちこちへと延びている。 向こうにはオレンジに照らされた、一際目立つ白く大きな建物が見える。 僅かな灯りを頼りに歩を進め、着けば既に多くの人が集まっていた。 広い広いラウンジに思い思いに輪を作り、誰もがお喋りを楽しんでいる。 辺りを見渡し少し歩けば自分も声を掛けられ、皆と同じようにこれから始まる映画の話に花を咲かせた。 誰もが同じ映画の話をしている。建物内のどこを歩いても、どこを見ても。 話は尽きな

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          アドバイス 時計をなくしたらしいが見つかったと言うのでよかったと伝えた。 時計は15センチ程ありドーム型。内部の液晶に本人の写真が映されて、どの角度から見ても目が合い笑いかけてくる。 映像編集で一部を90度回転させ合成すると、肉と機械が混ざった生き物になった。 横向きの円筒状の足に、つの字型の体が生えて地面を向いて手を延ばしている。4体が並んでそれぞれ統率がとれた違う動きをした。 時間がある時は古い映像資料の整頓を行う。画素の少ない黄緑掛かった画面を繰り返す。 空白を埋める方

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          人を待っている。暫くして来たのは白い魚だった。 食事をする人を鏡に映して観察している。真似て口を大きく開けた。 焼き菓子を貰い喜ぶと、その様子が面白かったらしい。ひとしきり笑った。 四角い服を着ている。人が造ったものは全て四角く、四角くなければそうでない。口元が見えないが器用に食事をした。 埃を被って髪の毛が真っ白になった。埃を払い咳き込んで少し恥じらった。

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          近道と思いショッピングモールを抜けたが、建物の裏は小さな崖になっていた。乱雑に積まれた石材が、辛うじて階段の役割を果たしている。 多分先程の店に傘を落としてきてしまった。緑色の傘は目立つだろうが、見つけられるか自信がない。 引き返す時間が惜しく、不安定な足場をジグザグに登り始めた。 ガードレールを跨ぎ、舗装された道に出る。バス停は目の前で、時間はもう頃く先のはずだ。視界が開け、青黒い空が見える。街の灯に向かって坂を下る。

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          読んだ事の無い本の内容をずっと覚えている。 昔に読んだ本の内容を思い出しているつもりだったが、そんなものは無かったと思い至るのは暫く先の事だった。 広い廊下の建物を歩いている。昼間のせいか、外周に並ぶ小さな部屋はどこも満席だった。 中央の資料棚はL字を立体に組み合わせたような複雑な形をしている。道に迷いながら目的地に着いたが、欲しいものは見当たらなかった。

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          ストローのような形をした土がひとつ必要、来た道を順に辿りどこかに落ちていないか探す。 崖から身を乗り出すと危険。もう随分と待たせている。 まだ先と誰もが思っていたが、結局空にも土地はなくなった。裏路地の壁を背に何人も列なって時間を待っている。ハンガーがぎっしりと並んで空を暗くしている。 新しいものをつくるのではなく、古いものの時間を戻すようになった。 時間を戻せば安くなり性能も良くなる。買える値段になれば入札する。 誰かが来て先に行くよう急かすが、みんな嘘がわかっていた。誰

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          カメラにオレンジ色の人影が映る。 アパートの空き家に泊まるつもりだが不安がある。 雪が積もっている。 誰も居ない時間に発つ列車は夜明け前に目的地へと着く予定だ。

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          落とした石鹸を海の底まで拾いに行ってくれた。相棒にシュノーケルの先端を手渡して、暗い雨の夜、濁った地面にヌルリと身体を潜らせた。 細いシュノーケルの管を左手で振り回して、暇そうにしている。私はその管が手からポトリと落ちてしまうのではないかとハラハラしている。 真っ暗な足元よりも更に深い場所で何も見えずに迷子にしてしまうのではないだろうか。石鹸が落ちた場所までまっすぐ向かえただろうか。 余所見をして肩の高さにあった水面に管を潜らせてしまった。底がどうなっているかわからなく心