遺書に書けなかったこと
【⚠️この記事は、いじめ、性描写、気持ち悪い表現等を含むので閲覧注意】
小学3年生の頃は、20数年生きてきた私にとって1番の暗黒期だ。
親友の女子と、その女子の友人から暴言など精神的ないじめを受け、クラスで孤立した。
孤独になった私に、とある男子が定期的に声をかけてきた。(以下、その男子をRと呼ぶ。私の名前が出る部分ではAと表記する)
声をかけてきたと言っても、心配の言葉や雑談ではなく、ちょっとした名前弄りなど、聞いていてムッとするようなことだけだった。
日が経つにつれ、廊下を通せんぼしたりなどの、小学生でよくある意地悪が増えた。
元々、彼のことは大嫌いだった。
学年で有名ないじめっ子であり、控えめで仕返ししない子にホースで水をかけたり、蹴っていたからだ。
私もそうなるのだろうかと怯えて過ごした。
でも、ここで明らかに怯えたら彼の思うツボだと当時の私は考え、とことん冷たい対応を続けた。
私が冷たくする度、向こうは怒るのではなく、
ニヤニヤしながら私を見ていてゾッとした。
こんなことが2ヶ月ほど続いたが、ある日の給食の時間、事件が起きた。
大声でそんな会話をしているもんだから、勿論私には聞こえてるし、周りのクラスメイトも「フゥ〜!」とか大量の野次を飛ばした。先生や他のクラスメイトは、聞いてないのか、聞こえないフリをしていた。
気持ち悪すぎて、給食をほぼ全部残した。
その会話が繰り広げられて以来、彼はネジが外れきったのか、ひたすら私に口説きのようなことを言ってきた。それでも私は流し続けた。
【ヤバい奴は、相手にしないのが1番】そう信じて。
どんどんされることは過激になっていき、リコーダーや鉛筆などの私物を盗まれては舐められたり噛み跡があり、触れなくなった。
先生や親には、こんなことを相談する勇気なんてなかった。口にするのも嫌だった。
(先生に関しては、女子からのいじめの時点で無視してるから相談する気なんか無かった)
目の前で私物を汚されるのを見た時は、もうただ呆然と見つめることしか出来なかった。
ショックと気持ち悪さで体も口も動けず、無言で見つめた。
このRからの出来事と並行して、いじめ問題も起きていたため、私は本気で自殺を考えた。
誰も助けてくれないし、親に言いたくなかったため、とりあえず遺書を書いたのだ。
でも遺書には、《これから書く出来事》を書けなかった。この出来事は、親には一生言うつもりなんかない。でも、血縁でない読者だからこそ、聞いて欲しいのだ。
最悪な出来事、人生でトップレベルのトラウマを植え付けられた。
下駄箱で1人、靴を履きかえようとした瞬間、後ろから口を塞がれて持ち上げられた。
何が起こったのかわからないまま横を見たら、
ニヤニヤしてる男子数人と目が合った。突然の恐怖に、体は動かなかった。
いじめの大将であるRといじめをしている、取り巻きの男達だった。
「やだ、降ろして」なんて、口が塞がれてて言える訳もなく、そのまま持ち上げられたまま、下駄箱付近の空き教室に放り込まれ、扉が閉められた。
「やだ!!開けて!出して!!」
口を塞いでた男の手が離れたから声を出せたもの、扉は外から取り巻きの男数人が押さえつけていて、私の力じゃ動かせず、閉じ込められた。
私を持ち上げてきて、そしてこうするよう取り巻きに指示したであろうRが、後ろで笑った。
取り巻きが全員外にいる。Rと2人きり。
開かなくなった扉の前で、私を持ち上げた男の体力に抵抗出来る訳もなく、床に押さえつけられ馬乗りしてきた。
馬乗りになりながら、腕を押さえつけて身動きは完全にとれない。そのまま乱暴なキスをされ、舌を突っ込まれながら服に手も突っ込まれた。
Rの気が済み「やっぱ可愛いな」と言いながら私の身体から離れた瞬間、何も言わず、逃げたい一心で、取り巻きが見逃していた反対側の扉に走り、勢いよく開けて走り出した
誰か追いかけてきてるのではないか、なんて思い後ろを振り返ると、
と言いながら、満足そうに汚い笑みを浮かべるRと、その取り巻きがいた。
履こうとして下駄箱に置いていた靴を履き、足がもつれ泣きながら家に帰った。
すぐさま洗面台に向かって口と顔を洗い、唾液などは落ちたはずなのに、感触がずっと消えなかった。
ショックやストレスからであろう高熱を出し、学校を数日休んでから、私は親に「死にたい、死なせて欲しい。いじめが辛い」と泣きながら伝えた。
親は泣きながらも話を聞いてくれて、すぐに転校が決まった。私はその事件以降、Rやいじめっ子がいる教室に行くことはなかった。
ちょっと前に書いた通り、死にたいと親に言う前から自殺は考えていたので、遺書は書いていた。
その遺書に、この事件は書いていない。こんな汚い話を親に聞かれたくないのだ。墓場にまで持っていく秘密だ。
死にたいのは、いじめだけが原因じゃなかった。
結局、転校のおかげで遺書は本当の【遺書】にならずに済んだ。
その遺書になるはずだったものに書かれなかった最悪な記憶とトラウマを、供養のつもりでここに記した。
いや、ずっと誰かに聞いて欲しかった。
Rから、殴る蹴るなどの暴行はされなかったものの、二の腕を押さえつけられた時に爪がめり込んだ跡と、舌の気持ち悪い感触、お腹や胸を撫でた感触、身動きが取れなくなる恐怖、後ろから抱えあげられる恐怖、腰周辺に男性器を擦り付けられる不快感、口を塞がれる恐怖…
沢山の恐怖とトラウマと傷が残った。
私が優しくしていれば、嘘でも「好きだよ」とか言っていれば、こんな目に遭うことは無かったのだろうかと思ってしまう。今更すぎるのに。
今現在も、高身長な男性が真後ろに立っていたり、恋人では無い異性に肩を掴まれたりすると、当時の感覚が蘇ってゾッとするのだ。
ちなみに、Rは足首にミサンガをつけていたため、ミサンガをつけた人は苦手だ。
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