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メンタルヘルス

トップアスリートと精神科医のインタビュー


2022年1月にオンライン開催された未来の体育共創サミット2022に参加しましたが、米国の小児精神科医の内田舞医師のセッション「アスリートのメンタルヘルス」で紹介されたBehind The Podium A Mental Health Conversation With Mirai Nagasuという動画(*)をあらためて見てみました。
一流フィギアスケーターの長洲未来さんとのインタビューなのですが、「メンタルヘルス」という観点で、スポーツ関係者だけでなく、多くの人へ大切なメッセージが含まれていたと思います。自分が受け取ったメッセージを書きますね。
  *:全5編。英語での会話ですが、日本語の字幕が出ます。

1. 精神的な危機は誰にでも訪れる

トップアスリートは精神的に強いと思われがちだが、オリンピックでメダルを取るようなトップアスリートでもうつ病などの精神的な不調/精神的な危機を経験する。

2. 精神神経系は20歳後半まで発達段階

精神神経系は20歳後半まで発達段階であり不安定であることを親や指導者は理解しておくべきである。

3. 早目に専門家を受診

精神的な危機(強いストレスや精神的に不安定になる)に気づいたら、早期に精神科医などの専門家に会って相談することは、本人の健康のために必要なこと。それを躊躇したり拒むべきものではない。

4. 周囲のサポート

精神的な危機から脱出するには周りのサポートも大切であり、これによって本人も努力することができるようになる。

5. 治療薬

精神病の治療薬にはたくさんの種類があり、その効果や副作用には個人差が見られるが、精神的な危機から脱出するための重要な手段の一つとなる。

6. ストレスに耐えるって健康なこと?

「周囲へ助けを求めてはない/求めるのは弱い人間」と考えることが日本など東アジアに多いのは、ストレスに対して自分を責め耐えることを美徳とするの文化があることが一つの原因になっている。ストレスにじっと耐えることは健康なことではありません。

おまけ

 長洲未来さんの選手時代そして引退した時のさまざまな経験を当時の心情を交えて語っているのですが、終始穏やかな彼女の表情からは内田舞先生に対する信頼も感じられました。患者と医師の関係も、互いにリスペクトし合う関係であるべきだというとても良い例、このことも勉強になりました。