━映画感想━『花束みたいな恋をした』(2021.2.20追記)
『花束みたいな恋をした』
脚本:坂元裕二
主演:菅田将暉・有村架純
まさか劇中で、
2014年ブラジルW杯でのジュリオ・セザールの言葉が引用されるとは思わなかった(笑)
本作品は、菅田将暉君と有村架純さんの代表作になりますなー。
4,5年前に放送されていた『いつかこの恋を思い出して泣いてしまう』や『カルテット』の連ドラ好きだった人は相性抜群だと思います。
映画のあらすじは...
音楽・映画・文学・舞台・お笑いなどの趣味が意気投合したことをキッカケに交際し始めた麦(:菅田将暉)と絹(:有村架純)カップルの2015~2020年にかけての日常の移り変わりを描いたラブストーリー。
あながち間違ってないあらすじだと思います笑
こう書くと一見なんてことないベタな恋愛映画なのねと捉えられますが、
実際鑑賞してみると...
見ていてとても胃がキリキリしてしまいました...。(良い意味で)
まるで自分の20代の恋愛のワンシーンを覗かれてたのではないかと錯覚してしまうぐらい、
自分事かのように感情移入したんですよねぇ。
恐るべし、坂元脚本。
大学生~フリーター生活を送っていた最初の二年間はまさに、ほんわかした理想のカップルの過ごし方といった感じで“青春”感が溢れていました。
麦「ずっと一緒にいたい。目標は、絹ちゃんとの現状維持!」
ああ...今だから言えるのだよ...と、
麦のこの台詞聞いて頭抱えてました(笑)
でも、絹ちゃんはずっとこのときと同じ気持ち持ってたんだよね...切ない。
そして、いざ就職すると、だんだん生活リズムもお互い変化、すれ違いの日々。
特に麦は、学生時代から好きであり、絹との共通の趣味であったポップカルチャー(サブカル)への興味を失っていく...。
絹に誘われたゼルダのゲームにやる気が起きず、『俺にはパズドラしかないんだよ』と答えるシーンはやるせなかったが、実際忙しさにかまけるとそんな気分になるんだよね。
麦は悪気があって言ったわけではないのだ。
(ここもリアルだったな...)
絹の気持ちも分かるし、麦の気持ちも分かる。
麦は、絹との生活のためにクリエイターという仕事も諦めて、仕事に追われゲームや漫画に興味を失っても、最終的には絹と一緒になるために仕事をまっしぐらに頑張っていた。
(しかも浮気一つもせずに。何も悪いことはしていないんだな)
絹は自分の好きなことを仕事にして生きたいので、給料下がってもイベント会社への転職を決意した。おそらく麦に相談しなかったのも、クリエイターをしていた麦なら分かってくれると信じていたからだと思う。
個人的には別れ話のシーンの空気感がリアルすぎて...
「やっべぇ...フラれ際のあの頃の俺と同じこと言っちゃってるよ...菅田将暉...」
と恥ずかしくなってしまったり。
男は別れる最後まで未練がましい生き物なのだよ。(個人差あり)
でも、絹ちゃんの方はそれなりに吹っ切れてて、別れる決心ついてて先を見てる感じもリアルだった。
別れた後の、引っ越し手続き云々による三ヶ月暮らした生活は、
少しだけ昔の二人に戻ったように見えるけどもうあの日に戻れない、といった切なさがしみじみと出てましたね。
吹っ切れたから、というべきか。
二人とも別れて1年経ったら、すぐに新恋人(?)作ってるし笑
“はじまりは、終わりのはじまり”
PS.
スケッチブック風のパンフレット、
ボリュームあってとても読み応えあります!
劇中に出てきた作家さんや作品に関する解説も載ってるので、2015~2020年のポップカルチャーを復習するのにも、うってつけです笑