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スキになる 16

たった一度だけ出会ったタクシーの運転手さんの人生を、何も知らない私が勝手に想像している。

もしかしたら運転手さんは全然、掛川と関わりない人なのかもしれない。

高知の出身で、土佐藩・山内家のルーツ調べた結果、掛川に興味を持っただけかもしれない。出身じゃないけど土佐が好きなだけかもしれない。

あるいは日本茶が好きなのかもしれない。

掛川を訪れて好きになったのかもしれない。

何かはわからないけど、何かの理由で彼は「掛川」を境にしてこの国をふたつに分けている。

今こうやって彼が「掛川より西」をスキな理由を私が想像する時、私の意識が彼の意識を探ろうと試みている、ということになる。

そしてそれは彼のスキを私が理解しようとしている行為でもある。

この「理解しようとする」は、ひとつのポイントの気がする。
コミュニケーションの根幹はまず「理解」にあると私は考えるからだ。

だが、理解しないで「寄り添う」ことだってできる。

価値観が多様化を極め始めている今という時代には、理解よりも寄り添うことの方が大切になりつつあるように思える。

続きは次回

若い頃に希死念慮で苦しんでいた私は自殺未遂とうつを繰り返してきました。でも人生は苦しむためにあるのではない、という当たり前のことを心底感じられるようになった今、自分にできることをしたい。あなたのサポートがそれを後押ししてくれます。一緒にこの世界を輝かせていきませんか?