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【私の視点】医者が病院に行く時に、病院を選ぶ基準

〜個人的な感想です〜


病院に行く目的は?

医者は、自分で自分に処方することはできません。
なので、自分が病気にかかった時は、自分の働く病院で、同僚の医師に診察してもらうことが多いです。

自分の仕事の合間にみてもらえますし、平日に休むことはなかなか難しいので。

もちろん、私も、みなさんと同じように、普通に街中のクリニックや市中病院、大学病院を受診することがあります。
医者自身は何を基準に病院を選んでいるか、これは私個人の考えですが、みなさんが病院にかかる時に参考になればと思います。

まずは、病院にかかる目的はなんでしょうか?

  • 市販の薬が効かないから、別の薬が欲しい

  • 健康診断を受けたい、検査をしたい

  • 悩みを聞いて欲しい

  • 専門的な治療を受けたい

多くはこのような目的ではないでしょうか?
あなたの目的に合ってないクリニックや病院に行くと、待ち時間が長かった、医者が話を聞いてくれなかったなど、不満をもつことになります。

患者さんが、病院を受診して病院に不満をもつとき、ハード面・ソフト面のミスマッチが起きているのだと思います。

もちろん、病院側はソフト面の改善を努力すべきだとは思いますが、患者さん側も目的にそった病院を選ぶことで、満足度があげることができるでしょう。
患者さんも医療者側も、ハッピーになれればお互いにとって良いと思いませんか?

目的別:病院の選び方


悪性腫瘍や命や予後に関わる病気、難治性疾患や希少な病気については、
やはり専門的な加療ができる病院で相談すべきと考えます。

今回は、専門的な治療を受けたい以外の理由で病院を受診する時、
日常的にかかりうる病気、たとえば風邪や花粉症、皮膚トラブルなどを想定したお話です。

パターン1:市販の薬が効かないから、別の薬が欲しい


花粉症や風邪、皮膚のかぶれなどに対して、ドラッグストアでも薬が手に入ります。ただそれだけでは効果がイマイチだったり、症状に合わせた薬が欲しいとなった時、病院を受診することを考えると思います。

私も、春は花粉症の症状がひどすぎて、どうにもならない時がありました。
頭痛もひどくて、目も開けられなくて、鼻水くしゃみが続く。。。
日常生活がままならないけど、夕方どこも病院がやってない時、ドラッグストアに駆け込んで、アレルギーの薬を買いました。

でも効き目がイマイチで、
ドラッグストアからの帰り道、自宅近くの開業医の内科が仕事終わりの19時までやっていたので、薬が欲しくて駆け込みました。

体調が悪く今すぐ薬が欲しい時、待ち時間が1番辛いですよね。

そんな時おすすめなのが、私が駆け込んだような
家の近くの古くからやってる、地元に根付いたベテラン先生の病院です。

待ち時間があった場合でも受付だけして、家でしばらく待ってから戻ることも可能な病院もあります。

特別な検査などできない病院もありますが、
いつも症状が出た時に使う薬が決まっているのであれば、ぱぱっと診察して必要なお薬を出してくれます。

地元の古いクリニックはネットのホームページも地味だったり、Googleの口コミもいまいちな時もありますが、案外行ってみると優しくて、親切にお話ししてくれる先生も多いです。
長い間潰れずにそこで根付いて病院が続けられるというのは、それなりの理由があると思います。

自宅の近くの駆け込み寺として、日頃から探しておくのはいいとおもいます。

パターン2:健康診断を受けたい、検査をしたい

市や区の健診、会社の補助を使って健診で行きたい時など、
新しく病院を探す必要があるときがあります。

市町村の健診の場合は、たいてい健診のお知らせの中に検査が受けられる医療機関の一覧などがあります。
また、会社の補助の健診については、受けられる項目や補助の額が決まっていると思いますので、それに合わせて病院を決めることになると思います。

健診で病院を受診するときに、頭に入れておきたいポイントが2つあります。

⚪︎通院の回数
検診は、病院行って1日で完結できない場合もあります。

例えば、
予約と同意書・必要な検査(血液検査とか)など説明で1日
健診の検査で1日
検査結果の説明で1日
合計で3日間通院必要になることがあります。

ものによっては、検査の翌日にも病院受診が必要だったり、人間ドックで健診の検査項目が多い時など2日間にわたり検査したり、胃カメラなどは食事制限があったり、、、

通院頻度のことを考えると、自宅や職場からの行きやすさを考えて病院を選ぶ必要がありますよね。

⚪︎検査日程や外来日に曜日の指定があるか

病院によって、担当の医師の外来日が限られていたり、検査の曜日や時間帯が決まっていたりします。
社会人だと、何度もお休みするのが難しいこともあるかと思います。
事前に電話や病院のホームページで、外来の日などを確認しておくことをお勧めします。

また選択肢として、専門的なクリニックで検査できる場合もあります。

私が、乳がん検診を行ったクリニックは、乳腺科専門の病院でした。
毎日同じ先生が診療していて、乳腺のエコー検査は初回の受診の日に検査から結果説明まであり、1日で完結することができました。

大腸内視鏡の検査の時は、市中病院に行ったのですが、初回受診、検査、結果説明の計3回の受診が必要でした。

病院や検査内容によって、通院頻度や通院日などは個々に違いますので、
予定を立てるときに、自分の希望に合った病院か確認することが重要です

パターン3:悩みを聞いてほしい

病院に行くほどじゃないけど、ずっと気になっていること
例えば、顔にあるホクロが徐々に出っぱってきたとか
怪我した後の傷跡、自宅で治していたけど痕が気になるとか

もし自分に医師の友達や親戚がいたら、聞きたいようなことありませんか?

こういった疑問を解決したい時、混んでいる病院に行くと心理的に相談しにくいのが現状だと思います。

例えば私の普段働いている皮膚科のクリニックだと、医師2人で1日150人〜200人くらい診察します。営業時間の合計は、約8時間(=480分)ですので、
150〜200人÷2人=75〜100人/医師1人
480分÷75〜100人=6.4〜4.8分/患者1人

患者さん一人当たりの診察時間は約5~6分です。
処置などが入ると、実際にお話しできる時間はもっと少ないのが現状です。

私もじっくりお話し聞くよう心がけていますが、
患者さんのメインの症状の解決を優先してしまうため、
日常のちょっとした疑問全てを解決して差し上げられているかはわかりません。

また私は別の病院でも勤務しているのですが、1日の患者数20人〜30人くらいなので、とことんお話しや、雑談もする精神的余裕があります。

病院によって、混雑の程度が違うのは
立地
どれほど集客をしているか
売上の目標があるか

などによると思います。

できたばかりのクリニックは、ローンの返済もあるため集客を頑張ります。
また立地の良いクリニックは、家賃も高く集客が多くないと経営が回らないのかもしれません。
逆に古くからある病院は、自分の土地で営業していたり、ローンの返済が済んでいれば、そこまで頑張って患者さんを集める必要もなく、のんびり営業しているのかもしれません。
(これは私の推測です。)

混雑している方が人気で安心と感じるかもしれませんが、
空いている病院に勤務している時は、医師にも余裕があります。

医師とゆっくりお話しがしたい方は、
空いている病院を選ぶのも良いかもしれません。

まとめ

以上、私が病院を受診するときに考えることでした。

悪性腫瘍や命や予後に関わる病気、難治性疾患や希少な病気については、
やはり専門的な加療ができる病院で相談すべきと考えます。
専門的な病院を自分で探すのは難しい時は、かかりつけの病院や近くのお医者さんを受診し相談した上、適切な医療機関に紹介してもらうようにしてください。

また、美容皮膚科や美容外科の病院を探すときのポイントは異なります。
こちらの話は、別でゆっくり、記事にまとめられたらと思います。


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