見出し画像

第一章 私の鬱の時の過ごし方 / 主治医を変えてみる


なかなか鬱の状況から抜け出せない……そんな時は、主治医を変えてみるのも一つの手だと思います。

実際私も、主治医を変えてから、かなり症状が安定するようになりました。

精神科の病院というのは、他の科に比べて、その病院ごとにそれぞれのカラーがあり、かなり相性があるように感じます。

私の実体験をご紹介します。

私が初めてかかった病院は、突如激しい躁状態になったこともあり、家から一番近いクリニックでした。

私の前医は、考え方で治すという方向性の方でした。
「なぜあなたが病気になったのか」というのを何度も聞かれ、頑張って絞り出してA4の紙に書きだしたところ、「意味が分からない」と一喝されました。

「今のあなたの考え方のままでは職場復帰なんか無理だ」と言われ、大好きな職場に復帰させてもらえませんでした。

また、希死念慮が起きても「あなたの考え方が悪い」と言われ、どうしたらいいか途方に暮れました。

挙句の果てに、療養中の唯一の趣味であるカフェ通いを「依存症だ」と言われ、もうここに通うことは難しいと感じ、転院を決意しました。

転院先である、現在の病院の主治医は、基本的に薬で症状を和らげる方向性の方です。

少し鬱になりかけたら、少し薬を増やしてみる。
副作用(腎障害や過食、生理不順など)が出てきたら、減薬して他の薬で代用する
調子が良くなってきたら、少しずつ減薬してみる

など、他の病気と同じように、「考え方」ではなく、「薬」で治す、というイメージです。

薬の効果や、起こるかもしれない副作用、摂取量がどれくらいなのかなど、きちんと説明してくださいます。

また、双極性障害にとって大切な睡眠について毎回確認してくださったり、こちらの小さな疑問や相談にも、的確に答えてくださったりします。

仕事復帰について相談した際も、「やってみないと分からないですからね」と快く職場に送り出してくださいました。

このように書くと、前者がひどい病院で、後者がすごくいい病院に感じると思います(笑)。

でも、前医にも良いところはありました。それは、訪問看護を紹介してくださったり、朝起きられるようにと朝のオンライン体操をご紹介してくださったり、書籍や文章を紹介してくださったりと、薬以外の部分が充実していたのです。

ネットの口コミを見ていると、前医に大変満足されている患者さんもいらっしゃるようでした。

なので、やはり病院とは相性があるのだと思います。薬に頼りたくないのであれば、前医がいいのだと思います。私は理系出身だからか(笑?)、薬で治す方が合っていました。双極性障害を、「心の病気」と捉えているのか、「脳の病気」と捉えているのかでも違ってくると思います。

これは、皮膚科のステロイドにも似ているなと思いました。
あまりステロイドを使いたくない・怖い方は、弱いステロイドやステロイド以外の薬を処方したり、他の対処法を提案したりする病院を選択されます。

でも一方で、ステロイドを使用して、一気にしっかり治す、という考え方もあります。実際私も、弱いステロイドで治す皮膚科ではなかなか治らず、ちょっと強めのステロイドで一気に治して保湿でキープする皮膚科に転院してから、肌の調子がとてもいいです。

ご自身が受けたいと思う方向性の治療が、一番良いのだと思います。

なかなか鬱が治らない……今の病院は合っているのだろうか……?と感じられる方は、一度違う病院を調べてみてはいかがでしょうか?

今の辛い状況を抜け出せる、1つの光になるかもしれません。

前医に紹介状を書いてもらうのが心苦しい……と感じられる方は、自分で病歴を書いてお渡しするのでもよいと思います。実際私も、紹介状はもらわずに、障害者手帳用の診断書などを参考にして、A4・2枚程度にまとめてお渡ししました。

今通っているところだけが精神科の病院ではありません。

もちろん、距離などのいろんな事情で病院を選べない方もいらっしゃるかもしれませんが、一度調べてみるだけでも、やってみて価値があるのではないか、と思います。

皆さんにとって合う、素敵な主治医に出会えますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?