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重度障害を持って生きる女性を描く「ハンチバック」

芥川賞受賞作ということで「ハンチバック」を読んだ.ハンチバックといえば,ディズニーの「ノートルダムの鐘」(The Hunchback of Notre Dame)を思い出す.いずれも容姿が取り上げられているわけだ.

本書は重度の障害を持つ女性が主人公の小説だが,著者の市川沙央氏も幼少期に難病の筋疾患先天性ミオパチーと診断されており,重度障害を持って生きている当事者である.

ハンチバック
市川沙央,文藝春秋,2023

健常者として(あちこち悪いところはあるものの)ぼーっと生きている身として,考えさせられる内容だった.例えば,読書バリアフリーについて,異性入浴介助について.そういうことをほぼ考えたことがなかった.

本書を執筆するにあたり,作者は何を意図していたのか.何を伝えたかったのか.それについては,以下のNHKの記事が参考になると思う.実際,自分はこの記事を読んで本書「ハンチバック」を読んでみようと思った.

芥川賞候補作「ハンチバック」作家・市川沙央さん 重度障害の当事者として描く

実は,「ハンチバック」を読む前に,同じく芥川賞受賞作の「ブラックボックス」(砂川文次,講談社)を読んだ.ブラックボックスはまったく共感する要素がなかった.そのため,noteに読書メモも残していない.

偉い人の評価はよくわからない.

それでも,この「ハンチバック」は良かった.自分の世界を少し広げてくれた.

© 2024 Manabu KANO.

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