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本の紹介・読書の記録

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2022年4月の記事一覧

エントリーシートや履歴書を書く意味を若松英輔氏と田中泰延氏から学ぶ

客観的な事実としての学歴や職歴,研究テーマや資格はすぐに書けても,これまでに何を為してきたか,これから何を為したいか,といったことを書こうとすると,とても難しかったりする.自分に貼り付けられたラベルではなく,自分の内にあるものを表現するのは難しい. 書けない履歴書「書けない履歴書」という若松英輔氏によるエッセイが,2015年5月14日の日本経済新聞に掲載されている.このエッセイは「悲しみの秘義」にも収録されており,そちらを読んで大いに頷いた.履歴書の書き方ではなく,履歴書を

「悲しみの秘義」が心に染み入る

先日,「妹の四十九日」と題した文章を書いたところ,それを読んだ友人が本書「悲しみの秘義」を紹介してくれた.最近読んだ本の中でこれが一番自分の心に響いたと言って.すぐに購入して読んでみた.深く心に染み入った.死者と生きるということ,悲しむということ,読むことと書くことの意味など. 「もしあなたが今,このうえなく大切な何かを失って,暗闇のなかにいるとしたら,この本をおすすめしたい」と,巻末の解説に俵万智が書いている.その通りだと思えた. 本書「悲しみの秘義」に収められている文

「ここが京都のパワースポット」なんですか⁉

パワースポット巡りが趣味なわけではないけれど,神社に行くのは結構好きで,サイクリングの途中に各地の神社に立ち寄ることも多い.よく行くのは,山城国一之宮の賀茂別雷神社(上賀茂神社)だ.一の鳥居をくぐると,御所桜や斎王桜があり,ならの小川が流れる広場(?)がある.そこの空気感が大好きで,のんびりと過ごすのが気持ちいい. 「賀茂別雷神社(上賀茂神社)」には自転車通勤の途中に立ち寄ることもある.もちろん本書にもパワースポットとして登場する. 本書「ここが京都のパワースポット」には

ロシアの侵略戦争を見ながら「ルトワックの日本改造論」について考える

日本の隣国と言えば,中国,北朝鮮,ロシア,韓国などで,どう付き合って(対峙して)いくかが問われる.平和に暮らしていたら平和が続くなんてことはないことは,ロシアのウクナイラ侵攻でも明らかになった.戦争犯罪やジェノサイドという厳しい言葉で非難されているロシアだが,アメリカもNATOも直接的には何もしないし,国連軍も動かない. 本書「ルトワックの日本改造論」の冒頭でルトワックは, と書いている.日本という国家の未来を担うのは,今を生きている子供たちであり,これから生まれてくる子

「好き嫌い」という行動科学最大の謎に迫る

いつも,これが好きだとかあれは嫌いだとか言っている皆さん,なぜ人間に好き嫌いがあるのかを知っていますか.どういう理由で何かを好きになったり嫌いになったりするのかを知っていますか.そのような謎に取り組んでいるのが本書「好き嫌い―行動科学最大の謎―」だ. もっと具体的に本書で取り上げられている謎を示しておこう.訳者あとがきに原書カバー裏表紙に書かれている文章が紹介されている.これが手っ取り早い. 本書「好き嫌い―行動科学最大の謎―」では,作家である著者が,これらの疑問の答えを